建物絵画付分銅形土製品
たてものかいがつきふんどうがたどせいひん
市
考古資料
岡山市中区網浜
(岡山市埋蔵文化財センター)
令和2年12月22日
岡山市埋蔵文化財センター
岡山市北区国体町に所在する南方遺跡で、平成5年から8年にかけて行われた岡山済生会総合病院ライフケアセンター建設に伴う発掘調査で、弥生時代中期の河道から出土した。分銅形土製品とは、弥生時代中期から後期にかけて吉備地域を中心に分布する分銅の形をした土製品で、祭祀に使用されたと考えられている。表面にはクシ状の工具で文様を描く場合が多い。長さが7.0センチメートル、幅が9.8センチメートル、厚さが1.2センチメートルである。建物絵画を描いた分銅形土製品は本例のみで、希少性が高いとともに、当時の高床建物の構造を知るうえでも極めて貴重な考古資料である。