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令和5年6月提案理由

[2023年6月12日]

ID:50581

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令和5年6月定例市議会に提出した議案に対する市長提案理由説明要旨

 令和5年度補正予算案並びに関係諸議案のご審議をお願いするに当たり,その大要と市政の動向等について申し上げ,市民並びに市議会の皆様方にご理解とご協力を賜りたいと存じます。

はじめに

 3年以上にわたり感染拡大の波を繰り返した新型コロナウイルス感染症については,5月8日に感染症法上の位置づけが5類に移行し,アフターコロナの社会経済活動が本格的に動き始めました。

 これまで感染拡大の防止にご協力いただいた市民,事業者の皆様をはじめ,昼夜を問わず対応に当たっていただいた医療従事者や介護施設従事者の皆様に,改めて感謝申し上げます。

 岡山市では,5類移行後も,市民の皆様の不安に寄り添うべく,引き続き専用電話を設けて24時間体制で受診・健康相談をお受けしているところです。また,保健所においては,感染状況の把握を継続的に実施しており,万一,新たな感染拡大がみられた場合には,機動的に対応できる体制を維持してまいります。

 コロナ禍や物価高騰による厳しい影響を受けた市民や事業者の皆様への支援につきましては,令和元年度以降,一般財源も大きく投入しながら,総額1,289億円余にのぼる予算を編成し,時機に応じた対策を躊躇なく講じてまいりました。引き続き,コロナ禍からの社会経済の回復を市政の最優先課題とし,経済情勢を見極めながら,必要とされる施策を的確に講じてまいります。

 私は,市長就任以来,まちに変化を創出し,誇りと愛着の持てる岡山市を実現すべく,「住みやすさ」「力強さ」「安全・安心」を市政推進の3本柱に掲げ,都市の総合力を高めてまいりました。

 3期10年目を迎えた今,多くの方々から「岡山は大きく動いている」という声をいただいております。これまで一つ一つ真摯に取り組んできた様々な施策が結実し,市民の皆様に岡山のまちの「より良い変化」を実感していただけるところまでたどりつくことができましたことを,大変うれしく思っております。

 市議会議員選挙後,初の定例市議会の開催に当たり,この10年を振り返ってみたいと思います。

 具体的に何点か成果を申し上げますと,経済・交流分野では,岡山市が将来に向けて持続的に発展していくためには,地域経済の活性化が必須であるという認識のもと,企業立地の推進や創業支援等を進めてまいりました。近年の市内事業所数の伸びや開業率は全国平均を上回っており,市内総生産は政令指定都市の中で高い伸び率を示すなど,地域経済に好循環がもたらされております。

 また,観光・交流の推進においては,古代吉備の遺産や岡山城等の魅力向上を通じた観光誘客を進め,ESDに関するユネスコ世界会議やG20岡山保健大臣会合等の国際会議を成功させてまいりました。

 まちづくりについては,各地域とまちなかとの調和とバランスに意を用いながら,「住みやすさ」を基盤とした,活力と躍動感あふれるまちづくりに力を尽くしてまいりました。まちなかでは,回遊性が高く,歩いて楽しい都市空間づくりや,賑わいの拠点づくりを進め,昨年度は,岡山城のリニューアルやハレまち通りの一車線化,岡山芸術創造劇場ハレノワの整備など,これまで丁寧に進めてきた取組が実を結び,民間開発とも相まって,岡山のまちの変化が目に見える形となって現れてまいりました。

 また,魅力ある地域づくりに向けては,環状道路の整備,地域振興基金を活用した「地域の未来づくり推進事業」によるコミュニティビジネスの創出支援やデマンド型乗合タクシーによる生活交通の導入など,ハード・ソフト両面で幅広く事業を展開してまいりました。

 子育て分野では,子育て環境が充実した都市の実現を目指し,特に待機児童については,市長就任以来,市政の最重要課題の一つとして,全力で取り組んでまいりました。平成28年度に,待機児童の定義を市民感覚に即した,市にとっては厳しいものに見直し,平成29年度には待機児童数が849人となるなど,保育ニーズが一層高まる中で,保育の受け皿の積極的な整備と思い切った保育士確保策により,待機児童数を着実に減少させ,昨年4月にはほぼ解消と呼べるレベルに到達することができました。

 教育分野では,平成29年に策定した教育大綱のもと,学力の向上と問題行動等の防止・解決に取り組み,学力は目標とする全国平均レベルに到達することができました。現在,第2期教育大綱のもとで,「自らの個性を磨き,選択と挑戦を繰り返すことができる子ども」の育成を目指して,魅力ある授業づくりや問題行動等の防止・解決に向けた総合支援に取り組んでおります。

 健康・福祉分野では,健康ポイント事業をはじめとした健康寿命の延伸策を進め,令和元年には,岡山の医療・介護分野における実績が評価を受け,G20岡山保健大臣会合を開催いたしました。そのレガシーとして,保健医療関係者をはじめとする各分野の皆様とともに策定した「ポジティブ・ヘルス・オカヤマ」の理念に基づき,子どもからお年寄りまで,病気や障害等の有無に関わらず,誰もが生きがいを持って活躍できるまちづくりを推進しております。

 安全・安心分野では,平成30年7月豪雨災害を教訓として,ハード・ソフト両面から災害に強く安全・安心な都市づくりを推進してまいりました。地域防災力の強化では,自主防災組織の結成を促進し,組織率は9割を超えました。また,ポンプ場整備等の総合的な浸水対策に全力で取り組んでまいりました。

 環境分野では,令和3年2月に「ゼロカーボンシティ宣言」を行い,連携中枢都市圏の枠組みを生かし,産学官を交えた研究会の実施や太陽光発電設備等共同購入事業の実施など,脱炭素社会の実現に向けた取組を積極的に進めてまいりました。

 また,令和6年3月から,プラスチック資源回収を開始することとしており,二酸化炭素排出量の更なる削減に取り組んでまいります。

 「汝,何のためにそこにありや」。これは,読売新聞東京本社特別編集委員・橋本五郎氏がよく口にされる言葉であり,私の好きな言葉でもあります。

 アフターコロナを迎えた今,常に岡山市の更なる発展と市民生活の質の向上のために何を為すべきかという根本に立ち返り,変えるべきものは変えていくという気概をもって,あらゆる施策に真摯に取り組んでいくという決意を新たにしました。そして,コロナ禍からの社会経済の回復に全力を尽くすとともに,市政全般においても,常に新しい仕掛けづくりに挑戦し,新たな魅力を効果的に発信しながら,都市の活力と市民生活の質を一層高める施策を展開してまいります。

 また,少子高齢化社会の進展に伴う持続可能な公共交通ネットワークの構築や,脱炭素社会の推進・デジタル化の進展への対応,新アリーナ整備の検討等の,新たな課題にも積極的に取り組み,適切に対応してまいりたいと考えております。

 市民並びに市議会の皆様方の一層のご支援とご協力をお願い申し上げる次第です。

 次に,個別の施策についてご説明いたします。

エネルギー・物価高騰対策

 日本銀行岡山支店が5月に発表した岡山県金融経済月報によると,個人消費は,物価上昇の影響を受けつつも,サービス分野を中心に緩やかに増加しており,企業の業況感は,海外経済の減速や資源高の影響等から改善に足踏みがみられるが,設備投資は増加しているとされています。

 岡山市では,コロナ禍からの社会経済の回復を市政の最優先課題とし,引き続き,経済界等からの要望も踏まえながら,事業者支援・市民生活支援の両面からエネルギー・物価高騰対策を行うとともに,アフターコロナにおける景気回復を後押しするための施策を行ってまいります。

 物価高騰が家計に与える影響が特に大きい住民税非課税世帯等に対しては,新たに,1世帯当たり3万円の給付金を支給いたします。また,国の電気・ガス価格激変緩和対策事業の対象になっていないLPガス利用者の負担軽減を図るため,使用料の値引き施策を実施いたします。

 2月補正予算で計上した,事業者のコスト低減を支援する省エネ設備の導入補助金については,6月5日から受付を開始しており,消費喚起策のスマートフォン決済ポイント還元事業を,夏季の観光や帰省等により更なる人流増加が期待される8月に実施いたします。

 路線バス・路面電車の運賃無料DAYについては,8月から,様々なイベントと組みあわせて,計5回実施することといたします。プレミアム付きタクシー券の販売とあわせて,コロナ禍で厳しい影響を受けた交通事業者の支援とともに,まちの賑わい創出にも繋げてまいります。

まちを楽しむ

 5月8日以降,まちなかでマスクをしている人が少しずつ減り,徐々に市民の皆様の笑顔が鮮明に見られるようになってまいりました。その動きに呼応するように,まちの躍動感も日増しに高まってきているように感じられます。

 6月4日にプレオープンイベントを開催した岡山芸術創造劇場ハレノワについては,9月1日にこけら落とし公演オペラ「メデア」で満を持してグランドオープンいたします。平成25年度の市民会館・市民文化ホールのあり方検討会の開催から,およそ10年が経過いたしました。この場をお借りして,整備に携わってくださった皆様方にお礼申し上げます。いよいよ岡山に新しい文化の時代が到来いたします。このハレノワを岡山市民のみならず,多くの自治体の皆様方に文化の拠点として活用していただき,愛される場所にしていけるよう,公益財団法人岡山文化芸術創造とともに,様々な仕掛けを行ってまいります。

 岡山城については,昨年11月のリニューアルオープン以来,天守閣の入場者数が5月末に28万6千人を突破し,夜間の一棟貸しも多くの方に利用していただいており,岡山市の観光の核として評価いただいているものと考えております。進化し続ける城として,リニューアル1周年に向けて新たな展開を打ち出してまいります。

 また,岡山を代表する祭りであるおかやま桃太郎まつりや,秋のおかやまマラソンについても,今年はコロナ禍前の規模に戻して開催する予定としております。

 アフターコロナにおいて人流の増加やインバウンドの回復が期待される中,様々なイベント等を連携させて,人々が集い,交流し,楽しむことができる機会を提供することで,社会経済活動の活性化を図るとともに,岡山市の魅力を発信してまいります。

歴史・観光の融合による新たな魅力づくり

 次に,造山古墳群の整備に関する取組についてご報告いたします。全国第4位の規模を誇る造山古墳は,全国各地の石材が使用されていることが判明しており,造山古墳ビジターセンターでは,古代吉備が大和に屈服したとする通説に一石を投じる岡山市説を紹介するなど,新たな魅力づくりを進めております。陪塚である千足古墳は,石室内部まで見ていただけるよう復元整備を行い,4月30日から一般公開しております。

 また,6月4日には,備中高松城址資料館をリニューアルオープンいたしました。備中高松城水攻めに関するパネルや,歴史家・磯田道史氏による解説動画で,当時の様子に思いを馳せていただけるよう趣向を凝らしております。

 引き続き,地域振興基金も活用しながら,各地域にある歴史・文化の掘り起こしと磨き上げにより,歴史観光資源としての魅力の向上を図り,地域の誇りの醸成と活性化に繋げてまいります。

未来を担う人づくり

 子育て・教育分野では,安心して子どもを生み育てることができ,子どもが将来に夢と希望をもって健やかに成長できる環境づくりを着実に進めてまいります。

 子ども医療費助成の拡充については,令和6年1月開始に向けてシステム整備等の準備を進めているところですが,子育て世帯の負担軽減のため,一部でも前倒して実施できないか調整を重ね,高校生の入院医療費の無料化については,今年10月から実施したいと考えております。

 保育園等の待機児童数については,昨年4月には8人と概ね解消のレベルに到達し,今年4月は1人になりました。今後も量的に安定した保育環境を保ちつつ,医療的ケア児や重度障害児など,個別の事情がある児童の受入れも進め,利用者に寄り添ったサービスの提供に努めながら,保育の質の向上を図ってまいります。放課後児童クラブの待機児童対策については,引き続き,学校施設の活用による受け皿の確保,必要な支援員の確保等を進め,希望する全ての児童を受け入れることができるようスピード感を持って取り組んでまいります。

 学校教育につきましては,コロナ禍により,子どもたちの自然や文化に直接触れる体験活動や,他者と協働して課題を解決していく機会が減少したことを踏まえ,教育委員会とともに,やる気に繋がる好奇心の醸成に重点的に取り組んでまいります。

持続可能な公共交通ネットワークの構築

 人口減少・少子高齢化が進行する中,市民の重要な移動手段である公共交通を守るため,持続可能な公共交通ネットワークの構築が喫緊の課題となっております。

 岡山市では,平成30年5月に9社のバス事業者を含む協議会を設置し,路線の再編,都心の運賃適正化,高齢者・障害者の運賃割引を3本柱とし,議論を続けてまいりました。高齢者・障害者の運賃割引制度の導入は実現したものの,コロナ禍の影響を大きく受けた事業者の意向を踏まえ,令和3年2月以降の協議は中断しておりましたが,今年1月に事業者から再開の要請を受けたため,6月5日に約2年半ぶりとなる協議会を開催いたしました。アフターコロナで運賃収入は回復してきているものの,事業者の経営は依然として厳しい状況が続いていることを踏まえ,事業者間の連携や官民連携の必要性,今後の方向性等について,様々なご意見やご提案をいただいたところであり,引き続き,事業者や有識者等との議論を深めてまいります。

災害に強いまちづくり

 岡山市では,平成30年7月の豪雨災害直後から,再び同等の雨が降っても床上浸水被害を発生させないよう,特に被害が大きかった地区を重点地区として排水施設の整備に取り組んできた結果,6月1日には今保・白石2か所のポンプ場を運転が可能な状態とすることができました。引き続き,横井・津島のポンプ場の整備も進めてまいります。

 これらのハード面のみならず,自主防災組織等への支援や,各種ハザードマップの全戸配布など,ソフト面でも更なる充実を図り,災害に強いまちづくりを進めてまいります。

令和5年度6月補正予算の概要

 それでは,甲第91号議案及び甲第92号議案の令和5年度一般会計及び市場事業会計の補正予算の概要について申し上げます。

 補正額は,一般会計で49億9,300万円余,事業会計で1,100万円の増額を行い,合わせて50億400万円余の増額となっております。補正に要する一般財源については,令和4年度決算により生ずる見込みの剰余金で対応します。

 主な内容としましては,LPガス料金高騰対策支援事業,市場内事業者電力価格高騰対策支援事業,住民税非課税世帯等に対する価格高騰重点支援給付金事業,新型コロナウイルスワクチン接種体制確保事業等を行うものです。

その他の議案の説明

 続きまして,その他の議案の主なものについて申し上げます。

 甲第95号議案は,離島振興法の規定に基づき,犬島地域における固定資産税の課税免除に関し必要な事項を定めるものです。

 甲第96号議案は,子ども医療費助成の拡充のうち,高校生等の入院費用の無料化を前倒しして実施する等のものです。

 甲第97号議案は,対象火気設備等の位置,構造及び管理並びに対象火気器具等の取扱いに関する条例の制定に関する基準を定める省令の一部改正に伴い,急速充電設備の位置,構造及び管理に関する基準を改める等のものです。

 甲第98号議案は,学校運営協議会委員の報酬について必要な事項を定めるものです。

 甲第127号議案は,岡山駅東口駅前広場整備工事について,請負契約を締結するものです。

 甲第128号議案及び甲第129号議案は,瀬戸ジャンクション(仮称)建設に関する工事について,それぞれ工事委託契約を締結するものです。

 以上で提案理由の説明を終わります。

 よろしくご審議の上,議決を賜りますようお願い申し上げます。

甲第94号議案に対する市長提案理由説明要旨

 ただいま上程になりました議案についてご説明申し上げます。

 甲第94号議案は,地方税法の一部改正等に伴い,特定小型原動機付自転車に係る軽自動車税種別割の税率区分の見直しその他所要の措置を講ずるものです。

 この議案は,本年7月1日から改正道路交通法が施行されることに伴い,特定小型原動機付自転車に係る軽自動車税種別割の税率区分の見直しを行うため,同日までに改正条例を施行する必要があることから,他の議案と分離してご審議の上,議決を賜りますようお願い申し上げます。

報告に対する市長説明要旨

 ただいま上程になりました報告についてご説明申し上げます。

 報第25号から報第29号までは,いずれも令和4年度の繰越明許費繰越計算書,継続費繰越計算書又は予算繰越計算書で,令和5年度に繰り越して執行するため,その内容について報告するものです。

 報第30号はリース公用車の事故について,報第33号は学校施設の管理瑕疵による事故について,それぞれ相手方と和解し,賠償額を決定したものです。

 報第31号はリース公用車の事故について,報第32号は救急活動中の事故について,賠償額を決定したものです。

 報第34号は,市営住宅の家賃の滞納等について,相手方と民事訴訟法第275条の規定による和解をすることを決定したものです。

 なにとぞよろしくお願いいたします。

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