概況
岡山市下水道事業は、汚水処理と雨水対策を基本的な役割とし、市民の環境衛生の向上及び都市の健全な発達に寄与し、あわせて公共用水域の水質の保全に資することを目的に設置されております。本市の下水道事業のうち汚水処理施設整備としては、人口集中区域などを重点的に汚水管を布設する工事などの整備を行なっております。その結果、市全体の人口のうちどれくらいの人が下水道を利用できるようになったかを示す人口普及率は昨年度と比べ1.6ポイント上がり61.7%となりました。また、雨水対策では、浸水対策として平成19年度から行っていた瀬戸雨水ポンプ場の工事が完了し今後の被害の軽減が期待されます。また、下水道の整備・経営状況などをより的確に把握・分析し、事業経営を効率的にかつ効果的に進めるため、平成22年度から下水道事業に企業会計を導入(地方公営企業法の財務規定等を適用)しました。今後人口の減少や高齢社会の到来などにより下水道事業を取り巻く経営環境はますます厳しくなることが予想されますが、より一層健全で安定した経営の実現を目指していきます。以下のグラフは下水道事業の決算状況を性質別に示したものです。
二つの円グラフは、管理運営に係る取引(損益取引)を示す収益的収支と建設改良費等に係る取引(資本取引)を示す資本的収支について、それぞれ収入と支出の決算状況を表しています。
平成22年度岡山市下水道事業決算報告書
収益的収支決算状況
収益的収入一覧表 収益的収入 | 単位:千円(税込) |
第1款 下水道事業収益 | 17,215,679 |
第1項 営業収益 | 11,626,582 |
第2項 営業外収益 | 5,587,993 |
第3項 特別利益 | 1,104 |
収益的支出一覧表 収益的支出 | 単位:千円(税込) |
第1款 下水道事業費 | 17,128,057 |
第1項 営業費用 | 11,049,674 |
第2項 営業外費用 | 6,055,630 |
第3項 特別損失 | 22,754 |
資本的収支決算状況
資本的収入一覧表 資本的収入 | 単位:千円(税込) |
第1款 資本的収入 | 16,451,509 |
第1項 企業債 | 9,722,526 |
第2項 他会計出資金 | 1,532,281 |
第3項 他会計負担金 | 2,300,515 |
第4項 国庫(県)補助金 | 2,260,500 |
第5項 負担金等 | 625,679 |
第6項 その他資本的収入 | 9,851 |
第7項 固定資産売却代金 | 156 |
資本的支出一覧表 資本的支出 | 単位:千円(税込) |
第1款 資本的支出 | 23,011,105 |
第1項 建築改良費 | 8,031,228 |
第2項 企業債償還金 | 14,748,971 |
第3項 投資 | 217,950 |
第4項 返還金 | 12,956 |
資本的収入額が資本的支出額に対して不足する額(翌年度へ繰り越される支出の財源に充当する額 176,131千円を除く)のうち6,735,728千円は損益勘定留保資金などで補てんしました。
備考
(注)上記表中、実績額を千円未満で四捨五入している都合上、”款”と"項の合計”が一致しない場合があります。
平成22年度 損益計算書(平成22年4月1日から平成23年3月31日まで)
営業損益
営業収益 項目 | 単位:円(税抜) |
下水道使用料 | 9,399,009,571 |
他会計負担金 | 1,722,086,735 |
その他営業収益 | 31,097,301 |
営業収益計 | 11,152,193,607 |
営業費用 項目 | 単位:円(税抜) |
管きょ費 | 298,875,794 |
ポンプ場費 | 326,102,867 |
処理場費 | 818,084,505 |
水洗便所普及事業費 | 30,651,481 |
農業集落排水事業費 | 171,116,812 |
業務費 | 451,472,374 |
総係費 | 6,652,973 |
給与費 | 620,245,716 |
減価償却費 | 6,439,555,625 |
資産減耗費 | 63,576,644 |
流域下水道維持管理費負担金 | 1,570,247,711 |
その他営業費用 | 73,729,798 |
営業費用計 | 10,870,312,300 |
営業利益項目 | 単位:円(税抜) |
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営業収益計 | 11,152,193,607 |
営業費用計 | 10,870,312,300 |
営業利益 | 281,881,307 |
営業外損益
営業外収益 項目 | 単位:円(税抜) |
受取利息及び配当金 | 285,378 |
国庫(県)補助金 | 200,000 |
他会計負担金 | 4,357,607,926 |
他会計補助金 | 1,212,103,624 |
その他営業外収益 | 17,005,990 |
営業外収益計 | 5,587,202,918 |
営業外費用 項目 | 単位:円(税抜) |
支払利息及び企業債取扱諸費 | 5,821,943,388 |
その他営業外費用 | 25,588,415 |
営業外費用計 | 5,847,531,803 |
経常利益項目 | 単位:円(税抜) |
---|
営業利益 | 281,881,307 |
営業外収益計 | 5,587,202,918 |
営業外費用計 | 5,847,531,803 |
経常利益 | 21,552,422 |
特別損益
特別利益 項目 | 単位:円(税抜) |
固定資産売却益 | 1,103,501 |
特別利益計 | 1,103,501 |
特別損失 項目 | 単位:円(税抜) |
過年度損益修正損 | 18,006,396 |
その他特別損失 | 4,649,527 |
特別損失計 | 22,655,923 |
当年度純利益
純利益項目 | 単位:円(税抜) |
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経常利益 | 21,552,422 |
特別利益計 | 1,103,501 |
特別損失計 | 22,655,923 |
当年度純利益 | 0 |
用語説明
- 管きょ費
管きょ施設の維持管理に要した経費 - ポンプ場費
汚水及び雨水ポンプ場施設の維持管理に要した経費 - 処理場費
浄化センターの維持管理に要した経費 - 水洗便所普及事業費
水洗便所の普及促進等に要した経費 - 農業集落排水事業費
農業集落排水処理施設の維持管理に要した経費 - 業務費
下水道使用料の賦課徴収事務等に要した経費 - 総係費
その他の事務経費 - 給与費
損益勘定職員の給与、手当、法定福利費等 - 減価償却費
固定資産の価値の減少を耐用年数により費用化した経費 - 資産減耗費
固定資産の除却等に伴う経費 - 流域下水道維持管理費負担金
岡山県が行う児島湖流域下水道事業の維持管理に要した経費に対する負担金
平成22年度 貸借対照表(平成23年3月31日現在)
資産 資産名 | 単位:円 |
固定資産 有形固定資産 | 375,976,609,847 |
固定資産 無形固定資産 | 7,381,402,616 |
固定資産 投資 | 343,026,500 |
流動資産 現金預金 | 1,028,968,701 |
流動資産 未収金 | 2,296,354,753 |
流動資産 前払費用 | 55,273 |
合計 | 387,026,417,690 |
負債及び資本 負債及び資本名 | 単位:円 |
固定負債 企業債 | 29,209,281,803 |
流動負債 未払金 | 2,845,372,655 |
流動負債 未払費用 | 6,204,796 |
流動負債 預り金 | 61,195,944 |
資本金 自己資本金 | 3,045,142,431 |
資本金 借入資本金 | 220,420,370,102 |
剰余金 資本剰余金 | 131,438,849,959 |
合計 | 387,026,417,690 |
用語説明
- 前払費用
保険料等の契約に基づき継続的に役務の提供を受けるため支出した経費のうち、まだ提供を受けていない役務に対する経費 - 未払費用
契約に基づき継続的に役務の提供を受ける場合に、既に提供された役務に対してまだ支払っていない債務 - 借入資本金
建設または改良等の目的のため発行した企業債 - 預り金
短期間で返済すべき一時的に預かっている金銭等の債務
平成22年度 業務量
公共下水道事業事項 | 平成22年度 | 平成21年度 | 比較(増減) | 対前年度比 |
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処理区域面積 | 7,016.8ha | 6,863.8ha | 153ha | 102.2% |
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行政区域内人口 | 689,538人 | 688,996人 | 542人 | 100.1% |
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処理区域内人口 | 425,364人 | 414,394人 | 10,970人 | 102.6% |
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処理人口普及率 | 61.7% | 60.1% | 1.6ポイント | - |
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水洗便所設置済人口 | 354,201人 | 342,908人 | 11,293人 | 103.3% |
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水洗化率 | 83.3% | 82.7% | 0.6ポイント | - |
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処理区域内戸数 | 129,625戸 | 125,762戸 | 3,863戸 | 103.1% |
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年間汚水処理水量 | 55,569,184? | 56,909,643? | ▲1,340,459? | 97.6% |
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年間有収水量 | 48,226,855? | 47,205,207? | 1,021,648? | 102.2% |
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(注)公共下水道事業は、特定環境保全公共下水道事業を含みます。
農業集落排水事業事項 | 平成22年度 | 平成21年度 | 比較(増減) | 対前年度比 |
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処理区域面積 | 212.9ha | 212.9ha | 0.0ha | 100.0% |
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行政区域内人口 | 689,538人 | 688,996人 | 542人 | 100.1% |
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処理区域内人口 | 8,093人 | 8,220人 | ▲127人 | 98.5% |
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処理人口普及率 | 1.2% | 1.2% | 0.0ポイント | - |
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水洗便所設置済人口 | 7,409人 | 7,462人 | ▲53人 | 99.3% |
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水洗化率 | 91.5% | 90.8% | 0.7ポイント | - |
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処理区域内戸数 | 2,826戸 | 2,794戸 | 32戸 | 101.1% |
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年間汚水処理水量 | 727,963? | 722,162? | 5,801? | 100.8% |
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年間有収水量 | 712,367? | 702,083? | 10,284? | 101.5% |
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用語説明
- 処理区域面積
下水道が整備されている区域の面積を示します。 - 行政区域内人口
市の人口を示します。 - 処理区域内人口
下水道が整備されている区域の人口を示します。 - 処理人口普及率
市の人口のうち下水道が利用可能な区域の人口の割合で、市の人口のうちどれくらいの人が下水道を利用することができるかを示します。 - 水洗化率
下水道を利用することができる人口のうち、下水道への接続工事を行って実際に下水道を利用している人口の割合で、整備された下水道の利用状況を示します。 - 処理区域内戸数
下水道が整備されている区域内の戸数を示します。 - 年間有収水量
下水道使用料の徴収対象となった水量を示します。
(注)用語説明中”人口”とは住民基本台帳人口を示します。