吉備高原の豊かな自然から流れ出る日近川や浮田川はやがて清らかな足守川と合流します。足守川一帯はゲンジボタルなどの貴重な生物が数多く生息する自然の宝庫です。
四季それぞれに豊かでときに厳しい自然が足守を彩り、清流や草花の色合いと人々の暮らしが一体になった風景は、訪れる人の心を魅了することでしょう。
間倉地区は足守で最も標高が高い地区です。ここは急な斜面を開墾し、見事な石垣が積まれています。自然の厳しさ、美しさと人の力に圧倒されます。
また、ここからの風景も見どころの一つで、条件がそろえば瀬戸大橋を見ることができ、瀬戸内海を越え四国までも見えることがあります。
吉備高原の山並みに位置する足守には棚田も多く存在します。西山内では現在も耕作されて美しい姿を見せる棚田があり、初夏には写真撮影に訪れる人もたくさんおられます。
足守全域で9月下旬頃に多くの彼岸花が咲きます。花の寿命が短いことから見ごろは1週間程度しかありません。
足守北部には岩の造形美が見事な黒谷ダムがあり、足守の農業用水を一手に担っています。このダムは岩を積上げてできているため、コンクリートにはない岩ならではの迫力があります。
また、堤体のふもとには巨大な日時計があり、雄大な自然を背景に時間を忘れてしまいそうな空間となっています。
毎年5月末~6月初にかけて、地元の方の大変な努力によって多数のホタルの姿を見ることができます。
ホタルの住める美しい環境を守っていく必要があると認識できる幻想的な光景です。
見学をするときは、素晴らしいホタルの乱舞を来年も見るために次のことは最低限守りましょう。
「ホタルは捕まえない」
「ホタルに光を当てない」
「草むらや川岸に入らない」
「ごみは持ち帰る」
写真提供 大井しいのきいきいき会
写真提供 大井しいのきいきいき会
春の桜祭りや秋のメロン祭りは大変な賑わいです。また、夏の各地区の花火のほか地区毎の伝統的な祭りなど、さまざまな催しを通じて伝統と新しい文化の融合が図られており、各世代のコミュニケーションが広がっています。
夏祭りは各地で開催され、多くの花火が打ち上げられます。比較的近くで見ることができるので大迫力です。足守の夏の風物詩です。
古代吉備地域の桃太郎伝説によると、足守に隣接する総社市の鬼ノ城に陣取った温羅と高松地域の吉備津に陣取った吉備津彦命が激しい戦いを繰り広げたとのこと。吉備津神社や吉備津彦神社、鯉喰い神社、鬼ノ城にその伝説が残るだけでなく、この足守にも伝説に関わる温泉が存在します。
激しい戦いに傷ついた温羅が幾度もよみがえってくるのを不審に思った吉備津彦命が調べると、ちょうど足守にわいた不思議な湯で傷を癒していました。それを塞ぐことでようやく温羅の勢力を弱めることができたといいます。
この伝説が示すように、足守には古くから湯治の湯があったようです。
吉備津彦命によって閉じられた伝説の湯。それがある日ぽっかりと田の中によみがえり、湯が浮いて出た田ということから地名もこの名になったという浮田温泉。古代吉備地域にまつわる場所をめぐった後はこの温泉で伝説に思いを巡らせてはいかかがでしょうか。
なぜかそこに植えたものが不思議なほど実ることから、田を掘ったところ発見された温泉。足守藩主木下候はその効能を愛でて花木を移植するなどして大切にしました。
足守地区は古くから山陽道でも屈指の都市岡山に近いということから農産物の供給地として重要視されていました。多くが山林の足守では稲作にはおのずと限りがあるため、人々は特産園芸などに取り組んできました。
足守では、栽培が難しいといわれるアールスフェーボリットという品種が栽培されており、足守の豊富な日照量と気候、そして栽培農家の愛情が品質、糖度、果姿などのあらゆる面で高い評価を得ている足守メロンを育てます。
昼夜の温度差がはっきりとした足守の山あいの気候が、ふっくらとした肉厚の椎茸を育みます。菌床栽培と原木栽培のどちらもお勧めです。
戦前から戦後にかけて盛んに栽培され、近年になって再び作付けが進む間倉ごぼうは、足守の秋冬の特産として改めて注目されています。歯ざわり、風味とその独特の上品な味わいが人気です。
作付面積が少ないため入手が難しく、幻のごぼうとも言われています。
足守は酪農や畜産も行われており、ジェラートやソフトクリーム、チーズなどの乳製品の加工、販売が盛んに行われています。また、足守メロンを使用したリキュールを生産する酒蔵もあります。
所在地: 〒701-1463 岡山市北区足守718 [所在地の地図]
電話: 086-295-1111 ファクス: 086-295-9081