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平成27年2月提案理由

[2015年2月16日]

ID:14964

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平成27年2月定例市議会に提出した議案に対する市長提案理由説明要旨

平成27年度予算案並びに関係諸議案のご審議をお願いするに当たり,市政運営に関する所信を申し上げ,市民並びに市議会の皆様方にご理解とご協力を賜りたいと存じます。

はじめに

国におきましては,先頃,経済対策を柱とする平成26年度補正予算が成立し,引き続き,平成27年度予算が審議される運びとなっております。
地域経済の下支えを含め,強い経済の実現を通じて,我が国経済を本格的な成長軌道へと移行させ,地方にあっても景気回復を実感できる経済再生と財政の健全化を実現するとともに,地方創生のための取組が実効あるものとなるよう期待しております。
岡山市におきましても,国の動きに呼応した地方の創生に向けて,去る1月26日に「まち・ひと・しごと創生本部」を設け,全庁的な推進体制を整えたところであり,経済対策の一環として創設された交付金を活用し,消費喚起や地域活性化に資する施策を速やかに実行していくための補正予算の編成や,平成27年度中を目途とした岡山市版の総合戦略の策定をはじめ,岡山市の強みや地域特性に即した活力と魅力あふれるまちづくりに取り組んでいく所存でございます。

平成27年度の市政運営

さて,新年度は,長期的な展望の下に岡山市の将来像を明らかにし,同時に,賑わいの創出やまちづくりへの期待の高まりといった変化を確かなものとしていくべく,「住みやすさ」「力強さ」「安全・安心」の3つの視点を大切に,市民の皆様と協働しながら,市民生活の充実と岡山市の発展に資する政策を一つひとつ着実に進める一年としてまいりたいと考えております。

その際,人口減少・超高齢化が着実に進行する中,今後直面することが避けられない諸課題に向き合うことで,未来への展望を明るく開かれたものとしていくという視点に立って,子育て支援の充実と女性の活躍推進,健康寿命の延伸と生涯現役社会の実現,生活の基盤となる働く場の確保,地域経済を支える産業の育成・誘致や地方への人の流れの促進などにトータルに取り組んでいくことが重要であると考えております。

また,まちづくりの主役はそこに住む人であり,地域社会を時代に合った形に変革し,暮らしやすく個性が輝く地域を築くのも人であることに思いを致し,優れた知識,技術,経験等の地域の力をまちづくりにつなげていく,市民と市民,市民と行政とがつながって,地域の課題を解決する,持続可能で希望の持てる地域づくりを具現化させていく,そんな市民協働のまちづくりを進めたいと考えております。

同様に,中心市街地をはじめ,ものづくりや物流の拠点,穀倉地帯,中山間地まで,言わば国土の縮図とも言える多様な地域を有する都市として,地域特性に即した岡山市の活性化に取り組む必要があると考えております。

一方で,これらの具現化に当たり,後世に負担を先送りすることがあってはならず,行財政改革の徹底と健全財政を旨として,施策の優先度を見定め,経営資源を重点化することが肝要であると思っております。

本議会にお諮りしている予算案は,こうした考え方の下,健全な財政運営を堅持したうえで,地方創生への対応をはじめ,総合計画の策定や広域連携の推進,また,魅力ある中心市街地の創出,人にやさしい都市交通網の構築,市民主体の暮らしやすい地域づくり,女性の活躍と次世代育成の推進,医療と福祉の強みをいかしたまちづくり,活力ある開かれたまちづくり,歴史と文化が薫るまちづくり,安全・安心なまちづくりなど,今やるべき取組を前進させることに重点を置いて編成したものです。

機構につきましては,これらの政策を効果的・効率的に実施する視点から,組織の肥大化を抑制しながら,市民にとってより分かりやすく,職員にとってより仕事のしやすいものとなるよう改革いたします。
その主なものとしましては,新設する市民協働局にESDの推進,市民活動支援及び女性が輝くまちづくり等を担わせるほか,行政改革推進室を政策局へ移管し,下水道局を下水道河川局に改めて都市整備局から河川部門を移管する等の整備,再編を行うこととし,所要の議案を本議会にお諮りしております。

人事につきましては,職員の創意と意欲の一層の発揮,資質の向上を促し,職場の活性化を図るべく,人材育成と適材適所を旨とした配置に努めるとともに,市が率先して女性の活躍推進に取り組むための環境整備に意を用いてまいります。

新総合計画の策定及び広域連携の推進

将来を見据えた市政の羅針盤となる新たな総合計画につきましては,平成37年度を目標年度とした長期的なまちづくりの基本理念や将来像を示す長期構想(仮称)と,その実現に向け,平成32年度までの政策・施策の方向性を示す中期計画(仮称)で構成することとし,平成28年度中にもスタートすべく,昨年末,基本政策審議会会長に対し長期構想にかかる諮問を行うなど,すでに策定作業に着手したところです。
新年度は,同審議会でのご審議をはじめ,市議会のご意見,ワークショップや市民アンケート等を通じた幅広い市民の皆様のご意見をお聞きしながら,11月を目途に,同審議会の答申をもとに構想の素案をとりまとめることとしており,平成27年度中の構想策定を目指して,全庁を挙げて取り組んでまいります。

広域的なまちづくりにつきましては,圏域全体の経済を牽引し,圏域に住む人々の暮らしを支えていく観点から,効果的・効率的な行政運営のための相互協力及び圏域全体の経済活性化を目指す成長戦略について,現在,本市を含む8市5町の実務者間で協議,検討を行っているところです。
今後,さらに議論を深める中で,連携中枢都市圏の形成に向けた国のモデル事業の活用や,将来的な連携協約の締結を視野に入れながら,政令指定都市・岡山として,広域的な視点からよりよい地域づくりを図っていく所存でございます。

魅力ある中心市街地の創出

イオンモール岡山に開業2か月で約390万人が訪れ,岡山駅南地下道の休日歩行者数が,開業直後の12月は開業前の88倍,1月でも47倍に増加しており,この新たな人の流れをまちの賑わいと活力に結び付けていくべく,新年度においても,魅力ある中心市街地の創出に向けて政策横断的な取組を行ってまいります。
このため,アートによる魅力づくりや旧内山下小学校,西川緑道公園を活用した賑わいづくり活動を促進するとともに,旭川再生に向けて,国の護岸整備と連携しつつ,旭川さくらみちの歩行空間の整備等に取り組み,さらに,まちなかの公園が賑わいの拠点ともなるよう,石山公園の再整備や,社会実験を通じてオープンカフェ常設化の可能性を検討するなど,歩いて楽しいまちづくりに資する取組を展開してまいります。
本年度は実施を断念した県庁通り等における回遊性向上社会実験につきましては,岡山駅前エリアと旧城下町エリアを快適に回遊できる空間づくりの重要性に鑑み,新年度の早い時期から実施できるよう,交通状況に応じた柔軟な対応も念頭に置きながら,岡山県警察本部をはじめ関係者との協議を行ってまいります。

人にやさしい都市交通網の構築

公共交通を中心とした人にやさしい都市交通網の構築にも注力してまいります。
路面電車の岡山駅前広場乗入れにつきましては,先般開催した第2回調査検討会において,4つの乗入れパターン毎に,既存施設や歩行者動線への影響等を勘案して抽出した複数の具体案をお示しするとともに,それらについて,利便性,安全性,地下街など周辺への影響等の多角的な評価や概算事業費を明らかにしたところです。
今後,市議会のご意見もお聞きしながら,これらの中から,本年度中を目途に計画案を数案まで絞り込んだ後,関係者との協議を進め,本年の秋頃には最終計画案をお示ししたいと考えております。

吉備線LRT化につきましては,昨年末に開催した第2回の計画検討会議において,運行頻度や初期投資コスト,運営スキームに応じた費用負担の例等を含む検討素案の全体をお示ししたところであり,今後,総社市,JR西日本及び関係機関と協議しながら,合意形成の前提となる基本計画案のとりまとめにつなげてまいりたいと考えております。

自転車先進都市・岡山の実現に向けましては,自転車の走行空間や駐輪場の整備を引き続き進めるとともに,身近なまちの移動ツールとして定着した「ももちゃり」を岡山駅西口エリアに拡げ,一層の利用促進と回遊性のさらなる向上を図ります。
併せて,自転車乗用中の死傷事故の発生率が全国的に見ても高い現状を真摯に受け止め,まずは,自転車事故の多発地点における事故原因を調査分析し,その結果を踏まえて,道路の構造の改善や自転車利用にかかるルール・マナーの周知,啓発等,実効ある対策を講じてまいります。
さらに,近年,自動車よりコンパクトで,環境負荷が小さい「次世代の乗り物」超小型モビリティの活用も注目を集めており,岡山市においても,その導入可能性を調査検討してまいります。

市民主体の暮らしやすい地域づくり

住民主体の地域づくりを一層促進するとともに,市民と行政との協働,地域における市民どうしの協働を共に大きく前進させてまいりたいと考えております。
このため,「ESDに関するユネスコ世界会議」の開催を契機とした市民協働意識の高まりを捉え,地域の方々をはじめ,NPO,大学など多様な主体のつながりを深めながら,ESDや安全・安心ネットワークの活動など市民活動の支援,「協働のまちづくり条例」の抜本的な見直し等に幅広く取り組んでまいります。

ESDのさらなる推進に向けましては,平成31年までの5年間を期間とする新たな岡山ESDプロジェクト基本構想に沿って,世界会議の成果をいかした内外の人々とネットワークを結んでのESD活動を展開するとともに,ESDアワードを創設し参加機運をより高めつつ,ユネスコが進める「グローバル・アクション・プログラム」の推進に貢献してまいります。

さらに,区づくり推進事業の大幅な拡充及び見直しを行うとともに,区からの予算要求に基づき,「地域おこし協力隊」を受け入れるほか,主に中山間地域を対象としたアンケート調査や交通不便度合の高い灘崎・瀬戸地域で地域が主体となる生活交通の試験導入を行い,今後の取組にいかしてまいりたいと考えております。

また,農業都市の一面を有する岡山市として,安全・安心な食の供給,美しい田園風景など多面的な機能を持つ農業等の振興と地域活性化に向けて,70万人のマーケットと生産現場を結ぶ地産地消の促進や,担い手の確保・育成,経営規模拡大を通じた生産の効率化,岡山の大きな魅力である特産品のPR等を図ってまいります。

女性の活躍と次世代育成の推進

女性の潜在力を引き出し,幅広い分野における活躍を推進するとともに,次世代育成と安心して子育てできる環境づくりに取り組んでまいりたいと考えております。
本年度実施した「女性が輝くまちづくり調査」では,結婚や出産・育児に際し,退職した女性が半数近くに上ることや,多くの女性が仕事と家庭の両立への不安等から管理職になることを望まないなど,固定的な性別役割分担の意識が根強いことが浮き彫りになりました。
私は,職場で,ひいては社会全体で,男性も女性も子育てしながら働きやすい「空気づくり」に取り組むことで,こうした意識を打破したいと思っております。
まずは,「隗より始めよ」の精神で,育児休業をキャリア形成の妨げとしない人事管理をはじめ,育休代替として正規職員を配置することや,男性職員の子育て休暇100%取得を目指す取組など,市役所を良き先導役としてまいりたいと思います。
さらに,こうした「空気」が地域に拡がり,受け入れられるよう,企業の男性管理職をはじめ,父親,そしてこれから父親になる方々に働きかけるとともに,女性の力が社会の中で最大限に発揮されるよう,企業の先進事例の紹介やスキルアップに資する研修・講座の実施,再就職や起業の支援等に幅広く取り組んでまいります。

安心して子育てできる地域社会づくり,そして,仕事と家庭の両立支援に向けましては,子ども・子育て支援新制度に対応し,希望するすべての子どもに就学前の教育・保育を提供していくうえで,保育の量の確保が当面の最重要課題と認識しております。
このため,今後5年間を見通した子ども・子育て支援事業計画に沿って,私立保育園を7園整備し,平成27年度中に定員を約500人増やすこととしており,これに加えて,さらなる保育施設の整備や地域型保育の導入,認定こども園の推進,公立幼稚園の余裕教室の活用など,民間の力をいかした取組を進め,直ちにはニーズと受入れ枠とのギャップ解消には至らないものの,できる限り保育ニーズに応えられるよう努めてまいります。
また,今春から幼保連携型認定こども園を4園でスタートさせ,地域の実情や施設の状況を踏まえながら,順次その拡大を図るとともに,保護者への利用支援や,放課後児童クラブの施設の確保と運営支援等に取り組んでまいります。
併せて,子ども医療費助成制度の拡充について,平成28年4月1日実施に向け,諸準備を進めてまいります。

教育の面では,新「教育長」を首長が議会の同意を経て任命し,すべての自治体に総合教育会議を設置する等の法改正が今春施行され,教育分野における首長の権限と責任が大きく重くなることから,知・徳・体の調和のとれた岡山っ子の育成にこれまで以上に向き合い,力を注いでまいります。
同会議は,新年度の早い時期に設置し,教育委員会と協調して,また,外部の知見も取り入れながら,岡山市の教育の現状と諸課題を明らかにしたうえで,公開の場における議論を通じて,岡山市が目指すべき教育の方向性をお示ししていくべく,しっかりと取り組んでまいります。
併せて,子どもたちの学力向上,また,社会を生き抜き,社会に貢献できる力の養成に資するよう,よりよい授業づくりや教職員の事務負担軽減を図るなど,教育環境の充実に努めてまいります。

医療と福祉の強みをいかしたまちづくり

男女とも平均寿命が世界最高水準となった我が国にあって,折しも,国が「健康・予防元年」を掲げる中,岡山市においても,市民の皆様の健康寿命の延伸を重要な政策課題と捉え,「知って変わる」「地域でつながる」「楽しく歩く・運動する」の3つの視点から,新たな取組も加えて積極的に展開してまいります。
このうち,「楽しく歩く・運動する」の一環として,2,000人のご参加を得て,平成29年3月末までの間,総合特区事業の「健幸ポイントプロジェクト」を実施し,健康に関心のない層を含め,市民の皆様が運動を始める,或いは,運動を続ける契機としていただくとともに,健康状態の改善度や医療費・介護費の抑制効果等を検証し,我が国における健康長寿社会の実現に貢献したいと考えております。

いよいよ本年5月に,新市民病院が開院いたします。院内には,岡山ER及び「地域ケア総合推進センター」を設け,救急医療,人材育成,地域医療ネットワーク確立の要の役割を果たすとともに,市の保健事業と合わせ,予防,診療から介護まで包括的にサービスを提供する地域包括ケアシステムの構築を支える拠点機能も担い,市民の皆様の安心の拠り所となるよう努めてまいります。
旧岡山操車場跡地のうち,新市民病院及びJR北長瀬駅に隣接するゾーンにつきましては,健康・医療・福祉機能のほか,「賑わい」「癒し」の機能も備えた新たな拠点の創出に向けて,平成27年度の早い時期に幅広いアイデアの提案を募ることとし,これをいかした事業実施方針や募集要項の策定を経て,平成28年度を目途に事業者を決定できるよう取り組んでまいります。

また,全国一律の介護予防事業を市町村事業とし,サービスの多様化を進める介護保険制度の改正を受け,平成29年度実施に向けて,生活支援や介護予防が必要な方に対し,地域の方々やNPOなど地域の多様な担い手による支え合いの仕組みづくりに取り組むほか,国民健康保険財政健全化計画を着実に実行してまいります。

活力ある開かれたまちづくり

産業の活性化や企業誘致,新産業の育成を通じて,人・もの・情報を集積,交流させ,持続的に都市活動を営む力を高めてまいりたいと考えております。
このため,商店街の方々が自らの将来像や活性化策を定め,店舗誘致を行う取組の後押しや,市内中小企業の人材育成や情報発信を支援するとともに,イオンモール岡山開業後の来街者や商店街の実態等の調査を通じて,その影響度を把握し,魅力的な商業空間の創出に向けた第一歩としてまいります。
加えて,国が掲げる「『人』と『しごと』の好循環づくり」を果たすうえで,若い世代が安心して働ける雇用の創出が肝要であることから,地場産業の底上げや強みをいかした競争力のある産業の育成,企業の本社や本社機能等の誘致など,岡山市における「しごと」づくりに取り組んでいかなければならないと考えております。

また,私たちの岡山市により関心を持ち,多くの方々にお越しいただけるよう,観光客や宿泊客の方々を対象とした調査を実施し,岡山市の観光の現状と課題を明らかにすることにより,より効果的な情報発信や誘客につなげてまいります。
併せて,「晴れらんまん おかやまの旅」をテーマに,平成28年春に展開予定のデスティネーションキャンペーンに向けたPRや魅力づくりとともに,昨年の岡山城天守閣入場者数が約23万人と,前年比で3万人余・約16%増加する中,岡山城と岡山後楽園の連携を一層強化し,その魅力アップに努めるなど,岡山市の知名度や都市イメージの向上,観光客の誘致拡大を図ってまいります。

おかやまマラソンにつきましては,11月8日の初開催に向けて,先般,シンボルマークが決まり,4月下旬からはランナー募集を開始する予定で,本番を迎える準備が着々と進んでおります。
今後,県内外のマラソン大会にPRキャラバンを派遣するなど,関係者並びに市民の皆様方のご支援,ご協力の下,開催機運の一層の醸成に努めながら,1万5千人のランナーをはじめ,内外からの訪れる多く方々に岡山の魅力を最大限に感じていただける大会となるよう,万全の開催体制を整えてまいります。

歴史と文化が薫るまちづくり

歴史作家,故 司馬遼太郎氏は,著書「歴史を紀行する」の中で,「桃太郎の末裔たちの国・岡山」と題して昭和,幕末,戦国の逸話,そして吉備津彦と温羅の伝承に触れ,吉備路の人間風土のふるさに「私は『吉備』という語感がたまらなく好き」「岡山県は他県とは違い,『しにせ』が古すぎるほど古い」と述べています。
いにしえから連綿と受け継がれてきた岡山の歴史,伝統,文化を岡山の魅力,まちづくりの礎としてまいります。

歴史と文化が薫るまちづくりに向けましては,地域の歴史資源や先人の偉業等を市民の皆様に再認識していただくことにより,ふるさとへの愛着と誇りを涵養するとともに,訪れる方々に岡山市の魅力をより感じていただけるよう,文化財の保存・整備に努め,併せて,「岡山歴史と文化の出会いしるべ」をコンセプトとした統一感あるデザインの案内板を順次整備してまいります。

現代アートを活用した新旧文化の融合による新たな魅力づくりの試みとして実施した「Imagineering」は,延べ11万7千人余の来場者を集め,さらに,美術専門誌をはじめ,さまざまなメディアで紹介され,その広告換算効果は3億円余との試算もなされるなど,賑わい創出のみならず,情報発信の面からも,これからのまちづくりを考えるうえでの一つの方向性を示すものと受け止めております。
こうしたことから,民間の意欲や創意工夫を後押ししつつ,アートが身近にある環境づくりやアートの持つ創造力をいかしたまちづくりに向けて,体制や仕組みの構築を図ってまいります。

市民会館及び市民文化ホールの再整備,即ち,新しい文化芸術施設の建設につきましては,現時点で3か所が候補地となっている中で,その立地場所を判断すべき時期に来ていると認識しております。
このため,比較検討に必要な資料が出揃った段階で,文化芸術施設としての機能,事業の実現性,費用対効果等の観点から,オープンな形での評価及び比較検討を行い,来る6月を目途に立地場所を決定した後,建設に向けた具体案づくりへと進めてまいります。

安全・安心なまちづくり

安全・安心なまちづくりに向けましては,学校園等の市有施設の耐震化をはじめ,北消防署や中区役所の建替など防災・避難拠点等の整備を着実に進めるとともに,被災時においても,市の災害応急・復旧対応や優先度の高い通常業務をより的確に実施できるよう,新たに,業務継続計画を策定いたします。
さらに,広範囲に浸水被害が発生した地区や浸水被害が頻発している地区を中心とした重点的な浸水対策に加え,新たに市単独事業として局所的な浸水対策を実施し,併せて,橋りょう,上・下水道施設の耐震化,治水・高潮対策等に取り組みます。
また,自主防災組織の育成をはじめ各地域における主体的な防災活動の支援など,地域防災力の強化に努めるとともに,防犯カメラの設置支援等の防犯対策や消費者被害の防止に向けた啓発の強化,空き家対策の促進など,暮らしの安全・安心の確保に努めます。

平成27度予算の概要

それでは,甲第3号議案から甲第21号議案までの平成27年度予算案の概要について申し上げます。

一般会計の予算額は,2,848億円で,平成26年度当初予算額と比べて,41億円,1.5%の増となりましたが,貯金に当たる財源調整のための基金残高は,当初予算での取崩後でも235億円と,前年度同期の205億と比べて同水準以上を確保し,また,臨時財政対策債を除く市債の発行を前年度並みとしつつ,岡山操車場跡地の用地買戻しを大きく前進させて長年の懸案に解決の道筋をつけるなど,長期的な視点から財政運営の安定性,健全性に配意して予算を編成いたしました。

歳入では,市民税の増加等により市税が11億円の増,また,地方消費税交付金が42億円の増と見込む一方で,臨時財政対策債を含む実質的な地方交付税は,29億円の減を見込んでおります。

歳出では,公債費は,借入の抑制により20億の減となった一方で,消費増税に伴う臨時給付金を除く社会保障関係経費は,高齢化の進展や子ども・子育て支援新制度への対応などにより22億円の増,人件費は,給与改定等により13億円の増,普通建設事業費は,市有施設の耐震化や老朽化した施設の再整備等のため13億円の増となっております。

その他の議案の説明

続きまして,その他の議案の主なものについて申し上げます。

甲第23号議案は,先程申し上げましたとおり,平成27年度機構改革に伴い,岡山市の組織及びその任務に関する条例の一部を改正するものです。

甲第27号議案は,岡山市が保有する特定個人情報について,番号法の趣旨にのっとり,岡山市個人情報保護条例の一部を改正するものです。

甲第29号議案は,スポーツ及び文化に関する事務を市長が管理し,及び執行するため,岡山市教育に関する事務の職務権限の特例に関する条例を制定するものです。

甲第43号議案は,岡山市立認定こども園を設置し,管理について定めるものです。

甲第44号議案から甲第49号議案までは,子ども・子育て支援新制度の施行に伴い,特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業等の利用者負担額並びに市立幼稚園の授業料について定める等のものです。

甲第50号議案は,建部町温泉会館を廃止するものです。

甲第54号議案は,消防団員の定員を見直し,消防団の運営管理を効率的に行うため,岡山市消防団員の定員,給与,服務等に関する条例の一部を改正するものです。

甲第57号議案は,岡山西部総合公園用地として土地を買い入れるものです。

甲第58号議案から甲第68号議案までは,岡山ふれあいデイサービスセンター以下17施設について,いずれも指定管理者の指定を行うものです。

甲第69号議案は,平成27年度包括外部監査契約を締結するものです。

甲第71号議案は,平成27年5月の新市民病院移転開院に伴う料金改定のため,地方独立行政法人岡山市立総合医療センター中期計画の変更を認可するものです。

甲第72号議案から甲第74号議案までは,岡山市東山斎場再整備事業,岡山市中区役所庁舎新築工事及び岡山市立吉備公民館・岡山市北区役所吉備地域センター新築工事について,それぞれ請負契約を締結するものです。

甲第75号議案は,介護保険事業計画の見直しに伴い,平成27年度分から平成29年度分までの介護保険料の額を改める等のものです。

以上で提案理由の説明を終わります。

よろしくご審議の上,ご議決を賜りますようお願い申し上げます。

報告に対する市長説明要旨

ただいま上程になりました報告についてご説明申し上げます。

報第2号は,リース公用車の事故について,報第3号は,市有自動車の事故について,それぞれ賠償額を決定したものです。

報第4号は,道路の管理瑕疵による事故について,相手方と和解し,賠償額を決定したものです。

なにとぞよろしくお願いいたします。

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総務局総務部総務法制企画課

所在地: 〒700-8544 岡山市北区大供一丁目1番1号 [所在地の地図]

電話: 086-803-1081 ファクス: 086-803-1840

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