ページの先頭です

共通メニューなどをスキップして本文へ

ユネスコスクール(高松中学校)

[2016年10月12日]

ID:38417

ソーシャルサイトへのリンクは別ウィンドウで開きます

日本の文化を継承する高松中学校

岡山市立高松中学校は、岡山市北区にある全校生徒482名※1の学校です。
平成27年(2015年)にユネスコスクールに認定されました。
高松中学校周辺は現在でも多くの古墳や文化財が残り、遺跡や寺社を有する歴史ある地域です。そのため、今では失われつつある日本の伝統習慣や祭り、地域社会のつながりが残っており、それを学び次の世代へ伝えていくことをESDの一つの軸としています。
今回は、このESD活動として、今年の7月に日本の伝統文化を伝え、異文化を理解することを目的に初めて開催された高松中学校の生徒と岡山大学へ留学しているマレーシアのムスリム※2の方との交流を紹介します。

岡山市立高松中学校の写真

学校データ

※1 平成28年5月1日現在
※2 イスラム教徒

第1回ESD交流会

今回の交流会では、高松中学校の生徒が岡山大学を訪問しました。
最初に、ムスリムの留学生と一緒に大学内のハラルフード※3を提供する学食を視察。
パンやお弁当、ドレッシングにまでハラルフードの表記がされています。
視察の後は一緒にハラルフードを食べ、ムスリムの食文化に触れる事ができました。

岡山大学の学食内の売店の写真

岡山大学の学食内の売店

ドレッシングの写真

特注品ではなく市販されています

次に、中学生が高松中学校の一日の生活を英語でプレゼンテーションしました。
イスラム教の決まりにより肌を見せてはいけないムスリムの方は、日本のプールの授業の様子に驚かれていました。
その次にマレーシアの学校生活を紹介していただき、同じ学校、同じ教室に多民族、異なった宗教が混在している様子を見て、今度は生徒たちが驚いていました。
互いの文化の違いを知る事ができ、とても有意義な時間を過ごしました。

高松中学校の学校生活を紹介している様子

高松中学校の学校生活を紹介

マレーシアの学校生活を紹介している様子

マレーシアの学校生活を紹介

また、大学内のモスクという礼拝所の中も見学し、女子生徒は礼拝のために髪を隠す格好をしました。
ムスリムの方に、「日本で不便だと感じることはありますか?」と尋ねると、日本にはほとんど礼拝所がないことが一番困ると答えられていました。
日本で暮らす生徒たちは普段の生活の中で気付くことさえありませんが、ムスリムの方にとっては不便な部分があることを学びました。

モスクを訪問の様子

モスクを訪問

スリムの方と記念撮影の写真

スリムの方と記念撮影

※3 イスラム教の戒律に沿った食べ物。ハラルはアラビア語で「許された」などを意味し、豚肉や酒類を禁じている。

高松中学校の学生たちにインタビュー!

高松中学校の学生たち

ムスリムの方との交流の後、自分の心境に変化はありましたか?

「最初は、文化の違いがある人とどう接すればいいかと不安に思っていましたが、交流を深めるうちに、分かり合うことは簡単にできると感じました。断食をすると痩せますか?と聞いたら、断食後はパーティーをするから逆に太ってしまうという答えが返ってきて、思わず笑ってしまいました。」

ムスリムの方と交流をしたからこそ気付いた日本の良いところは?

「自由なところです。日本では、自分の好きなものを食べることも、好きな服を着ることもできます。それが当たり前だと思っていましたが、イスラム教はそれが制限されていることを知りました。」

他の生徒に伝えたいことはありますか?

「積極的に異文化に触れあってほしいです。日本の文化とは違うものを受け入れるのは最初は難しいかもしれないけど、先入観を持たずに、外国の方と交流をすれば、新しい世界が見えてきます。」

萬代 善隆 先生

萬代善隆先生の写真

私は生徒に新しいことを教える時、生徒たちが理解するには、直接見ることが必要だと考え、教育を行っています。
なぜなら、私自身が本当に相手を理解できたと感じるのは、本に書いてある文字を読んだ時ではなく、実際に会って話した時だからです。
そこで、生徒たちにも、相手と面と向かって話し合い、その表情、視線、言葉の強弱などから伝わる本当の気持ちを知ってほしいと考えました。
今回の異文化交流を企画するにあたり、生徒たちに予備知識があまりない方がより理解が深まると考え、生徒たちにはなじみが薄いであろう、ムスリムの方に会うことにしました。
知らないことを知り、理解していくことで、生徒たちの世界観もより広がります。
生徒たちは、異文化に触れて改めて感じた日本の良さを家族や友達に話しています。
このように、生徒たちの経験が周囲の人に伝わって、そこからまた広がっていくことも1つのESD活動だと考えています。

ESDマン

異文化交流をすることで、自国の文化の良さに改めて気づくこともできるんだね!