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【内閣府】フリーランス・事業者間取引適正化等法の遵守徹底について

[2024年10月2日]

ID:64968

内閣府より以下のとおり、「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(フリーランス・事業者間取引適正化等法)の遵守徹底について協力依頼がありましたので、お知らせします。

フリーランス・事業者間取引適正化等法の遵守徹底について(依頼)

平素から、市民活動行政に御理解と御協力を賜り厚く御礼申し上げます。
ご案内のとおり、「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(フリーランス・事業者間取引適正化等法)(令和5年法律第25号。以下「本法」といいます。)が、本年11月1日に施行されます。

本年5月から6月まで、公正取引委員会及び厚生労働省が行ったフリーランス取引の状況についての実態調査(法施行前の状況調査)では、特に(1)取引条件の明示、(2)報酬の支払期日、(3)報酬の減額、(4)買いたたき、(5)不当な経済上の利益提供要請、(6)募集情報の的確表示、(7)ハラスメント対策に係る体制整備といった点について、本法施行後に問題となり得る行為の割合が高いという結果となっており、中でも下記「フリーランス取引の状況についての実態調査(令和6年5~6月)を踏まえた留意すべき業種」で挙げた業種から、発注者側から取引条件の明示がなされていない、募集情報が的確に表示されていない等の回答が寄せられたところです。また、令和2年11月から設置されているフリーランス・トラブル110番の相談事例では、「運送関係」「システム開発ウェブ作成関係」「建設関係」「営業」「デザイン関係」「美容関係」「舞台・演劇関係」の業種でトラブルが多く寄せられています。 これらは、発注者とフリーランスとの間で取引条件について十分に協議が尽くされていないことなどが一因であり、違反行為の未然防止の観点からは、両者で十分な協議を行った上で、取引条件の明示等を徹底するなど、本法の趣旨を踏まえた対応が求められています。

改めて本法の内容について、特に上記及び下記「特定業務委託事業者が遵守すべき事項」の本法に定める特定業務委託事業者(本法に規定するフリーランスに業務委託を行う発注事業者)が遵守すべき事項を踏まえてこれらの業務について本法に基づく特定受託事業者と取引を行う際には、本法を遵守した適正な取引となるようお願い申し上げます。

 

フリーランス取引の状況についての実態調査(令和6年5~6月)を踏まえた留意すべき業種

※業種名は日本標準産業分類(令和5年7月告示)の大分類による

学術研究、専門・技術サービス業

主な具体的業務内容

デザイン制作、コンテンツ制作

ネーミング、コピーライター

カメラマン

アニメーター、イラストレーター

調査、研究、コンサルティング

機械設計、電気技術、電気設計

建築設計、土木設計、測量技術

翻訳

通訳

税務・法務等行政専門サービス

ライティング、記事等執筆業務

事例

  • 本法の認知度が低い
  • 取引条件が明示されていない
  • 報酬が60日以内に支払われない
  • 特定業務委託事業者の遵守事項(受領拒否禁止等)が遵守されていない
  • 募集情報が的確に表示されていない
  • ハラスメント相談窓口が設置されていない

建設業

主な具体的業務内容

建設、現場作業

事例

  • 本法の認知度が低い
  • 取引条件が明示されていない
  • 特定業務委託事業者の遵守事項(受領拒否禁止等)が遵守されていない
  • 募集情報が的確に表示されていない
  • 育児介護等の配慮に関する相談に応じなかった
  • ハラスメント相談窓口が設置されていない

生活関連サービス業、娯楽業

主な具体的業務内容

俳優、女優、モデル

楽器演奏、歌唱

理容師、美容師

スタイリング、着付け、メイクアップ

エステ、ネイル

ペット関連サービス

事例

  • 取引条件が明示されていない
  • 報酬が60日以内に支払われていない
  • 特定業務委託事業者の遵守事項(受領拒否禁止等)が遵守されていない
  • 募集情報が的確に表示されていない
  • 育児介護等の配慮に関する相談に応じなかった
  • 中途解除等する場合において30日前までに予告がなかった

医療、福祉

主な具体的業務内容

医療関連サービス

あん摩マッサージ指圧、針灸、柔道整復、マッサージ

育児・介護サービス

事例

  • 本法の認知度が低い

情報通信業

主な具体的業務内容

映像・画像・音楽制作、編集

広告・チラシ作成

ウェブサイトの作成・管理

情報検索、計算処理

プログラミング作業

アプリやシステムの設計、ソフトウェア開発、SE

ソフトウェアのバグチェック

オペレーター業務、テクニカルサポート

事例

  • 報酬が60日以内に支払われていない
  • 特定業務委託事業者の遵守事項(受領拒否禁止等)が遵守されていない
  • 募集情報が的確に表示されていない
  • 育児介護等の配慮に関する相談に応じなかった
  • 中途解除等する場合において30日前までに予告がなかった

サービス業(他に分類されないもの)

主な具体的業務内容

データ入力、文書入力、テープ起こし、反訳

取引文書作成

伝票書類整理

コールセンター、問い合わせ対応業務

整備、点検、修理

清掃、メンテナンス

事例

  • 育児介護等の配慮に関する相談に応じなかった
  • ハラスメント相談窓口が設置されていない

教育、学習支援業

主な具体的業務内容

添削、校正、採点

講師、インストラクター

事例

  • 育児介護等の配慮に関する相談に応じなかった
  • 中途解除等する場合において30日前までに予告がなかった

卸売業、小売業

主な具体的業務内容

営業

日用品・食料品の販売

事例

  • 中途解除等する場合において30日前までに予告がなかった

運輸業、郵便業

主な具体的業務内容

自動車・トラックによる運輸、配送、配達

事例

  • 募集情報が的確に表示されていない

特定業務委託事業者が遵守すべき事項

特定受託事業者に業務委託を行うに当たって、特定業務委託事業者は、フリーランス・事業者間取引適正化等法(以下「法」という。)に従い、下記事項を遵守しなければならない。

1.特定業務委託事業者の義務

(1)取引条件の明示

  • 業務委託事業者は、特定受託事業者に対し業務委託をした場合は、直ちに、特定受託事業者の給付の内容、報酬の額、支払期日その他の事項を、書面又は電磁的方法により明示すること。(法3条1項)

<明示すべき事項>

  1. 業務委託事業者及び特定受託事業者の商号、氏名若しくは名称又は事業者別に付された番号、記号その他の符号であって業務委託事業者及び特定受託事業者を識別できるもの
  2. 業務委託をした日
  3. 特定受託事業者の給付(提供される役務)の内容
  4. 特定受託事業者の給付を受領し、又は役務の提供を受ける期日等
  5. 特定受託事業者の給付を受領し、又は役務の提供を受ける場所
  6. 特定受託事業者の給付の内容について検査をする場合は、その検査を完了する期日
  7. 報酬の額
  8. 支払期日
  9. 現金以外の方法で報酬を支払う場合の明示事項


  • 業務委託事業者が取引条件を電磁的方法により明示した場合、特定受託事業者から書面の交付を求められたときは、遅滞なく、書面を交付しなければならない。ただし、特定受託事業者の保護に支障を生ずることがない場合は、この限りではない。(法3条2項)

(2)期日における報酬支払

  • 特定業務委託事業者は、検査をするかどうかを問わず、発注した物品等を受領した日から起算して60日以内のできる限り短い期間内で、報酬の支払期日を定めてそれまでに支払わなければならない。(法4条1項・5項)

(3)募集情報の的確な表示

  • 特定業務委託事業者は、広告等により、業務委託に係る特定受託事業者の募集に関する情報を提供するときは、当該募集情報について虚偽の表示又は誤解を生じさせる表示をしてはならず、また、正確かつ最新の内容に保たなければならない。(法12条)

(4)妊娠、出産若しくは育児又は介護に対する配慮

  • 特定業務委託事業者は、6か月以上の業務委託の相手方である特定受託事業者からの申出に応じて、当該特定受託事業者が妊娠、出産若しくは育児又は介護(以下「育児介護等」という。)と両立しつつ業務に従事することができるよう、特定受託事業者の育児介護等の状況に応じた必要な配慮をしなければならない。また、6か月未満の業務委託の場合には、特定業務委託事業者は必要な配慮をするよう努めなければならない。(法13条)

(5)業務委託に関して行われる言動に起因する問題に関して講ずべき措置等

  • 特定業務委託事業者は、業務委託におけるハラスメントのないよう、特定受託業務従事者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の必要な措置を講じなければならない。また、特定業務委託事業者は、特定受託業務従事者が業務委託におけるハラスメントに関する相談を行ったこと又は特定業務委託事業者による当該相談への対応に協力した際に事実を述べたことを理由として、当該特定受託業務従事者に対し、業務委託に係る契約の解除その他の不利益な取扱いをしてはならない。(法14条)

(6)解除等の予告

  • 特定業務委託事業者は、6か月以上の業務委託に係る契約の解除(契約期間の満了後に更新しない場合を含む。以下同じ。)をしようとする場合には、災害その他やむを得ない事由により予告することが困難な場合等を除き、当該契約の相手方である特定受託事業者に対し、書面や電子メール等により少なくとも30日前までに解除の予告をしなければならない。また、特定受託事業者が解除の予告がされた日から契約が満了する日までの間において契約の解除の理由の開示を特定業務委託事業者に請求した場合には、第三者の利益を害するおそれがある場合等を除き、当該特定業務委託事業者は、当該特定受託事業者に対し、書面や電子メール等により遅滞なくこれを開示しなければならない。(法16条)

2.特定業務委託事業者の禁止行為

特定業務委託事業者は、特定受託事業者との1か月以上の業務委託に関し、以下(1)~(6)の行為をしてはならない。(法5条1項1~5号、2項1・2項)

※ 契約の更新により1か月以上の期間継続して行うこととなる業務委託も含む。

(1)受領拒否

特定受託事業者の責めに帰すべき事由なく給付の受領を拒むこと(1項1号)

※ 発注者の一方的都合により発注取消しをして受け取らないことも、受領拒否にあたる。

(2)報酬の減額

特定受託事業者の責めに帰すべき事由なく業務委託時に定めた報酬の額を減ずること(1項2号)

※ 減額についてあらかじめ合意があったとしても、特定受託事業者の責めに帰すべき事由なく減じた場合は違反となる。

(3)返品

特定受託事業者の責めに帰すべき事由なく、給付を受領した後、その給付に係る物を引き取らせること(1項3号)

※ 検査の有無を問わず、事実上、特定業務委託事業者の支配下に置けば、受領に該当し、以降は「返品」等の問題となる。(1項3号、2項2号)

(4)買いたたき

特定受託事業者の給付の内容と同種又は類似の内容の給付に対し通常支払われる対価に比べて著しく低い報酬の額を不当に定めること(1項4号)

※ 以下のような要素を総合考慮

  1. 対価の決定方法
  2. 差別的であるかなど対価の決定内容
  3. 「通常支払われる対価」と当該給付に支払われる対価との乖離状況
  4. 給付に必要な原材料等の価格動向

(5)購入・利用強制

特定受託事業者の給付の内容を均質にし、又はその改善を図るため必要がある場合その他正当な理由なく自己の指定する物の購入・役務の利用を強制すること(1項5号)

(6)不当な経済上の利益の提供要請

自己のために金銭、役務その他の経済上の利益を提供させることにより、特定受託事業者の利益を不当に害すること(2項1号)

※ 以下の場合に問題となる。

  1. 特定受託事業者の直接の利益とならない場合
  2. 特定受託事業者の利益との関係を明確にしないで提供させる場合

(7)不当な給付内容の変更及び不当なやり直し

特定受託事業者の責めに帰すべき事由なく、特定受託事業者の給付の内容を変更させ、又は特定受託事業者の給付を受領した後若しくは特定受託事業者から役務の提供を受けた後に給付をやり直させることにより、特定受託事業者の利益を不当に害すること(2項2号)

※ 特定受託事業者が作業に当たって負担する費用を負担せずに、一方的に発注を取り消すことも含まれる。

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