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平成30年11月提案理由

[2018年11月30日]

ID:15165

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平成30年11月定例市議会に提出した議案に対する市長提案理由

 平成30年度補正予算案並びに関係諸議案のご審議をお願いするに当たり,その大要と市政の動向等について申し上げ,市民並びに市議会の皆様方にご理解とご協力を賜りたいと存じます。

はじめに

 一級河川・砂川の破堤や内水被害,道路の路肩崩壊,土砂崩れ等により,平成に入って最も大きな被害を受けた7月豪雨から間もなく5か月が経とうとしています。
 災害による経済への影響が懸念される中,日本銀行地域経済報告では,中国地方は「平成30年7月豪雨によりダメージを受けたものの,社会インフラの復旧等に伴い,豪雨の影響が低減する中で,基調としては緩やかに拡大している」とされ,岡山城・岡山後楽園の入場者数も前年と比較して,7月の3割減から,10月には同水準近くまで回復するなど,まち全体としては落ち着きを取り戻しつつあります。
 一方,床上浸水世帯への各戸訪問を行う中で,未だ住宅の修理や片付けなどに苦慮され,日常を十分に取り戻すに至っていない方々がおられると認識しております。
 被災者の生活再建に向けた支援策として,住宅の応急修理や義援金・災害見舞金の支給,中小企業者等に対する復旧等に係る経費助成など,生活と生業の一日も早い再建に向けて取り急ぎ必要な支援を行うとともに,各支援制度が漏れなく対象者に行き届くよう,未申請者に対する戸別訪問などを取り入れ,引き続き丁寧な働きかけを行ってまいります。

安全安心なまちづくり

 このたびの豪雨災害を契機として,「災害の少ない岡山」から「災害に強い岡山」に向けて,県が実施する砂川改良復旧事業への協力等,復旧にとどまらない再度災害の防止に取り組むとともに,今後さらなる進展が予想される人口減少・少子高齢化への備えに万全を期すことにより,安心を生活の隅々にまで届け,真に安全で安心して暮らせるまちを実現してまいります。
 まず,具体的取組の一つとして,7月豪雨災害に対応した経験を今後の教訓とするため,10月に設置した課題抽出・検討委員会において,初動体制や情報提供などの項目ごとに,課題の抽出・検証作業を進めているところです。
年度末を目途に骨子を取りまとめ,できるだけ速やかに対応策に着手するとともに,来年度予算にも反映していくこととしておりますが,来年の出水期に間に合わせる必要があるものにつきましては,適宜補正予算で対応することとしております。今議会では,町内会など地域の方々が主体となって,局地的な浸水被害に迅速に対応するための貸与用可搬式ポンプ8台の導入費用などをお諮りしております。

 また,この夏は災害ともいえる記録的猛暑となりました。子どもの命を守る熱中症対策が最優先課題であるとの認識のもと,市立中学校の空調設備の設置につきまして,使用開始時期を当初の予定から一年前倒しし,来年の夏に全校で使用開始できるよう整備を進めるとともに,幼稚園につきましても,来年の夏に向けて遊戯室等への設置を進めることとしております。
 一方,空調設備を設置する方向で検討すると申し上げていた小学校につきましては,中学校に比べて学校数も多い上,先行する中学校への設置工事と並行して実施設計及び設置工事を行っていかなければならないという状況の中,できうる限りの手段を講じて,2020年夏に全校で使用開始ができるよう整備を進めてまいります。
 これらは,いずれも国が補正予算措置した補助金を積極的に活用することとしており,所要の経費をお諮りしております。

 本来,市庁舎は防災・災害対応の司令塔となり,市民サービスを提供する拠点となるべき建物ですが,現在の本庁舎は築50年が経過し,耐震基準を満たしていないという大きな課題を抱えております。
 今年度,本庁舎再整備に向けた議論を進める中で,災害対策本部を保健福祉会館に置く現状のほか,本庁や北区役所の機能が分庁舎等に分散するなど,市民サービスや業務効率の観点から多くの課題を抱えている状況を踏まえ,先般,改修と2つの建替案を比較した上で,本庁機能と北区役所機能を全て集約する建替案で整備していく方針を決定いたしました。
 本庁舎建替えにより,防災拠点としての機能を大きく高めるとともに,市民の利便性向上,憩いや交流の場の創出など,公園・駐車場等の周辺機能も含めた本庁舎周辺にふさわしい魅力的なまちづくりにつなげていけるよう,敷地の検討を含め,年度内を目途に基本構想を作成してまいります。

 さらに,これまでの災害救助法では,大規模災害が発生し,同法が適用された場合の救助実施主体は,都道府県のみであったところ,去る6月の同法改正により,来年4月1日から,政令指定都市も救助実施主体となることが可能となりました。
 地域に精通し,実行能力を有する政令指定都市である岡山市が,市内における災害救助を主体的に行うことが,最も効率的・効果的で,柔軟かつ迅速に災害救助を行えると考えられることから,早期に,できれば来年4月1日の救助実施市指定を目指し,所要の準備を進めているところです。
 こうした豪雨災害の復旧支援と将来の安全安心に向けた取組を進める中,過日開催したおかやまマラソンでは,1万6,000人を超えるランナーをはじめ,ボランティア,沿道からの声援を送っていただいた市民の皆様,協賛並びにご支援をいただきました企業・団体など多くの方々のご理解とご協力のおかげをもちまして,大盛況のうちに第4回大会を終えることができました。皆様方には心からお礼申し上げます。
 このたびの大会では,被災地への願いを込めた応援メッセージをチャリティーゼッケンに刻んで走るランナーも多く,これから災害に負けない,元気な岡山をつくっていこうというそれぞれの思いが一つになった大会でもあったように思います。
 災害に強く,安全安心な岡山市を築いていくために,先を見据え,皆様の熱い思いとともに一歩一歩着実に進んでまいる所存ですので,議員各位におかれましては,さらなるご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

 さて,安全安心な市民生活の確保という点では,取り組むべき課題は防災に限らず,多岐にわたります。さらに,人口減少・少子高齢化が進展する中,いかに中四国の中枢・中核都市としての拠点性を高め,活力ある岡山市をつくり上げていくかも忘れてはならないもう一つの課題です。

子育て環境整備

 待機児童問題につきましては,今年5月の記者会見で「明るい兆しが見えてきた」と申し上げたとおり,今年10月1日現在の待機児童数は,今年4月時点の551人から171人減の380人となり,まだ多くの待機児童が存在しているものの,解消に向けて着実に進んでおります。これまで取り組んできた受け皿の拡大と保育士の確保,保育コンシェルジュによる丁寧な寄り添い支援の効果が現れてきているものと考えております。
 また,来年4月に向けては,現時点で1,337人分の新たな受け皿が確保できており,待機児童の定義を変更して以来,全体の受け皿の数が利用申し込みの予想人数を初めて上回る見込みであることから,平成31年度末の待機児童解消に向けて,大きく歩みを進めることができたのではないかと考えているところです。しかしながら,国が来年10月からの実施を目指す幼児教育・保育の無償化による影響など,今後も予断を許さない状況が続くことから,引き続き全力で取り組んでまいります。

 岡山市教育大綱の柱の一つである「問題行動等の防止及び解決」につきましては,国が実施した平成29年度の調査結果が,先月,公表されました。
 岡山市の状況は,中学校では暴力行為が7年連続で減少し,教育大綱の目標に掲げた生徒千人当たりの発生件数9.5件に迫る10.9件まで改善する一方,小学校では暴力行為,いじめ,不登校いずれも過去最多となり,不登校児童の出現率は教育大綱の目標に掲げた0.42%を大きく上回る0.71%となるなど,これまでのやり方では目標の達成が見通せない実態が明らかとなりました。
 子どもたちが安心して生活し,学ぶことができる学校にしていくため,現状の分析,事業の見直し及びその効果的な実施等について,先日の総合教育会議においても議論したところであり,学校,家庭,地域,関係機関等と連携を密にしながら,2020年度までの目標達成を目指してまいります。

持続可能な公共交通網の形成

 既に,市民の4人に1人以上が65歳以上の高齢者となり,今後,一層の高齢化の進展を見据えると,公共交通は,市民にとって欠かすことのできない生活インフラとなります。
 交通事業者や有識者,利用者代表等で構成する岡山市公共交通網形成協議会で合意を得た,「利便性の高い公共交通サービスを安定的に提供する」という目標の達成に向け,先月,同協議会幹事会を開催し,市から,ネットワークの再編や結節機能の強化,ダイヤ調整,運賃設定の適正化等の論点を提示したところであり,次回以降,今後取り組むべき施策について,各交通事業者からも具体的な提案をいただき,議論を深めることとしております。
 また,公共交通を安定的に確保するための制度や財源のあり方については,8月に,指定都市市長会を代表し,国土交通大臣らに対し提言を行うとともに,その後,国が設置した「地域交通フォローアップ・イノベーション検討会」にも,私自身,委員として参加し,地域の実情を直接伝え,政策に反映いただくよう努めております。
 今後とも,あらゆる手段を講じながら,利便性・持続性の高い公共交通ネットワークの実現を目指してまいります。

中山間・周辺地域の振興

 地域振興基金を活用して中山間・周辺地域の振興を図るため,今年度から始めた「地域の未来づくり推進事業」につきましては,事業の初期的経費等に対する助成を行う「地域の未来づくり推進事業補助金」1事業,事業の試験的な実施等を支援する「地域活力創出事業補助金」7事業の交付決定を行いました。それぞれの事業がしっかりと地域に根付き,そして大きく花開いていくよう,引き続きしっかりとフォローしてまいります。
 また,現在,今後の申請検討に向けた様々な相談をいただいており,職員が直接地域へ伺ったり,アドバイザーを派遣したりするなどの計画策定支援を行っているところです。
 併せて,特産品開発や体験型観光などのテーマごとの具体事例を学ぶワークショップの開催や,地域おこしスペシャリストの講演会,コミュニティビジネスの入門セミナーの開催などを通じて,広く対象地域の皆様に取り組んでいただけるよう,周知を図ってまいります。

在宅介護総合特区

 介護が必要になっても住み慣れた地域で生き生きと暮らせる社会を目指す「岡山型持続可能な社会経済モデル構築総合特区」につきましては,平成25年度から5年間にわたり取り組んできた第1期の成果をベースとして,今年度から第2期がスタートしております。
 介護サービスの中で身体状態の改善を目指す「デイサービス改善インセンティブ事業」や「最先端介護機器貸与モデル事業」を継続しつつ,新たな取組として,今年度から,高齢者の生きがいにつながる就労や社会参加を,介護サービスの中で提供する制度の創設に向け,国と協同で調査研究を行うとともに,訪問介護サービスへの質の評価の導入や,介護職員の負担軽減のための介護ロボット貸与についても,実施に向けた準備を進めているところです。
 今後とも,全国で唯一の在宅介護総合特区実施自治体として,国の制度改正の実現,さらには超高齢社会に対応する在宅介護モデルの構築を目指してまいります。

まちの賑わいと魅力づくり

 市民会館及び市民文化ホールを統合し,北区表町三丁目千日前地区に移転新築する岡山芸術創造劇場(仮称)につきましては,市街地再開発組合から提出された権利変換計画を認可し,市が取得する権利を得たことで,いよいよ2022年秋頃のオープンに向けて,大きく事業が動き出します。
 「魅せる」「集う」「つくる」を基本コンセプトとしたこの施設は,オペラなど大規模な演出を行う舞台芸術の鑑賞事業が可能となる大・中ホールのほか,これまでの市民会館や市民文化ホールにはなかった「創造活動を支援する機能」の充実を図るために,大スタジオ,大・中・小の練習室,工房,ギャラリーなどを設けることとしております。
 こうした施設の特長をいかし,多彩な音楽や演劇を生み出す,中心市街地の新たな賑わいの核とするためには,市民・文化団体等が行う創造活動の支援,子どもをはじめとする未来の文化芸術を担う人材育成,文化施設や文化団体のネットワークづくりなどの取組が重要となってまいります。
 今後,オープンに向けて,プレ事業や開館記念事業等の実施により機運を高めていくとともに,様々な専門家や市民の方々からご意見をいただきながら,岡山ならではの文化芸術を創り出し,国内外へ発信していく「創造型劇場」をつくり上げてまいります。

 路面電車の岡山駅前広場への乗入れや,併せて行うタクシーゾーンと一般車送迎ゾーンの入替えに伴い,噴水周辺や桃太郎像等の憩い空間や歩行者動線に影響が生じることから,駅前広場全体のデザインについて検討を進めているところです。
 デザイナーの選定に当たっては,岡山の玄関口という性格に鑑み,パブリックコメントや市民のご意見を伺う会を開催するとともに,客観性を高めるために有識者からのご意見もいただき,過日,応募のあった6者の中から選定いたしました。
 今後,「路面電車乗り入れを含めた岡山駅前広場のあり方検討会」などでの検討を経て,年度内を目途にデザイン案を決定することとしております。
 また,路面電車の乗入れにつきましては,現在,都市計画決定等の手続を進めており,できるだけ早期に事業着手したいと考えております。
 来年9月27日から11月24日にかけて,2回目となる「岡山芸術交流2019」が開催されます。岡山城・岡山後楽園周辺の歴史・文化ゾーンにおいて,旧内山下小学校などの6会場を中心に現代美術作品を展示することとしており,今月3日には,プレイベントを実施したところです。今後,学校や地域などとの連携や広報活動の強化などに取り組み,年齢や国を問わず,より多くの方々に観ていただけるよう努めてまいります。
 また,来年10月19日,20日に開催される「G20岡山保健大臣会合」に向けては,様々な機会を捉えて市民・県民へ周知を図るとともに,プレイベント等の開催を通じて,健康増進の取組が企業等を巻き込んだ広がりのあるものとなるよう,協議会において議論しているところです。
 どちらも開催まで残り1年を切りました。本番に向けて,より一層の機運の醸成を図りながら,国内外から訪れる多くの方々に岡山の魅力を感じていただけるよう,必要な準備を進めてまいります。

空港南産業団地の分譲開始

 平成26年度から岡山県と共同で整備を進めてまいりました空港南産業団地が,来年3月に造成完了の見込みとなったため,来年1月24日から購入を希望する企業を広く募集いたします。
 空港や市内中心部,岡山ICへのアクセスが良く,利便性が高い団地であることから,多くの企業の皆様に応募いただけるのではないかと期待しているところです。
 今後は,応募いただいた企業の中から,地域経済への波及効果や雇用創出効果などが高い企業を選定し,地域経済の振興につなげてまいりたいと考えております。

環境影響評価

 大規模開発事業に係る環境影響評価につきましては,来年度からの条例施行に向け,今月,条例施行規則及び技術指針を公布いたしました。
 これにより,新たに市の土地利用の状況に応じた地域区分や規模要件を設定するとともに,土地の改変や樹木の伐採を伴う大規模太陽光発電事業等を対象に加え,計画段階からの環境配慮手続等を設けることなどにより,より柔軟な環境配慮が行われるようになるものと考えております。

平成30年度補正予算の概要

 それでは,甲第201号議案から甲第203号議案までの補正予算の概要について申し上げます。
 補正額は,一般会計で54億800万円余の増額,特別会計で8億2,400万円余の増額を行い,合わせて62億3,300万円余の増額となっております。補正に要する一般財源については,平成29年度決算に伴う剰余金で対応します。

 主な内容としましては,先ほど申し上げました国補正予算を積極的に活用して行う市立中学校35校・小学校91校・幼稚園48園への空調設備の整備のほか,岡山芸術創造劇場(仮称)整備,7月豪雨災害関連対策等を行うものです。

その他の議案の説明

 続きまして,その他の議案の主なものについて申し上げます。

 甲第204号議案は,岡山操車場跡地公園(仮称)に多目的広場を設置するものです。

 甲第205号議案は市営住宅について,甲第206号議案は特定公共賃貸住宅について,甲第207号議案は市営改良住宅について,それぞれ新規入居者等に対し,連帯保証人を立てる義務を課し,及び敷金を徴収することを廃止する等のものです。

 甲第208号議案は,岡山芸術創造劇場(仮称)の保留床を買い入れるものです。

 甲第209号議案から甲第211号議案までは,新産業ゾーン企業団地施設用地を売り払うものです。

 甲第251号議案は岡山北斎場整備事業について,甲第252号議案は県道岡山吉井線(新大原橋)橋梁上部工製作架設工事について,甲第253号議案は市道藤田浦安南町線橋梁上部製作架設工事について,それぞれ請負契約を締結するものです。

 以上で提案理由の説明を終わります。

 よろしくご審議の上,議決を賜りますようお願い申し上げます。

報告に対する市長説明要旨

 ただいま上程になりました報告についてご説明申し上げます。

 報第59号は,リース公用車の事故について,相手方と和解し,賠償額を決定したものです。

 報第60号はリース公用車の事故について,報第61号から報第63号までは市有自動車の事故について,それぞれ賠償額を決定したものです。

 報第64号から報第67号までは,道路の管理瑕疵による事故について,それぞれ相手方と和解し,賠償額を決定したものです。

 報第68号は,市営住宅の家賃の滞納等について,相手方と民事訴訟法第275条の規定による和解をすることを決定したものです。

 なにとぞよろしくお願いいたします。

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