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江戸時代に民間の力で開設された図書館

[2023年2月25日]

ID:46533

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 古代吉備文化の繁栄は、今に遺る弥生時代の遺跡、吉備地域の古墳群、『日本書紀』などの文献史料での記述にうかがい知ることができます。吉備の地方豪族の姿が後に昔話として口承で伝えられ、日本で一番よく知られた「桃太郎伝説」と重なり語り継がれてきました。

 一方では、今から380年以上前の江戸時代に、いち早く岡山城下に日本初の藩校花畠教場が、その後に藩の庶民教育の場として閑谷学校が開設され、人材育成の土台と伝統が築かれました。

 さらに、1700年ごろには、岡山城下の商人河本家が、「経(けい)誼(ぎ)堂」といわれる現在の図書館の先駆けとなる施設を民間の力で開設しています。そこでは、典籍・巻子・書籍などおよそ3万冊を超える蔵書を誇っていました。ここでは、文学作品やその土地の文化を継承し、かつて岡山で所蔵され、遺されていたものが、「河本家本」として東京国立博物館に引き継がれ、現在国宝に指定されているもの(『餓鬼草紙』)もあります。地方の城下町にあって文化遺産を継承し、岡山のまちの文化度を高めてきた伝統と、文学を大切にする歴史的な土壌が培われてきました。

 また、江戸時代の岡山藩政からの伝統を引き継ぎ、近代以降は、「教育県おかやま」と全国に知られていました。明治時代には全国に先駆けて女子教育に取り組み、私立の女学校が設置され、学校教育による次世代人材の育成が伝統的に重視されてきました。

 教育における学校図書館の充実は、学校教育を支える一環であり、すべての市立小・中学校に学校図書館司書を配置する先進的な取組を進めてきました。