
第41回坪田譲治文学賞受賞作
『ユニコーンレターストーリー』(発行:ホーム社/発売:集英社)
北澤平祐著
令和8年1月30日発表
令和6年9月1日から令和7年8月31日までの1年間(※)に全国で刊行された小説、児童文学等の中から、小説家・児童文学者等から推薦された157作品について、「大人も子どもも共有できる世界を描いたすぐれた作品」という観点で、予備選考会を経て候補作5作品を選定。
これを、令和8年1月13日(火曜日)開催の第41回坪田譲治文学賞選考委員会で慎重に審査した結果、北澤 平祐著『ユニコーンレターストーリー』が選ばれた。
選考委員は、五木寛之、西本鶏介、森詠、川村湊、阿川佐和子、中脇初枝、森絵都の7名。
※選考の基準日は9月1日(岡山市文学賞条例施行規則第2条)

北澤平祐
イラストレーター。アメリカに 16 年間暮らし、帰国後イラストレーターとしての活動を開始。書籍装画、広告、商品パッケージなど幅広い分野でイラストを手がける。著書に『ぼくとねこのすれちがい日記』等。
『ユニコーンレターストーリー』は、絵が文をなぞるのではなく、絵と文があくまでも対等に、絡み合う形で物語を紡いでいる少し変わった作品です。さらに、往復書簡小説でもあります。個人的には往復書簡絵小説などと呼んでいましたが、はたしてこの作品が小説なのか、絵本なのか、多くの書店員さんたちを悩ませてきたことと思います。そんな中、懐の深い坪田譲治文学賞が今回、文学作品であると定義して下さったおかげで、今後は胸を張ってこれは小説です、文学作品です、と言えるようになりました。深く感謝しております、ありがとうございました。
幼なじみのハルカとミチオ。10歳でミチオがアメリカへ引っ越し、湘南とカリフォルニアに暮らすふたりの文通がはじまった。日米の学校や文化の違い、部活やバンド活動のこと、将来への迷い、友人や家族との問題。1990年代~2000年代の社会の変化を背景に、手紙だからこそ伝えられる様々な思いを共有しながら、ふたりは成長していく。やがて高校生になったふたりは、あるプロジェクトに挑戦することに……。そして明かされる、タイトルの「ユニコーン」に込められた意味とは? ことばはやさしい嘘をつき、絵は真実を語る。イラストと手紙文が交錯しながら展開する、かつてない青春小説。
幼なじみ同士の往復書簡で編まれた『ユニコーンレターストーリー』は、新しい表現スタイルで普遍的な若者の心を炙りだすのに成功した好例と言える。全頁を彩るイラストは遊び心と工夫に満ち、時に変化するコミュニケーションツールも良いスパイスとなっている。とりわけ、手紙を交わす二人が真摯に互いを思いやる姿勢、また終盤に於ける関係性のうねりや意外な結末などが高く評価され、第四十一回坪田譲治文学賞に選ばれた。
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