
[2026年4月1日]
ID:80967
令和7年度市民協働フォーラム「明日天気にな〜れ ~子どもの未来も晴れるかな~」を開催しました。
近年、子どもたちを取り巻く課題は多岐にわたり、貧困、虐待、孤立、教育格差、そしてSNSによる影響などがあげられます。今年度は子どもたちが安心して成長し、社会の一員として活躍できるようなまちづくりの実現に向けた取組を聞き、今回をきっかけとして自身に何ができるかを考えました。
■日時:令和7年12月13日(土曜日)13時30分から16時20分
■場所:能楽堂ホールtenjin9(岡山市北区天神町)
| プログラム | 登壇者など |
|---|---|
| 講演「こどもまんなか!地域で育む子育ての場」 | 中橋惠美子さん(認定特定非営利活動法人わははネット 理事長) |
| 第10回「おかやま協働のまちづくり賞」 表彰式 | ※受賞団体は以下よりご確認ください。 https://www.city.okayama.jp/kyoudou/0000076978.html |
| 大賞取組の発表 | 美咲美佐子さん(特定非営利活動法人岡山市子どもセンター) |
| ゲスト対談「子どもが育つ、未来が育つまちづくり」 | ゲスト:斉田季実治さん(気象予報士/気象キャスター) 聞き手:西田多江さん(フリーアナウンサー) |
| トークセッション「子育ての未来を支える地域のチカラ」 | 登壇者(五十音順) ・上野宏一郎さん(岡山ビューホテル) ・勝部菜月さん(特定非営利活動法人備前プレーパークの会/大学生) ・中橋惠美子さん(認定特定非営利活動法人わははネット) ゲスト:斉田季実治さん(気象予報士/気象キャスター) ファシリテーター:西田多江さん(フリーアナウンサー) |
当日の内容についてご紹介いたします。
1998年に育児サークル「わはは(輪母)ネット」を発足された中橋さん。自身も子どもを育てている一人として『わははネットは子育ての専門家や医師などの集まりではないけれど、自分は地域に暮らす人であって現役で子育てをしている当事者である。課題は現場にいる自分たちが一番よく知っている』という思いがありました。子育て中に感じた自分の困りごとは社会の困りごとと考え、次に子育てをする人に「困りごとの申し送り」をするのではなく、状況が少しでもよくなるようにと、自ら社会へ発信されてきたそうです。そんな中橋さんは、ある時仲間を集めて商店街に親子の居場所づくりを始めました。拠点ができると親子以外にも高齢者や中学生・高校生なども集まり多世代交流が生まれ、いつしか子育ての困りごとなどもみんなで共有できるようになりました。普段かかわる機会がない人たちが出会い、活動や困りごとを知ってもらうことで、活動の輪がどんどん広がっていく。そこが市民活動の魅力。子どもたち誰もが未来を描けるまちとは、子育てをしている人、子育ての支援をしている人が安心して暮らせるまちのこと。子どもや子育てに直接関わりがある人もない人も、全ての人が子どもの育ちに関わる大切さを知って欲しい、と話されました。
地域で子育ての場を育むことは誰もが安心して暮らせるまちづくりに繋がる。参加者それぞれの立場で、何ができるかを考えるきっかけとなりました。
特定非営利活動法人岡山市子どもセンター(取組名称:「プレーパークを通した子どもが豊かに育つまちづくり」)は2001年に法人格を取得、以来25年活動を続けています。自ら生きる力を育てる遊びの重要性、生きる力に繋がる実体験活動の重要性、子どもを取り巻く地域コミュニティの重要性について広く社会に発信し、子どもが豊かに育つ社会の実現を目指しています。おかやまプレーパークの特徴は、子どもが自身の「やってみたい!」に挑戦し失敗できる遊び場づくりです。遊び場づくりの専門職としてプレーリーダーが常駐しており、外遊びのヒントや自然と触れ合う機会を提供しています。取り組みを通じて、子どもの成長を、親だけでなく一緒に喜び合える仲間ができ、そのことが親子の孤立防止にもなっています。またプレーパークに参加していた子どもが大人になって企画・運営に携わり、今度は子どもを育てる大切な担い手として、子どもたちの気持ちに寄り添った支援者となり多方面で活躍しています。
今後プレーパーク事業において、子どもの遊びを保障するには、子どもを含むさまざまな人との協働が必要です。協働している個人・団体と共にさらに遊びの重要性を広げていけるように、プレーパーク事業が広がるようにネットワークを活用したいと発表されました。
他の応募団体の取り組みとして、子どもと地域住民をつなぐ活動、子どもが自ら考え行動する場づくり、家族と子どもと支援者が絆を深める居場所などがありました。大賞を受賞した岡山市子どもセンターをはじめ、いずれの団体も、さまざまな大人が多様な場面を通じて子どもと一緒に未来を築いていこうとする、その熱意と成果が感じられる取り組みでした。

気象予報士/気象キャスターとして活躍中の斉田季実治さんをゲストに、聞き手には1男1女を育てる親の一人でもあるフリーアナウンサーの西田多江さんをお迎えし、対談を行いました。
子どもの頃から日本中の様々なまちに住んでおられた斉田さんは、地域による天気の違いに興味を持ったことが気象予報士になるきっかけだったそうです。水産学部に所属していた大学時代に天気の重要性を感じて、大学3年生の時に資格を取得。当時気象予報士はまだ珍しく、新聞社が取材に来られたそうです。
結婚後、熊本県で1人目の子どもが生まれた頃、斉田さんは仕事の拠点を東京に移し熊本と東京の二重生活を送られるようになりました。月1から2回は熊本県に住む家族のもとへ帰省していましたが、二重生活はどうしても子育ての負担が一方に加わり、ネガティブなことと捉えられがちです。しかし奥様はポジティブに捉え子どもにもそう伝えられていたとのこと。現在は東京に家族全員が拠点を移していますが、一時離れて暮らした経験があったからこそ、今一緒に暮らしている大切さを実感されているそうです。斉田さんが決められているルールとして、必ず朝食は家族全員で取ることです。1日1回は子どもと関わり、休日は銭湯へ出かけたり相談事は一緒に考えるなどコミュニケーションを工夫されています。
最後に、子どもたちが安心して未来を描けるまちづくりについてお尋ねしたところ、地元の町内会に関わることで、自分が暮らしている地域がどのような状況なのかより関心を持つようになってきたというご経験を教えていただきました。親が地域を知り、近所とつながりをもつことで、災害を含めいざという時のために子どもたちを守れる、そういった地域づくり・まちづくりが大切ではないかと話されました。

トークセッションはゲストの斉田さんと進行役の西田さんに加え、子どもに関わる取組をされている3名の方に登壇いただきました。
上野さんは岡山市内で41年目の老舗のホテルの代表として、「子どもたちの未来を支える思いやりの循環(OMOIYARI LOOP)~岡山ビューホテルが実践する協働まちづくり~」という取組名で子ども食堂の開催やひとり親の家庭支援などを実施し、「第10回おかやま協働のまちづくり賞」で入賞を受賞されました。イベント開催にあたっては、ホテルという企業である以上利益を削って開催することは持続可能ではないと考え、他企業やハンディキャップアーティストとの協働による自社オリジナル製品の販売売上や、連泊のお客様が多いという特色を生かし清掃不要の意思表示やマイ歯ブラシの持参の協力を呼びかけコスト削減を図り、そこから得られた資金を活動費に充てられています。
上野さんの今後の活動は、コロナが緩和された今、宿泊に来てくれる子どもたちに還元できるような教育的な取組みや、ボランティア活動に参加してくれる若者が大学生に留まらず、中学生・高校生と年齢の幅を広げていけるよう活動したいと話されていました。
勝部さんはご自身も中学生の頃までおかやまプレーパークに参加されていました。コロナ禍を機に、外出を控えざるを得ない環境になり、全国のプレーパークも相次いで中止になっている状況を知った時、プレーパークは当たり前にある居場所ではなかったことに気付いたと言います。当たり前ではなかった環境づくりに自身も携わりたいと思ったことが、プレーリーダーとしてプレーパーク活動にかかわるきっかけとなったそうです。
また勝部さんはプレーパークを学びにドイツに留学されました。日本と比較すると、ドイツはプレーパークと併せて子どもの芸術活動や社会教育も盛んで、国の考え方の違いに刺激を受けたそうです。今は遊びのづくりの専門家としてその時の学びも生かし、子どもを守り色んな人と関わりながら遊びを体験できるよう工夫をされているそうです。
今後はさまざまな社会活動をしている大学生を集めて場づくりや教育を考える機会をつくりたいこと、プレーパークを実施できない地域などへは出張プレーパークをやってみたいとお話いただきました。
斉田さんは、プレーパーク発祥の地でもあるデンマークの研究をされていた影響もあり、ご自身の子どもたちを小さい頃からプレーパークに連れていかれていました。子どもたちが木を登ったり、金槌やのこぎりを使ったり、一見危ないかなと思うけど、自然の中で手を動かす、体験することは非常に大切だと考えておられるそうです。斉田さんご自身はキャンプのご経験があり、キャンプができないことは災害時の一時的な避難生活を困難な状況にさせる可能性もあると感じておられるそうです。自然の中での様々な体験活動を通じて「できないことができるようになる」。プレーパークは、そのような力を獲得できるよい場だと話されました。
中橋さんからは、みなさんの話を受けてお話をいただきました。
上野さんの取り組みからは、地域のために活動している企業は利益を出そうと活動をしているわけではないと理解できる。まちの人は、全く同じ商品を買ったりサービスを受ける時には、「この企業・団体は、まちづくりの促進や未来を担う子どもたちのための活動、環境に取り組んでいるところだから、この企業・団体を選ぼう」というように、意識が変わっていくことが必要だと述べられました。
また勝部さんの話からは、少子化に伴い、なりたい大人のロールモデルが学校の先生または自分の親しかいない子どもたちが非常に多くなっている状況、ふれあう大人の量と質が狭まっているという課題について言及されました。子どもたちにとって、大学生は憧れのお兄さんお姉さんでどんなことをしているのかじっくり観察をしている。大学生も子どもの親や団体の人と関わる機会が増えることで自身のキャリア形成につながる。だからこそ、この循環をぜひ続けて欲しいとエールを送られました。
最後は斉田さんから参加者の皆さんへということで、プレーパークにしても災害発生時の避難所でも、スタッフ・利用者と区別をつけるのではなく、みんなが当事者意識を持って行動しないと、組織は運営できない。普段から地域に溶け込むことは大事。失敗をしても、たとえ小さな経験でも積み重ねていくことが大切ですねというメッセージで締めくくられました。

参加者アンケートよりフォーラムへの感想を一部、ご紹介いたします。
今後も様々なテーマでこれからの岡山のまちづくりについて皆さんと考える機会をつくっていけたらと思います。
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