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令和5年11月提案理由

[2023年11月30日]

ID:55058

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令和5年11月定例市議会に提出した議案に対する市長提案理由説明要旨

 令和5年度補正予算案並びに関係諸議案のご審議をお願いするに当たり,その大要と市政の動向等について申し上げ,市民並びに市議会の皆様方にご理解とご協力を賜りたいと存じます。

はじめに

 新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが5類に移行して半年が過ぎ,中止又は縮小されていた様々なイベントはコロナ禍前の姿に戻り,社会経済活動が本格的に動き出しました。

 去る11月3日に,岡山城のリニューアル1周年記念イベントに出席するとともに,まちの賑わいと活気に触れ,岡山の更なる発展を願う皆様の期待感と絆を肌で感じたところです。岡山城リニューアル以降の1年間の入場者数は47万2,215人と,これまでで最多とされる,山陽新幹線の新大阪・岡山駅間が開業した直後の昭和47年度の入場者数を大幅に上回り,過去最多を記録いたしました。これは,岡山城における魅力的な展示内容への刷新と多彩なイベントの実施に加え,ハレノワのグランドオープンやハレまち通りの1車線化等によるまちの回遊性の向上や,民間再開発の活発な動き,そしてコロナ禍を乗り越え「まちを盛り上げたい,まちを楽しみたい」という皆様の思いとが,相乗効果を発揮して成し得たものであると考えております。

 また,各地域では,秋祭りがいたるところで最盛期を迎え,実りの秋を楽しまれている市民の皆様の姿を拝見いたしました。私が伺った祭りでは,若い世代の方々が,地域の歴史を後世に伝えようと熱心に取り組まれている姿が印象的で,失われつつあると言われている絆の大切さが,コロナ禍の自粛期間を経て再認識されているようにも感じられました。

 国内外の幅広い世代の方々で賑わう城やまち,地域の様子を目の当たりにし,これまで丁寧に進めてきた取組が着実に結実していることを実感するとともに,岡山市が今後ますます発展していくためには,人と人との繋がりが重要であることを改めて認識いたしました。

 これからも初心を忘れることなく,市民の皆様の最大幸福の実現のため,また,ふるさと岡山の更なる飛躍のため,「住みやすさ」「力強さ」「安全・安心」の3つの視点を大切に,より一層都市の総合力を高める取組を進めてまいる所存です。

国際社会の一員としての岡山市

 ポストコロナで社会経済活動の回復が加速する中,岡山空港と韓国・中国・台湾との直行便が再開されるなど,国際交流が本格的に動き出しております。

 そのような中,ウクライナからの避難民への支援や世界難民の日こいのぼりプロジェクトへの協力など,難民支援に積極的に取り組んできたことが契機となり,国連難民高等弁務官事務所からお誘いを受け,9月に賛同表明文に署名し,難民を支える自治体ネットワークに参加いたしました。

 また,10月31日にはユネスコ創造都市ネットワークに日本初となる文学分野での加盟が決まり,さらに11月4日には建部町の建部井堰が世界かんがい施設遺産として認定されるなど,今まで以上に本市が世界の舞台において脚光を浴びる機会が増えてきております。

 対面での交流も盛んになっており,今年の夏休みには4年ぶりに子ども海外派遣事業を再開したところですが,私自身も,市民訪問団の団長として議員連盟訪問団の皆様とともに,10月25日・26日には韓国・富川市を,11月8日・9日には台湾・新竹市を訪問いたしました。公務の都合により,いずれも1泊2日というタイトなスケジュールではありましたが,両市の市長をはじめとする多くの方々と交流し,久しぶりに海外の文化に触れるとともに,岡山市の魅力を発信してまいりました。このたびの岡山市からの一連の派遣・訪問を通じ,草の根の交流から生まれる絆が世界平和の礎であることを改めて感じました。

 今後も,国際社会の一員としての自覚を持ち,経済や文化など,様々な分野で構築してきたネットワークを駆使して世界の各都市と草の根の交流を重ね,岡山市の魅力を発信していくとともに,SDGsへの取組や難民支援等の国際貢献にも積極的に取り組んでまいります。

地域経済の活性化

 最近の経済動向については,日本銀行岡山支店が11月に発表した岡山県金融経済月報によると,県内景気は,海外経済の回復ペース鈍化等の影響を受けつつも,今まで抑えられていた消費者需要の顕在化等に支えられて,緩やかな回復を続けているとされています。

 一方,岡山市の生鮮食品を除く消費者物価指数の上昇率は,前年比で2%台半ばとなっており,依然として市民生活に影響を与えています。先般,物価高への対策として国が決定した住民税非課税世帯等への7万円の給付については,速やかに給付が開始できるよう準備を進めてまいります。

 3年余りに及んだコロナ禍において,岡山市では,低所得子育て世帯への支援金給付や,事業者向けの省エネ機器更新補助金,農業資材等の価格高騰対策支援など,一般財源も大きく投入しながら,市民生活・事業者支援の両面で時機に応じた対策を躊躇なく展開してまいりました。スマートフォン決済ポイント還元事業や路線バス・路面電車の運賃無料DAYは,イベント等の時期も考慮した実施で相乗効果を生み,まちの賑わい創出にも繋がったと考えております。引き続き,経済界等の声をお聞きしながら,国の動向を注視しつつ,必要とされる対策を検討してまいります。

 また,このたびの国の経済対策の一つとして,市街化調整区域における開発許可手続の緩和が挙げられており,地域未来投資促進法に係る基本方針が改正される予定となっております。岡山市は,従前から,地域未来投資促進法に基づく土地利用に関する規制を緩和し,企業による産業用地の円滑な確保を可能とし,地域経済の成長発展に資するものとすることが必要であると声をあげてまいりました。本年5月には,指定都市市長会において,岡山市が提案しとりまとめた提言書を経済産業大臣政務官に直接お渡しし,前向きなご見解をいただいていたところです。そのような中,このたび国が改正の動きを示されたことは,本市として非常に意義深いものであり,引き続き,市街化調整区域における開発の抑制に配慮しつつ,地域未来投資促進法等を活用しながら企業の立地を進めてまいります。

 今月開催された中四国最大級のスタートアップカンファレンスである「ブラストセトウチ」では,起業家やベンチャーキャピタルの方々と,スタートアップ支援についてトークセッションを行い,参加者の起業に対する熱量に触れ,イノベーション創出の可能性を改めて感じたところです。引き続き,官民一体でスタートアップをはじめとする創業支援に取り組み,地域経済の活性化や新規雇用の創出に繋げてまいりたいと考えています。

歴史的資源を核としたまちづくり

 まちづくり・地域振興の分野では,歴史的資源を核とした,観光との融合による魅力向上と賑わい創出に力を入れているところですが,最近の主な取組を申し上げます。

 10月6日に岡山市で開催された「北前船寄港地フォーラム」では,「ロマンあふれる吉備の国」と題し,造山古墳や浦間茶臼山古墳が造られた古墳時代における吉備と大和の関係性を,当時の地形や時代背景,魏志倭人伝や日本書紀などの文献から紐解き,定説とは異なる視点で捉えた「新たな倭国論・吉備と大和の二頭政治」を発表いたしました。

 昨年リニューアルした岡山城については,入場者数が45万人を突破する瞬間に立ち合うべく,私も岡山城に駆け付けました。45万人目となったのはイギリスからお越しの方で,城めぐりの旅の最後に黒い岡山城を見たくて来た,と言われていました。私はこの言葉に,岡山城が多くの人々に愛され,市民の誇りの象徴となることを目指し,職員と一緒になって知恵を絞り,汗をかいてきたこの数年間を振り返り,万感の思いを強くしたところであります。時代を超えて人と人を繋ぐ岡山城を,先人たちの思いとともに未来に届けるため,今後も「進化し続ける城」を築いてまいります。

 また,11月12日には,歴史学者の磯田道史氏をチーフアドバイザーとし,議会の皆様をはじめとする多くの関係者の方々にご賛同いただき,大河ドラマの誘致を目指す「戦国 宇喜多家を顕彰する会」を設立いたしました。戦国時代に岡山のまちの礎を築いた宇喜多直家公,城下町の基盤を作った秀家公,それぞれの妻であるおふくの方,豪姫の生きざまに光を当て,誘致活動を通して魅力を広く発信することで,地元への誇りと愛着の醸成を図り,地域の活性化に繋げてまいります。

持続可能な公共交通ネットワークの構築に向けて

 人口減少・少子高齢化が進行する中,市民の重要な移動手段である公共交通を守るため,本市では持続可能な公共交通ネットワークの構築が喫緊の課題となっており,9社のバス事業者を含む公共交通網形成協議会で議論を重ねているところです。

 今年度は,コロナ禍で中断していた協議の6月再開を皮切りに,路線バス分科会を5回開催し,公共交通ネットワークの将来像・運賃体系・事業者間連携の3点を議論してまいりました。分科会では,バス事業者から様々な提案をいただいており,本日午後に開催予定の協議会では,それらを取りまとめた地域公共交通計画の素案等について,協議いただく予定としております。

 また,明日から来年1月3日まで,一部でも岡山市内を運行する路線バスの全ての便を対象に運賃を最大200円とするキャンペーンを行います。このキャンペーンにより,継続的なバス利用を試していただき,今後の利用促進に繋げていきたいと考えているところです。

 引き続き,持続可能な公共交通ネットワークの構築に向け,官民一体となって取り組んでまいります。

新アリーナ整備の検討

 従前,岡山ではプロスポーツの試合を観戦する機会があまりありませんでしたが,ファジアーノ岡山,岡山シーガルズ,トライフープ岡山,岡山リベッツが相次いで誕生し,市民・県民の皆様が一つになってプロスポーツを応援することができるようになりました。プロスポーツの応援を通して生まれる絆や一体感,地元への愛着や誇りの醸成など,プロスポーツ支援がもたらす効果は大きく,私は素晴らしいことだと思っております。

 しかしながら,現在,アリーナ競技については慢性的な会場不足という課題があるほか,BリーグやVリーグの新リーグに参加するためには,新たな基準を満たすアリーナが必要とされています。そのような中,岡山市は,経済界及びプロスポーツからの要望を受け,新アリーナ候補地の所有者として,実現可能な新アリーナの姿を描く基本計画素案を先般お示ししたところです。

 岡山で活躍するプロスポーツの支援は,経済界はもとより,新アリーナ候補地を所有する岡山市のみでなく,岡山県等県全体で取り組むことが肝要です。本市としては,関係者とともに議論を更に深め,新アリーナ整備の今後の方向性について検討を進めてまいりたいと考えております。

安全・安心な水道を未来へ残していくために

 水道料金については,平成17年以降,20年近くにわたり,経営努力により消費税対応を除き,据え置きしてまいりました。現在,高度成長期に建設した水道施設の多くは老朽化が進行しているとともに,耐震化も急務となっており,事業量が増えていることに加え,近年の水需要の減少に伴う収入減や,昨今の物価高による工事費高騰の影響等もあり,令和6年度には施設の更新や耐震化のための財源が不足する見込みです。しかしながら,安全・安心な水道事業の継続のためには,施設の更新や耐震化を速やかに実施しなくてはならず,料金改定は避けられない状況となっております。

 平均改定率については,当初お示ししていた25.3%では,市民の皆様への影響が大きすぎるため,6月議会での議論を踏まえて見直しを行い,7月には20.6%にまで改定率を引き下げる案をお示しし,9月議会では,更なる経営努力により値上げ幅を最大限まで抑制した改定率を絞り出すことができないか,最後まで水道局と検討していく旨を申し上げていたところです。

 これらの経過を踏まえ,更なる経営効率化を断行すべく,水道局のみではなく,組織体制の総合調整役である総務局を新たに交えて議論を進めてまいりました。事務のデジタル化や業務体制の見直しを徹底することで組織のスリム化を進め,水道水の安定供給体制を維持しつつ,令和13年度までに人員を15人縮減する業務効率化を行い,財政負担の抑制を図ることといたしました。

 また,物価高に直面する市民の皆様への当面の影響を出来る限り抑えるため,料金改定は段階的に行うことといたしました。結果として,平均改定率を,令和6年4月から令和8年3月までの2年間は15.7%,令和8年4月以降は20%とする条例案を本議会にお諮りしております。

 皆様におかれましては,安全・安心な水道を子や孫,さらにその先の世代にも残していけるよう,何卒ご理解とご協力を賜りますよう,よろしくお願いいたします。

令和5年度11月補正予算の概要

 それでは,甲第168号議案から甲第171号議案までの補正予算の概要について申し上げます。

 補正額は,一般会計で1億9,900万円余,特別会計で22億1,300万円余の増額を行い,合わせて24億1,300万円余の増額となっております。補正に要する一般財源については,令和4年度決算に伴う剰余金で対応いたします。

 主な内容としましては,新庁舎建築工事について,工事請負契約約款に基づき建築資材等の高騰分の増額を行うほか,介護保険費特別会計における令和4年度決算の確定に伴い,国庫負担金等の精算返納及び剰余金の基金への積立て等を行うものです。

その他の議案の説明

 続きまして,その他の議案の主なものについて申し上げます。

 甲第172号議案は,行政財産の目的外使用料の額を改めるとともに,行政財産の無償貸付等に関し必要な事項を定めるものです。

 甲第176号議案は,岡山市大曲児童館及び岡山市錦児童館を統廃合し,岡山市藤田児童館を設置するものです。

 甲第177号議案は公共物使用料の額を,甲第178号議案は道路占用料の額を,甲第179号議案は準用河川の土地占用料の額をそれぞれ改めるものです。

 甲第180号議案は,消防団に機能別団員制度を導入するものです。

 甲第183号議案は,水道料金の額を改める等のものです。

 甲第184号議案は,工業用水道の給水使用料金の額を改める等のものです。

 甲第189号議案から甲第193号議案までは,建部町在宅福祉サービスセンター等の施設について,いずれも指定管理者の指定を行うものです。

 以上で提案理由の説明を終わります。

 よろしくご審議の上,議決を賜りますようお願い申し上げます。

報告に対する市長説明要旨

 ただいま上程になりました報告についてご説明申し上げます。

 報第63号は,岡山中央中学校区公民館ほか新築工事について,契約金額を変更したものです。

 報第64号及び報第65号は市有自動車の事故について,報第67号から報第70号までは道路の管理瑕疵による事故について,報第71号は市有施設の管理瑕疵による事故について,報第72号は学校施設の管理瑕疵による事故について,それぞれ相手方と和解し,賠償額を決定したものです。

 報第66号は,リース公用車の事故について,賠償額を決定したものです。

 報第73号及び報第74号は,市営住宅退去明渡し等の債務について,訴訟手続により債務の履行を請求することを決定したものです。

 報第75号は,市営住宅の家賃の滞納等について,相手方と民事訴訟法第275条の規定による和解をすることを決定したものです。

 なにとぞよろしくお願いいたします。

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