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岡山後楽館中学校

[2019年12月6日]

ID:38537

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国際交流活動を通して、自己理解と主体性を育む岡山後楽館中学校

岡山市中心部に位置する岡山後楽館中学校。公立学校の中では、当時全国初の中高一貫教育校として1999年に開校し、現在では231名(注)の生徒が学んでいます。国際交流に力を入れるなか、2017年度からはブルガリア共和国の首都ソフィア市にある「第18総合学校」との交流を開始。2019年夏には2名の生徒が「岡山市子ども海外派遣事業」に参加し、ブルガリアを訪問しました。今回は、10月16日(水曜日)に行われたブルガリア訪問の報告会をもとに、同校が行う交流活動についてご紹介します。
(注)2019年10月末現在

岡山後楽館中学校校舎

学校データ

ブルガリアと交流しよう!

岡山市は1972年からブルガリア共和国プロヴディフ市と姉妹都市縁組を結んでおり、東京2020オリンピック・パラリンピックではブルガリアのホストタウンを務めることになっています。この決定がきっかけとなり、2017年度に岡山後楽館中学校と第18総合学校の交流が始まりました。これまでに、年賀状やクリスマスカード、プレゼントを交換したり、ビデオ通話を介して対話をしたりするなど親交を深めてきました。

ビデオ通話をする生徒たち

ビデオ通話による交流の様子

壁画の共同制作へ取り組む姿

壁画の共同制作への取り組み

2019年度は、世界共通のテーマについて対話的・協働的に学び合い、共同で1枚の壁画を制作する「アートマイル国際協働プロジェクト」にパートナー校として参加。SDGsの目標から「11:住み続けられるまちづくりを」をテーマにし、岡山市とソフィア市の象徴的な文化や風景を描いた壁画を制作しています。完成した壁画は、2020年東京オリンピック・パラリンピックの会場に展示される予定です。

ブルガリア訪問報告会

こういった学校での交流活動がきっかけとなり、夏には2名の生徒が「岡山市子ども海外派遣事業」に申し込み、選定されてブルガリアを訪問しました。帰国後、同校では2名による報告会が開催されました。


生徒たちも興味津々

交流のあるブルガリアの話題に、生徒たちも興味津々

2名による発表 ブルガリア文化を体感した10日間

私たちは、2019年7月29日(月曜日)から8月7日(水曜日)の9泊10日でブルガリアを訪問しました。現地では、岡山市と姉妹都市のプロヴディフ市を訪れ、市長を表敬訪問したり、ホストファミリーが通う学校に行ったりするなど、観光旅行ではなかなかできない経験をしました。また、民族舞踊や博物館の鑑賞、バラ工場の見学、トロヤン陶器の絵付けやバラの石けん作り、民族衣装の試着などさまざまな伝統文化を体験することができました。

プロヴディフ市の市長を表敬訪問した様子

プロヴディフ市の市長を表敬訪問

絵付け体験の様子

トロヤン陶器の絵付け体験

ホストファミリーとの会話は英語で行うため、最初はうまく伝わるか不安でしたが、ホストファミリーがゆっくりと話してくれたり、岡山の紹介をしっかり聞いてくれたりして、仲良くなることができました。習字や折り紙を教えてあげると喜んでもらえたのがうれしかったです。

プロヴディフ市中央公園の桃太郎像前にて集合写真

プロヴディフ市中央公園の桃太郎像前にて

訪問中は、日本との文化の違いを感じることも多くありました。例えば、コミュニケーションの際のジェスチャーにおいて、日本では「はい」を意味する時は首を縦に振りますが、ブルガリアでは首を横に振ります。このような文化の違いをもっと知れるよう、今後も交流や勉強を続けていきたいと思います。

ブルガリアのお守り「マルテニツァ」

報告会の最後には、ブルガリアの伝統的なお守り「マルテニツァ」作りが行われました。マルテニツァとは、紅白の糸を編んだお守りのことで、ブルガリアでは春になると、健康と幸福を願って家族や友達に贈り合うそうです。2019年春には第18総合学校から同校の生徒たちへのプレゼントとしてマルテニツァが贈られ、そのお礼に同校からは夏に手作りうちわを贈りました。このように、相手の国を知り、自国の文化を伝えながら交流を深める活動を継続的に行っています。

お守りを作る様子

2人1組で作る

マルテニツァの写真

第18総合学校から贈られたマルテニツァ

発表を終えた2名の声

今回ブルガリアを訪問した2名に、派遣事業に応募した理由や、これから頑張っていきたいことについて聞きました。

新宅さんと服部さんの写真

新宅 史果さん(左)/服部 詩子さん(右)

新宅 史果さん

2年前に開かれた報告会で、ブルガリアを訪問した先輩の体験談を聞いたことや、ビデオ通話で提携校と話をしたことがきっかけで、行ってみたいと思いました。訪問先では、ホストファミリーから家庭料理をふるまっていただくなど、ホームステイならではの貴重な体験ができました。心残りなのは、「おいしい?」と聞かれたときに、いつも同じフレーズでしか返事ができなかったこと。もっと英語を勉強して、語彙力を高めたいと思いました。

服部 詩子さん

ブルガリアとの交流授業を通して「知らない国に行ってみたい」という気持ちが強くなり、派遣事業に応募しました。実際に海外に行ってみると、自分の国のことを紹介する場面が多く、岡山のこと、日本のことをもっと知っておかなければいけないと感じました。世界の文化や外国語はもちろんですが、自分の故郷についても知識を深めていきたいです。

小野 敏幸 校長先生

校長先生

本校が目指す生徒像の一つに、「自分の存在を大切にしながら、他者と豊かにつながることができる」という指針があります。そのためには自ら考え、主体的に行動することが大切なので、「総合的な学習の時間」では自分でテーマ設定を行うことを重視し、1年生は職業研究を、2年生からは自分の将来を探求する学びへと深めていきます。そして、今回のブルガリア訪問のように、「やりたい」と自ら手を挙げて行動した生徒の体験は、他の生徒に共有する場を設け、良い刺激にしてほしいと思っています。

ブルガリアの第18総合学校との交流では、「お互いに自分たちの街の魅力を知り、大事にしよう」と感じてもらいたいです。相手の国を理解し、お互いの国を大切に思える経験が、他者と豊かにつながる心のベースになると考えています。

ESDマン

国際交流が、故郷の魅力や今後の目標を考えるきっかけになっているんだね!