2025年10月21日から23日にかけて、岡山コンベンションセンターをメイン会場に第14回グローバルRCE会議が開催されました。
RCEとは、地域でのESD推進を目的とした「持続可能な開発のための教育に関する地域の拠点(Regional Centre of Expertise on Education for Sustainable Development)」のことで、国連大学サステイナビリティ高等研究所が世界中で約200地域を認定しています(2025年10月時点)。
RCE岡山は、2005年に世界で最初に認定された7地域のうちのひとつです。以来、岡山市では20年間にわたり、地域でのESDの推進を積極的に行ってきました。グローバルRCE会議は、RCE関係者が世界から集まり、ESD活動の成果や今後の方向性について協議するために、2年に1度開催されているものです。2025年は岡山地域がRCEに認定されてから20年の節目にあたること等からグローバルRCE会議の開催都市に立候補し、選定されました。
岡山市での開催は2014年の第9回(「ESDに関するユネスコ世界会議」の中で実施)に続いて2回目で、同じ都市での複数回開催は史上初となります。
今回の会議には、世界31か国から147名のRCE関係者や実践者らが参加しました。119名のオンライン参加も含めると、計266名です。
会議プログラムは、基調講演、全体会、分科会、ポスタープレゼンテーション、フィールドビジットなど多岐にわたり、会議の成果として、ESDを通じた社会変革を目指す「岡山宣言2025」が採択されました。
世界各国の参加者のおもてなしや会議の運営などには、小学生から大学生をはじめ多くの市民が参加し、市民とともにつくりあげた会議となりました。
また、公民館や学校、NPOなど、岡山地域でESDの活動に取り組んできた方の参加も多く、20年間の地域での地道な活動を世界に向けて発信する機会になりました。
この記事ではまず、第14回グローバルRCE会議1日目の様子をお届けします。

第14回グローバルRCE会議は、岡山県立岡山東商業高等学校による情熱的な書道パフォーマンスで幕を開けました。RCE20年の歩みを称えるとともに、「共動」「私たちは独りじゃない」「小さな力が未来を支える」などの力強い言葉で、未来へと歩み出していくRCEネットワークへの期待感の高まりが表現されました。


続いて、チリツィ・マルワラ国連大学学長からのビデオメッセージによる開会宣言。気候変動や格差拡大などの危機に直面する現代において、教育が知恵と思いやりを育む最大の役割を担うということが語られました。連帯・革新・希望の精神を持ち続け、教育が将来の世代に地球と調和して生きる力を与え続けられるようにしたい、と強く訴えました。
大森雅夫岡山市長は、当会議でのRCE間の知識交換と議論の重要性を示すとともに、参加者に岡山市の文化や豊かな農産物などの魅力を語りました。黒部一隆環境省大臣官房総合政策課環境教育推進室長からは、国連大学と連携したESD推進の継続的取組や、SDGs達成に向けた地域間連携の強化の必要性が述べられました。



開会式の終了後は、第14回グローバルRCE会議の概要について、国連大学サステイナビリティ高等研究所の小西美紀氏から紹介されました。小西氏によると、RCEは、持続可能性に関する目標を地域での行動に転換する仕組みであり、多様な人々とともに地域全体でESDを推進するネットワークとして機能し、分野横断的かつ多世代の協働による実践的な学びによって変革をもたらす役割を担っているとのことです。
この前提を共有したうえで、第14回グローバルRCE会議について、多様なRCEの実践から学び合い、連携を強化しながら岡山宣言の採択に向かっていきたいと、会議の趣旨が確認されました。マレーシアのRCEペナン、RCEグレーター・ゴンバック創設者のズルキフリ・アブドゥル・ラザク氏による基調講演では、RCEの20年の歩みについて、多様なセクターによって包括的で対話的に取り組まれてきた「変革」をもたらすものだと振り返りました。
また、広島・長崎への原爆投下から80年となる2025年を迎え、SDGs目標16「平和と公正をすべての人に」を念頭に、平和の重要性についても強調しました。
さらに、コミュニティと大学を対等なパートナーとして位置付けるアプローチとして、CommunityとUniversityを合わせたCommuniversity(コミュニバーシティ)という取組も紹介しました。
全体会1は、アフリカ地域、アメリカ地域、アジア太平洋地域、ヨーロッパ地域のRCEネットワークの地域アドバイザーが登壇し、各地域のRCEの取組や、課題と成果が共有されました。
20年の間に増加しているRCE認定地域ですが、草の根やユースの活動が活発な地域もある一方で、特定の個人の活動への依存や資金調達に苦労を抱えている地域もあるなど課題も見えてきました。
国連大学サステイナビリティ高等研究所 元所長の竹本和彦氏からは、現在活動しているユースが10年後にそれぞれの専門分野で主要な役割を担い、世界のESDコミュニティに貢献することに対する期待が示されました。
全体会2では、地域におけるマルチステークホルダーの協働の重要性と、ESD推進に果たす役割について議論されました。
このプログラムでは、清心女子高等学校で英語教諭をしている兼田紗綺氏が、ユース世代を代表して登壇しました。兼田氏は高校生の時に2014年に開催された「ESDに関するユネスコ世界会議」に参加しています。教師になった現在でも岡山県ユネスコスクール高等学校ネットワークなどの活動に携わっており、その活動や成果を発信しました。
会場参加者もオンラインアンケートに答えるなど参加型となった全体会2。協働するのが難しいセクターは何かという問いに対しては、最も難しいのは行政と民間との協働、という結果になりました。これについて、パネリストが議論したところ、互いに関心事項を共有し信頼関係を構築すること、そして優先的に取り組む内容を調整していく機会を設けることの大切さが指摘されました。
ユースや地域社会に資源や研修の機会を提供することは、未来の共創の主体を育成していくことにつながります。そのために、学びや実践の機会をつくっていくことは重要な要素であることも提示されました。

ESD岡山アワードは、岡山ESD推進協議会が2015年から毎年実施している、国内外のESD活動の中から優れた取組を表彰するものです。11回目となる今回は過去最多となる、世界81か国から346件の応募がありました。厳正な審査の結果、ナミビア共和国の、教育環境が整っていない地域への移動式環境教育の取組と、コロンビア共和国の、ユースを対象としたビジネスの視点から地域課題解決を目指すプロジェクトが受賞しました。
※ESD岡山アワード2025の詳細:https://www.city.okayama.jp/sdgs-esd/0000075377.html
続いて行われたのがRCEアワード2025の表彰式です。RCEアワードは、国連大学サステイナビリティ高等研究所が世界中のRCEにおいて取り組まれた、ESDへの顕著な貢献を果たした取組を称えるもので、2012年から実施されています。今回は11件が最優秀賞(Outstanding Flagship Project)に選出され、RCE岡山が応募した岡山市の取組「気候変動対策おかやま塾」も同賞を受賞しました。RCE岡山が「RCEアワード」最優秀賞を受賞するのは8回目です。
※RCEアワード2025の受賞概要:https://www.city.okayama.jp/sdgs-esd/0000076786.html


歓迎レセプションでは、岡山ならではの料理や地酒などが振る舞われました。また、鼓打ちや大学生が指導した書道、折り紙といった日本らしさを感じられる文化体験コーナーを設けたほか、獅子舞演舞や鼓演奏、うらじゃ演舞など、岡山ならではのおもてなしも行われました。
※歓迎レセプションやおもてなしの様子:https://www.city.okayama.jp/sdgs-esd/0000080383.html
所在地: 〒700-8544 岡山市北区大供一丁目1番1号 [所在地の地図]
電話: 086-803-1351 ファクス: 086-803-1777