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平成28年9月提案理由

[2016年9月2日]

ID:15085

平成28年9月定例市議会に提出した議案に対する市長提案理由説明要旨

平成28年度補正予算案並びに関係諸議案のご審議をお願いするに当たり,その大要と市政の動向等について申し上げ,市民並びに市議会の皆様方にご理解とご協力を賜りたいと存じます。

はじめに

政府の月例経済報告が「景気は,このところ弱さもみられるが,緩やかな回復基調が続いている」とする一方,地域経済については,三菱自動車工業株式会社の自動車生産停止の影響が懸念されていましたが,去る7月4日,同社の自動車生産が再開され,日本銀行岡山支店の8月の金融経済月報は,県内主要製造業の生産の現況を「減少している」から「下げ止まっている」に修正しました。岡山市としましても,同社の自動車生産再開を歓迎いたしますとともに,現在行っている市内の同社関連企業に対する支援を継続してまいりたいと考えております。
また,8月2日に閣議決定された「未来への投資を実現する経済対策」では,民需主導の持続的な経済成長と一億総活躍社会の着実な実現に向けて,保育・介護の受け皿整備や保育士等の処遇改善,働き方改革の推進などの施策が盛り込まれるとともに,地方創生関係では,未来への投資に向けた地方創生推進交付金を創設することとされました。岡山市におきましても,国の動きに的確に対応しながら,効果的に施策を講ずる必要があると考えており,今後とも詳細な情報の収集・把握に努めてまいります。

新たな総合計画の策定

将来を見据えた市政の羅針盤となる新たな総合計画につきましては,向こう10年間を期間とする長期構想を3月末に策定しましたが,今年度は,この構想の実現に向けた具体的な施策をお示しするため,5年間の前期中期計画を策定する予定です。
現在,基本政策審議会において,各行政分野にわたり幅広くご議論をいただくとともに,市議会における区別計画調査特別委員会等のご議論を踏まえ,全庁を挙げて検討を進めているところです。
今後とも,市議会をはじめ,審議会や市民の皆様のご意見をいただきながら,実効性の高い中期計画の策定に向け,鋭意取り組んでまいります。

広域連携

岡山市には,近隣の自治体との間で行政区域をまたがって,通勤・通学や病院受診,買物などをされる方が多くおられます。そうした教育機関や医療機関,商業施設等の生活機能を共有し,共通の生活圏を構成する自治体における経済の振興や住民の生活環境整備に関しても,岡山市は圏域の中心都市として一定の責任を果たすべきであると考えており,現在,近隣の各市町と連携中枢都市圏の形成に取り組んでおります。
7月11日には,8市5町の首長で構成する岡山都市圏連携協議会において,岡山市が各市町と連携して事務を処理するに当たっての基本的な方針及び役割分担を定める連携協約をはじめ,連携中枢都市圏ビジョンの骨子,都市圏の中長期的な将来像等について協議し,8月9日には,岡山市が魅力ある圏域づくりの中核としての役割を担う意思を表明する連携中枢都市宣言を行ったところです。
各市町との連携協約の締結は10月を予定しており,今議会に所要の議案をお諮りしておりますが,連携協約締結後は,今年度中を目途とする連携中枢都市圏ビジョンの策定に向けて,各市町との協議を進めてまいります。

瀬戸内海に面する県都である広島市,高松市及び松山市とともに構成する瀬戸内4県都市長会の共同事業として,7月20日から22日まで,広島市長,高松・松山両市の副市長らとともに,マレーシアを訪問し,物産の販売促進と観光客の誘致を行いました。
イオンマレーシアの店舗で行った瀬戸内物産フェアにおいて,4市の特産品を試食販売し,また,マレーシア日本大使公邸に地元経済界の重鎮や現地旅行会社の方々をお招きして開催した瀬戸内の観光セミナーにおいて,4市の観光資源をPRしたところ,いずれも好評を博し,現地での瀬戸内への関心の高さがうかがえました。
今回,4市合同で瀬戸内の情報を発信できたことには,非常に大きな手応えを感じており,今後におきましても,4市の連携事業がさらなる成果を上げることができるよう,協力関係を深めてまいりたいと考えております。

地域経済の活性化

先ほど申し上げました連携中枢都市圏の構成メンバーとなる真庭市・吉備中央町とともに取り組んでいる岡山型ヘルスツーリズム拠点化事業が,去る8月2日,地方創生推進交付金の対象事業に選定され,同月末には,事業の推進に向けて,金融機関のほか,旅行,食品等の関連事業者らとともに,岡山型ヘルスツーリズム連携協議会を立ち上げたところです。今後,できるだけ速やかに,ムスリムおもてなし対応基準の整備や事業者向けセミナーの開催など,具体的事業に着手するとともに,連携中枢都市圏の他の市町にも参加を働きかけてまいりたいと考えております。
また,ヘルスケア産業創出・育成事業の本格展開に併せて,「仕事と生活の両立」や「市内企業への若者の雇用推進」を一体的かつ有機的に推進するプロジェクトについても,同交付金の活用を図りたいと考えており,今議会に所要の議案をお諮りしております。

こうした新たな観光分野の開発や新産業の創出・育成に取り組むとともに,広域交通の利便性や自然災害の少なさといった岡山市の強みをいかした企業誘致を積極的に進めることにより,新たな雇用を創出し,地域経済の活性化を図ってまいりたいと考えております。
その一環として,近時,高速道路のインターチェンジや物流軸等の整備が進んだことにより,新たに,産業利用に特に適することとなった農用地については,農業振興との調和を図りながらも,例外的に産業振興のための戦略的な土地利用を可能とするよう,去る7月29日,国に対して,国家戦略特別区域における新たな措置に係る提案を行いました。
今後とも,国・地方を通じて,この提案に関する議論が深まるよう,様々な機会を捉えて,国等への働きかけを継続してまいりたいと考えております。

まちの賑わいづくり

本格的な人口減少社会の到来による都市の活力低下が懸念される中にあっても,市民が質の高い豊かな生活を享受するためには,まちの景観や歴史・文化,芸術やスポーツを通じた人の交流などにより,まちに賑わいをもたらし,その魅力や楽しみを高めることが重要であると考えており,それに資する様々な取組を一つひとつ着実に進めてまいります。

岡山アートサミットの開催初日の10月9日まで,いよいよ残すところ1か月あまりとなりました。
アーティストが事前に岡山をリサーチして,今回のために制作した貴重な新作や日本初公開の作品も数多く展示される予定であり,16か国31組の現代アート作家の作品が集まる本格的な大型国際展覧会となります。
今回の展示は,岡山城を中心とした歴史・文化ゾーンの美術館や施設はもとより,屋外においても行うこととしており,子ども達が直接触れて楽しむことができるものもあります。これを機会に,若い世代はもちろんのこと,幅広い世代の多くの方々が現代アートの素晴らしい作品の数々を体感され,まちやアートの新たな魅力を発見してくださることを期待しております。

11月13日(日曜日)に開催予定のおかやまマラソンの第2回大会につきましては,第1回大会での課題を踏まえ,ゲストランナーの増員や沿道給食のさらなる充実のほか,主会場の混雑緩和など,様々な改善を行っております。また,新たに東京マラソンと提携したことで,大会への参加意欲向上や首都圏への情報発信力の強化につながるものと期待しております。
全国から参加してくださるランナーの皆様に喜んでいただける大会となるよう,引き続き,実行委員会を中心に諸準備を進めてまいります。

道路空間を有効活用し,新たな魅力を創出することにより,回遊性を向上させることを目的として,今年度も県庁通りと西川緑道公園筋において社会実験を行います。
まず,県庁通りについては,10月1日(土曜日)からの1週間,車道を1車線とする交通規制を行い,自転車走行空間や荷捌き場を設けた場合の効果,自動車交通への影響などを検証する予定です。今後,実験の効果や課題等を踏まえた上で,県庁通りの歩いて楽しい道路空間の将来像について,今年度末を目途に検討案を取りまとめ,それを基に議論を進めたいと考えております。
また,西川緑道公園筋の歩行者天国化については,市民主体の運営体制の検討を行うため,企画と運営を民間に一括委託する形で,9月11日(日曜日)と10月2日(日曜日)に実施するとともに,沿道事業者やNPO,地元の方々らと歩行者天国に関するワークショップを行います。こうした取組を行いながら,将来の定期開催も視野に入れた市民主体の新しい運営体制の構築につなげてまいりたいと考えております。

次世代育成の推進

昭和60年に10.9パーセントだった我が国の子どもの貧困率は,平成24年には16.3パーセントとなり,およそ6人に1人の子どもが貧困の状況にあります。また,子どもの貧困には,経済的困窮だけでなく,教育が十分に受けられない状況や子ども・保護者の疾病等による養育困難,希薄な親子関係や社会的孤立といった人間関係の乏しさなど,様々な問題が複合的・重層的に存在しているものと思われます。
岡山市としましても,子どもの貧困対策について検討を進める必要があると考えており,去る8月24日,私を本部長とする岡山市子どもの貧困対策推進本部を立ち上げたところですが,まずは,子どもを取り巻く現状に関するデータの収集,学校園や児童福祉施設等からの聴取りなどにより,実態の把握に努めてまいります。
「子どもには,すべてに対して,最も大きな可能性がある。」このロシアの文豪トルストイの言葉が示すとおり,子どもは皆その未来に大きな可能性を秘めています。
経済的な問題や家庭環境などによって,子どもの選択肢が狭められ,将来の可能性が閉ざされることがないよう,推進本部における取組をしっかりと進めるとともに,保育環境の整備や学校教育の充実,子育て世代の負担軽減など,岡山市の子ども達の明るい未来を築くための施策の充実を図っていく必要があると考えております。

平成28年度補正予算の概要

それでは,甲第170号議案及び甲第171号議案の補正予算の概要について申し上げます。
補正額は,一般会計で4億1,700万円余,事業会計で1,000万円余の増額を行い,合わせて4億2,800万円の増額となっております。補正に要する一般財源につきましては,平成27年度決算により生ずる見込みの剰余金で対応します。

主な内容といたしましては,先ほど申し上げました地方創生推進交付金を活用したヘルスケア産業創出・育成事業等を行うほか,国・県支出金の決定を受けて,ひとり親高等職業訓練促進資金貸付事業,市街地再開発事業等を実施します。

また,5月に崩落した県道落合建部線の道路法面の復旧を行うとともに,6月及び7月の集中豪雨により被害を受けた農業用施設等の災害復旧を行います。

その他の議案の説明

続きまして,その他の議案の主なものについて申し上げます。

甲第172号議案は,基金の管理方法について有価証券による保管を明記する等のものです。

甲第173号議案は,個人番号カードを利用したコンビニエンスストアでの戸籍関係証明書の交付を実施するものです。

甲第174号議案は,介護保険法及び介護保険法施行規則の一部改正に伴い,主任介護支援専門員の資格要件を改める等のものです。

甲第175号議案は,岡山市御津保健福祉ステーションに利用料金制を設けるものです。

甲第176号議案は,旅館業法施行令の一部改正に伴い,簡易宿所営業の施設の構造設備の基準を改めるものです。

甲第177号議案は,公職選挙法施行令の一部改正に伴い,議会の議員及び長の選挙における選挙運動用自動車の使用等の公営に要する経費に係る限度額を改めるものです。

甲第178号議案は,農業委員会等に関する法律の一部改正に伴い,農業委員会の委員及び農地利用最適化推進委員の定数並びにこれらの者の報酬及び費用弁償の額を定めるものです。

甲第179号議案から甲第190号議案までは,先ほど申し上げました連携中枢都市圏を形成するに当たり,関係各市町との間で連携協約を締結するものです。

甲第216号議案は,岡山市立小串小学校校舎耐震改築工事について,請負契約を締結するものです。

以上で提案理由の説明を終わります。

よろしくご審議の上,ご議決を賜りますようお願い申し上げます。

甲第217号議案に対する市長提案理由説明要旨

ただいま上程になりました議案についてご説明申し上げます。

甲第217号議案は,山健氏の任期満了に伴い,教育委員会教育長として,菅野和良氏を任命するに当たり,市議会の同意を求めようとするものです。

なお,同氏の略歴につきましては,既にお手元に配布しておりますので,説明を省略させていただきます。

なにとぞご同意のほどよろしくお願いいたします。

報告に対する市長説明要旨

ただいま上程になりました報告についてご説明申し上げます。

報第38号は,地方独立行政法人岡山市立総合医療センターの平成27年度の業務実績に関する評価結果について報告するものです。

なにとぞよろしくお願いいたします。

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