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令和5年9月提案理由

[2023年9月4日]

ID:52903

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令和5年9月定例市議会に提出した議案に対する市長提案理由説明要旨

 令和5年度補正予算案並びに関係諸議案のご審議をお願いするに当たり,その大要と市政の動向等について申し上げ,市民並びに市議会の皆様方にご理解とご協力を賜りたいと存じます。

はじめに

 平成25年10月9日に,市民の皆様からご支持,ご支援を賜り,岡山市の舵取りを担うこととなってからまもなく10年を迎えます。市長就任からこの10年間,「住みやすさ」「力強さ」「安全・安心」の3つの視点を大切に,岡山市の発展と市民生活の質の向上のため,全身全霊をかけて市政を運営してまいりました。また,市民の皆様との信頼関係を大切に,「信なくば立たず」の精神を忘れることなく,誠実に取り組んでまいりました。

 「十年一昔」という言葉にもあるように,10年という一つの節目を迎え,「生まれ育った岡山のまちをもっと良くしたい」との思いで数々の政策課題に積極的に挑み続けてきた10年を振り返ると,ここでは語りつくせないほど様々なことがありました。多くの方から「岡山市は大きく動いている」との声をいただく一方で,厳しいご意見をいただくこともあり,私は岡山市をより良くしていくことができているのか,市民の最大幸福を実現するための道筋をつけることができているのか,自問自答を繰り返す日々であります。

 「今,私達は何をなすべきか」,それは「自分を反省して,自分から見て,自分に恥じない人間になるように努力すること」である。これは「今道哲学」で知られる哲学者・今道友信氏の言葉です。この言葉を胸に,これまでの10年間を振り返ると,私は自分自身に恥じることなくやってこられたのではないかと思っています。

 今後,岡山市でも本格的に人口減少社会に突入し,これまで経験したことのない難しい局面を迎えることが予想されます。岡山市が次の10年,20年,そしてその先も「住み続けることに誇りの持てるまち」であり続けられるよう,市政を担う車の両輪である市議会の皆様方とともに,岡山市の更なる飛躍を目指し,邁進してまいる所存です。

躍動するまち・おかやま

 9月1日に岡山芸術創造劇場ハレノワがついにグランドオープンし,まちに新たな文化芸術の拠点が誕生いたしました。この中四国随一の劇場の誕生や,ハレまち通りの一車線化など,これまで行ってきたまちづくりの施策に,活発な民間再開発の動きが相まって,まちに大きな躍動感が生まれています。近年の市内総生産は,政令指定都市の中でも高い伸び率を示しており,北区本町市役所筋の路線価の対前年変動率は,令和5年1月1日時点で,全国県庁所在地の最高路線価の中でトップの9.3%となるなど,まちの力の向上が数値として現れてきております。

 一方で,一部地域では,人口減少や少子高齢化の進行により,生活サービス機能の低下や低未利用地の増加など,社会生活への影響が生じているという課題も忘れてはならないと思っています。

 今後もまちの変化や地域課題を的確に捉え,コロナ禍からの社会経済活動の回復を力強く後押ししながら,都市の活力を更に高める施策を進めてまいる所存です。

 新型コロナウイルス感染症については,経済活動や人の往来が活発化する中で,一定程度感染者が発生し続けております。市民の皆様におかれましては,引き続き,場面に応じた感染対策を実施していただくようお願いしたいと思います。

 また,ワクチン接種につきましては,「秋開始接種」を9月20日から準備の整った医療機関において順次開始いたします。今回使用するワクチンは,現在の感染の主流となっているオミクロン株XBB系統に対応しており,高い重症化予防効果が期待できることから,積極的なワクチン接種をお願いいたします。

エネルギー・物価高騰対策

 岡山市では,コロナ禍からの社会経済活動の回復を市政の最重要課題と位置づけ,一般財源も大きく投入しながら,時機を捉えた施策を躊躇なく実施してまいりました。

 日本銀行岡山支店が8月に発表した岡山県金融経済月報によると,個人消費は,物価上昇の影響を受けつつも,サービス分野を中心に緩やかに増加しており,企業の業況感が改善するもとで,設備投資は増加しているとされています。一方で,岡山市の生鮮食品を除く消費者物価指数の上昇率は,6月が対前年同月比3.0%,7月も同じく3.0%となっており,依然として高止まりの状況が続いています。

 物価上昇の影響を受けながらも,回復の兆しが見られ始めた地域経済をしっかりと支え押し上げていくため,経済界等からの要望も踏まえながら,9月補正においても国の臨時交付金を最大限活用し,エネルギー・物価高騰対策を中心に必要とされる施策を的確に行ってまいります。

 食費,光熱費のほか子育てに係る生活必需品など,物価高騰が家計に与える影響が特に大きい低所得の子育て世帯に対して,1世帯当たり5万円の支援金を支給いたします。さらに,高齢者・障害者施設や私立保育園等を対象に,食材費や光熱費の負担軽減のための支援金を支給するとともに,市立小・中学校の給食費について,保護者の負担軽減のため,食材費高騰分の追加支援を行います。

 また,エネルギー価格高騰対策として,省エネに向けた設備投資のニーズが高いことから,6月に実施した事業者向けの省エネ機器更新補助金の第2弾を実施するとともに,住宅用のスマートエネルギー化に資する機器の導入補助金について,予算を拡充いたします。

 農業者や漁業者,畜産事業者に対しては,農業用資材やノリ養殖用資材,ハウス園芸に係る重油,家畜飼料の価格高騰に対する支援を行います。

 公共交通の維持・利用促進に向けては,「公共交通に乗ろう!路線バス運賃最大200円キャンペーン」を実施するとともに,プレミアム付きタクシー券の販売,バス・タクシー事業者に対する従業員の第二種運転免許取得費用の補助をはじめとする運転手確保支援等を行います。

ハレノワグランドオープン

 岡山芸術創造劇場ハレノワが,今月1日にこけら落とし公演オペラ「メデア」で満を持してグランドオープンいたしました。多くの方々にご来場いただき,王女メデアの壮絶な復讐劇で繰り広げられる息をもつかせぬ歌の攻防など,格別のひと時をハレノワで堪能していただけたのではないかと思います。舞台芸術の最高峰と称されるオペラをはじめとする文化芸術の魅力に,市民の皆様が身近に触れていただける場をご用意することができたことを,私としても非常に嬉しく思っております。

 そして,千日前は,古くは旭川の海運と山陽道が交わって栄えた場所であり,人々の交流の拠点でありました。ハレノワの工事中には,今から約400年前の宇喜多秀家公の時代の金箔瓦が発見されたことから,付近には豊臣秀吉公をもてなす御殿があったのではないかという説もあります。400年の時を超え,人々が集い賑わう拠点が千日前に蘇ったことに思いを馳せるとき,私は豊かな時の流れを感じ,非常に深い感慨を覚えるのであります。

 ハレノワのコンセプトは「魅せる」「集う」「つくる」です。大中小3つの劇場を備えた中四国随一の劇場として,今後も様々な演目で皆様を魅了するとともに,幅広い世代の方々が気軽に訪れ,交流し,コミュニケーションが図れる場所を目指します。また,アーティストと市民が出会う体験型ワークショップを通じて,新たな創造活動を生み,未来を支える人材の育成に寄与していくなど,市民が創造する,クリエイティブな劇場への発展に向けて,様々な取組を進めてまいります。

 また,表町周辺エリアは,ハレノワのオープンや周辺の民間再開発等により生まれる賑わいが商店街の活性化等に繋がることにより,更なる魅力向上が期待できる地域であると考えています。今年度は商店街のアーケード改修や照明等のLED化への支援強化を行い,商店街の活性化を後押ししているところです。まちなかの新たな賑わい拠点の誕生による人の動きの変化を分析し,地域の声等もお聞きしながら,より良いまちづくりを目指してまいります。

大型イベントによる交流促進・観光振興

 今年はアフターコロナの初めての夏を迎え,市内外及び海外との往来が活発化してきた中で,8月には「烏城夏まつり」が4年ぶりに開催され,「うらじゃ」はコロナ禍前の規模で完全復活いたしました。私自身も参加しましたが,多くの人々が集い交流を楽しむ様子,躍動感や活気,そこから生まれる一体感を肌で感じ,ひとがまちを創っていることを改めて実感いたしました。

 さらに,これから秋にかけてまちの賑わい創出が一層期待されます。

 先般,岡山商工会議所・一般社団法人全日本フリースタイルBMX連盟との三者でアーバンスポーツに関する連携協定を締結いたしました。今月14日から17日には,全日本BMXフリースタイル選手権が,市役所構内駐車場等で開催されます。

 10月には自治体・企業の連携交流による地域活性化を目的とした「北前船寄港地フォーラム」が岡山市で開催されます。自治体の首長や企業の代表者が全国から集まる機会を生かして,古代吉備に関する「岡山市説」を発表し,岡山の歴史観光資源の魅力を広めてまいります。また,11月には岡山城がリニューアル1周年を迎え,おかやまマラソンも完全復活いたします。

 人々が集い,楽しめる空間と機会を提供し,賑わい創出や地域経済の活性化を図るとともに,市民の皆様にまちの誇りや愛着を深めていただけるよう,岡山の新たな魅力づくりや効果的な情報発信をしっかりと進めてまいります。

国際交流の推進

 社会経済活動の再開に合わせ,中断していた対面での国際交流の動きも活発化してまいりました。昨年11月には韓国・富川市,今年5月にはブルガリア・プロヴディフ市から,市長をはじめとした訪問団が岡山市を訪れ,市政を視察いただくとともに,岡山の文化に触れていただくなど,交流を深めました。そして,本日夕刻には台湾・新竹市から市長や議長をはじめとする皆さんが本市を訪問され,歓迎夕食会等を開催する予定です。

 岡山市からの派遣も再開しており,7月には,本市経済界との関わりが深いベトナム・ロンアン省からご招待をいただき,私の代理として市民協働局長が,市議会や商工会議所のメンバーとともに訪問いたしました。また,8月には,4年ぶりに夏休み期間中の子ども海外派遣事業を再開し,中学生40名をプロヴディフ市等の5つの友好交流都市・地域に派遣したところです。

 そのような中,友好交流協定締結20周年を記念して,私自身も10月に,韓国・富川市,11月には台湾・新竹市へ訪問する予定としております。岡山市民友好親善訪問団の団長として,市民の皆様とともに国際友好交流都市との絆を更に深め,岡山市の魅力や取組を積極的に発信してまいります。

子育て環境の充実

 少子化対策が喫緊の課題の中,岡山市では保育園等の待機児童の解消や困難を抱えるこどもや家庭への支援など,子育て支援に全力で取り組んでまいりました。7月には国が提唱する「こどもまんなか社会」実現の趣旨に賛同し,こどもまんなか応援サポーター宣言を行ったところであり,引き続き子育て支援施策をしっかりと進めてまいる所存です。

 保育園等の待機児童については,昨年,ほぼ解消と呼べるレベルに到達した一方で,小学校の放課後児童クラブについては,令和5年5月1日現在で193人,うち低学年は,3年生のみ26人の待機児童が発生しており,現在,最重要課題の一つとして,その解消に取り組んでいるところです。学校施設の活用による受け皿の拡大や必要な支援員の確保など,ハード・ソフト両面からとりうる対応を,スピード感をもって進め,令和7年度までには高学年を含めた待機児童ゼロを目指してまいります。

 小中学校の特別教室への空調設備整備については,当初の予定どおり令和7年の夏からの供用開始を目指して着実に準備を進めており,このたび工事発注のための予算を本議会でお諮りすることとしています。

 また,子育て世帯の居住の安定を確保するため,市営住宅の入居者選考において,令和6年1月募集開始分から子育て世帯を優先的に取り扱うとともに,令和6年5月募集開始分から,入居者資格における子育て世帯の収入要件を緩和したいと考えております。

地域の課題解決に向けて

 この夏,4年ぶりに各地で祭りが再開され,私も時間の許す限りではありますが,ご招待をいただき何か所か参加させていただきました。皆さんが待ちに待った祭りの開催を心から楽しんでいる様子を拝見し,地域の大切さを改めて感じました。先の6月定例市議会において,3年以上にわたるコロナ禍を経て,地域の絆が弱まってしまっているのではないか,こうした状況の中で,岡山市として動かなくてはならないのではないか,という議論がありました。

 地域の振興については,これまでも,地域の課題解決や地域資源を活用した魅力ある地域づくりに向けて,地域振興基金も活用しながらハード・ソフト両面から各種取組を総合的に推進してきております。

 しかしながら,地域では高齢化・人口減少等により社会生活上の課題が顕在化しているとの声もお聞きしているところであり,その現状を把握しながら,浮かび上がった課題の解決のための方策を皆で考え,一歩でも前に進めていき,地域の活力を持続可能なものにしてまいる所存です。

令和5年度9月補正予算の概要

 それでは,甲第134号議案から甲第137号議案までの補正予算の概要について申し上げます。

 補正額は,一般会計で29億4,000万円余,特別会計で2,400万円余の増額を行い,合わせて29億6,500万円余の増額となっております。

 一般会計補正予算に要する財源については,国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金25億円余及び前年度の決算剰余により生じた繰越金等により対応いたします。

 主な内容としましては,低所得の子育て世帯生活支援をはじめ,高齢者・障害者・児童福祉施設等運営支援事業,農業・漁業用資材高騰対策事業,省エネ機器更新緊急支援事業,公共交通利用促進事業等を行うものです。

 また,債務負担行為に関するものとして,岡山駅前広場への路面電車乗り入れのための地下街補強関連及び地下街補償等に係る設定・変更,小中学校の特別教室への空調設備整備に係る債務負担行為の設定等を行うこととしております。

その他の議案の説明

 続きまして,その他の議案の主なものについて申し上げます。

 甲第138号議案は,地方税法の一部改正等に伴い,森林環境税の徴収方法等を規定する等のものです。

 甲第141号議案は,国民健康保険法施行令の一部改正等に伴い,産前産後期間における国民健康保険料の減額措置を講ずる等のものです。

 甲第142号議案は,子ども医療費,心身障害者医療費及びひとり親家庭等医療費助成制度の受給資格者である中学生,高校生等の小児慢性特定疾病医療支援,自立支援医療及び指定難病に係る医療の通院医療費の自己負担額を無料にするものです。

 甲第145号議案は,市営住宅に係る子育て世帯の入居者資格の要件を緩和する等のものです。

 甲第146号議案は,対象火気設備等の位置,構造及び管理並びに対象火気器具等の取扱いに関する条例の制定に関する基準を定める省令の一部改正に伴い,蓄電池設備の位置,構造及び管理に関する基準を改める等のものです。

 甲第162号議案は岡山中央中学校区公民館ほか新築工事について,甲第163号議案は西大寺幼稚園・保育園園舎改築工事について,甲第164号議案は消防水難救助訓練施設新築工事について,それぞれ請負契約を締結するものです。

 以上で提案理由の説明を終わります。

 よろしくご審議の上,議決を賜りますようお願い申し上げます。

報告に対する市長説明要旨

 ただいま上程になりました報告についてご説明申し上げます。

 報第39号は,地方独立行政法人岡山市立総合医療センターの令和4年度の業務実績に関する評価結果について報告するものです。

 報第40号から報第43号までは,いずれも令和4年度に放棄した債権について報告するものです。

 報第44号は,岡山市可燃ごみ広域処理施設整備・運営事業建設工事について,契約金額を変更したものです。

 報第45号はリース公用車の事故について,報第46号は個人所有財産の破損について,報第47号から報第52号までは道路の管理瑕疵による事故について,それぞれ相手方と和解し,賠償額を決定したものです。

 報第53号は,市営住宅退去明渡し等の債務について,訴訟手続により債務の履行を請求することを決定したものです。

 報第54号は,市営住宅の家賃の滞納等について,相手方と民事訴訟法第275条の規定による和解をすることを決定したものです。

 報第55号は,住宅新築資金等の滞納について,連帯保証人である相手方と和解をすることを決定したものです。

 なにとぞよろしくお願いいたします。

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