今年も梅雨の時期を迎えました。岡山市の平野部では干拓地などのゼロメートル地帯が広がっていて、大雨に弱い面があります。
そのような中、平成30年7月豪雨では砂川が氾濫するなど2,230棟もの床上浸水が発生しました。岡山市では、これを教訓に「同程度の雨が降っても床上浸水を発生させない」ことを目指して、浸水対策を行ってきました。これまでに砂川の堤防整備や今保・白石ポンプ場が完成し、約7割(1,630棟)の床上浸水解消に至りました。残る約600棟の解消に向けて、ポンプ場の建設や国による旭川ダムの再生を進めていくことでめどが立ってきました。
また、昨年8月には「南海トラフ地震臨時情報」が気象庁から初めて発表され、市民の皆さんも心配されたことと思います。先日、国は13年ぶりに、南海トラフ巨大地震の被害想定を全面的に見直しました。岡山市でも順次、各種計画の見直しを行い、対策を講じていかなければなりません。
一方で、迅速な避難に向けた取組が進めば、犠牲者は大幅に減ることも試算されています。岡山市では平成30年7月豪雨以降、自主防災組織の結成に力を入れ、組織率は約31%上昇し、令和7年3月末で95.5%になりました。災害時には自ら避難することが困難な高齢者や障害者などの方へも支援が行き渡るよう、要支援者の名簿を作成して迅速な避難につなげていきます。
市民の皆さんには、避難場所や経路の確認、家族との連絡手段を決めておくなど、日頃からの準備をお願いします。
この度の被害想定では、初めて「災害関連死」が推計され、避難生活の環境改善も注目されています。能登半島地震では避難所でのトイレの問題が話題となりました。
岡山市では被災時でもトイレが使えるように、避難所となる下水道区域内の全小中学校でマンホールトイレの整備を進めています。また、今年度から全ての中学校体育館に空調を整備するなど、避難所の環境改善を図っていきます。
引き続き、インフラの耐震化・老朽化対策などのハード対策に加え、地域の皆さんの協力をいただきながら、自助・共助・公助により、安全・安心なまちづくりを進めていきます。
岡山市長 大森雅夫の大盛コラム(第9回)
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