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岡山ゆかりの作家たちの紹介

[2023年2月25日]

ID:46534

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岡山ゆかりの作家たち

岡山ゆかりの作家たちをご紹介します。(おかやま文学フェスティバルリーフレットより一部抜粋) 

ゆかりの作家1

坪田譲治

明治23年、岡山市北区島田本町で生まれ少年時代を過ごす。
坪田譲治の作品は、田園が広がり豊かな自然に囲まれた当時の岡山の風景を描いたものが多い。善太、三平をはじめとする登場する子供たちも、無邪気でやんちゃながら、たくましく生きていく姿勢が描かれ、社会の厳しい現実も描かれている。
代表作『魔法』は、魔法に興味津々な三平が、兄善太に動物に変身する魔法を教えてもらおうとするが…。日常の中の兄弟のやりとりが微笑ましい作品。

内田百閒

岡山市古京町に、造り酒屋の一人息子として誕生。県立岡山中学校(現在岡山朝日高校)に入学、第六高等学校(現在岡山大学)卒業の後、東京帝国大学(現東京大学)へ進学する。
不可解な恐怖を夢の光景のように描いた小説や、鉄ヲタのはしりとも言えるようなエッセイ『阿房列車』、ふとしたきっかけで野良猫と暮らすことになり、その別れまで描いた
『ノラや』など多くの随筆を執筆し名文家としても知られる。ペンネームの「百閒」は、百間川から。当初は「百間」と表記していたが、後に「百閒」に改めた。

ゆかりの作家2

永瀬清子

岡山県赤磐郡豊田村熊山(現赤磐市)出身。家族の転勤で金沢、名古屋、東京で暮らしていたが、昭和20年、戦火を逃れ赤磐市の生家へ戻る。田畑を耕し、子育てをし、世間の人であり続けながら詩作を続けた。宮沢賢治の手帳の中から「雨ニモマケズ」を見つけ出したことも有名だが、ハンセン病患者が住む長島へ通い、長く患者たちに詩作の指導も続けた。
詩集『あけがたにくる人よ』は、老いを見つめ、生を瑞々しく描き出した代表作。

夏目漱石

1892年の夏、当時既に亡くなっていた次兄栄之助の元妻小勝の実家片岡家を訪問するため、岡山に滞在し、夏休みを楽しんだ。その近辺が「漱石ロード(岡山市東区)」と名付けられ、現在も親しまれている。夏目漱石は、帝国大学を卒業後、教師となり、1900年にイギリスに留学。帰国後の1905年に処女小説『吾輩は猫である』を発表。1907年に新聞社に入社し、以降作家として活躍した。代表作に『坊ちゃん』『三四郎』『こゝろ』『明暗』などがある。

ゆかりの作家3

時実新子

岡山県上道郡九蟠村(現岡山市東区西大寺)出身。戦後の混乱期、17歳で兵庫県の商家に嫁入りするが、傷痍軍人だった夫の暴力に苦しむ生活の中、新聞の投稿欄
で川柳と出会う。昭和62年に出版した句集『有夫恋(ゆうふれん)』が、女性の情念を表現した作品として話題を呼び、川柳の世界に新しい風を吹き込んだ。
時代を越えて女性の本音を表現する作家として支持され、平成7年の阪神淡路大震災では自らの被災体験を詠む一方、句集『悲苦を越えて』を出版するなど多くの被災者を勇気づけた。

谷崎潤一郎

谷崎潤一郎は、1945年、岡山県津山市、岡山県真庭郡勝山町に疎開し、代表作『細雪』を執筆しながら、終戦まで過ごす。
初期は耽美主義の一派とされ、スキャンダラスな文脈で語られることも多いが、端麗な文章、作品ごとに異なる巧みな語り口が特徴。主な作品は『春琴抄』『細雪』『陰翳礼讃』など。

木山捷平

岡山県小田郡新山村(現在の笠岡市)出身の詩人、小説家。当初は詩人として出発し、のち小説に転じた。
満州で敗戦を迎え、帰国後、『大陸の細道』『長春五馬路』などを発表。その後、『耳学問』を発表し、私小説的な短編小説やエッセイを執筆、ユニークな庶民派作家として活動した。

柴田錬三郎

似顔絵:スタジオ貝 デザイン:中原企画立案事務所
テキスト:451ブックス 根木慶太郎

岡山県邑久郡鶴山村(現・備前市)生まれ。時代小説だけでなく、現代小説にも多くの作品を残す。『イエスの裔』で直木賞を受賞。週刊新潮で連載した『眠狂四郎』シリーズは剣客ブームを巻き起こした。忍者好きには堪らない『赤い影法師』は伝奇小説の最高傑作。

ゆかりの作家4

平松洋子

岡山県倉敷市出身。アジアを中心として世界各地を取材し、食文化と暮らし、文芸と作家をテーマに執筆活動を行う。代表作は『買えない味』『野蛮な読書』など。自伝的小
説『父のビスコ』には故郷の倉敷とともに家族の思い出が語られている。最新刊は『ルポ 筋肉と脂肪 アスリートに訊け』。

小川洋子

岡山県岡山市中区森下町生まれ。1984年に早稲田大学第一文学部を卒業後、岡山県に戻り医科大学秘書室に勤務していた。喪失や欠落、異形をテーマに独自の世界観
を描き続けている。『妊娠カレンダー』で芥川賞受賞、以後『博士の愛した数式』をはじめ、多くの作品で読者を魅了している。

あさのあつこ

岡山県英田郡美作町(現美作市)湯郷出身。岡山市の小学校の臨時教師を務めていたこともある。
10代の少年少女が悩み、成長する姿を描く作品に定評があり、1997年に発表した『バッテリー』は児童文学としては異例の1000万部を超えるベストセラーとなる。

重松清

岡山県久米郡久米町(現津山市)出身。現代的な家族の姿をモチーフとし、日常の中に潜む社会的問題を浮き彫りにする。1999年に『ナイフ』で坪田譲治文学賞を受賞、少年少女の悩める心、成長の姿を扱った作品への評価も高い。代表作に『エイジ』『ビタミンF』『とんび』など。

原田マハ

東京都小平市生まれ。小学6年生から高校卒業まで岡山県岡山市で暮らした。2003年から執筆活動を開始し、キュレーターとして経験を生かした著作も多い。代表作は『カ
フーを待ちわびて』『楽園のカンヴァス』『キネマの神様』など。兄は、小説家の原田宗典。