令和6年度補正予算案並びに関係諸議案のご審議をお願いするに当たり,その大要と市政の動向等について申し上げ,市民並びに市議会の皆様方にご理解とご協力を賜りたいと存じます。
秋には,おかやまマラソンやおかやまアーツフェスティバルをはじめ様々なイベントが開催され,まちが多くの方々でにぎわいました。たくさんの市民の皆様に秋の日を楽しんでいただいたことを,大変うれしく思います。
私も多くのイベントに出席する中で,若者の意見を聞いて市政に生かすため,先月22日に岡山学芸館高校,今月7日には興陽高校の生徒の皆さんと,「若者から見た魅力的なまちづくり」をテーマとして,大盛トークを行いました。コンパクトシティ,災害対策,地域公共交通,女性の活躍,農業の未来などに関する意見交換の中で,それぞれ頼もしい意見を伺い,一緒になって岡山の未来を創っていかなければならないと,強く感じたところです。
日本銀行岡山支店が今月7日に発表した岡山県金融経済月報によると,県内景気は,一部に弱めの動きがみられるが,緩やかな回復を続け,個人消費は物価上昇等の影響を受けて,増加ペースが鈍化し,設備投資は増加しているとされています。また,岡山市の生鮮食品を除く総合消費者物価指数は,前年同月比2.4%増となっており,物価水準は高止まりの状況が続いています。
岡山市は,今月22日に閣議決定された国の経済対策に呼応し,物価高の影響を特に大きく受けている生活者の方や事業者の方をしっかり支えるという観点から,必要とされる施策の検討を進めてまいります。
今年の夏,パリで開催されたオリンピック・パラリンピックにおける岡山ゆかりの選手たちの活躍は,今もなお,市民・県民の皆様の記憶に鮮明に残っていることと思います。
特に,体操競技で同一大会に金メダル3個と銅メダル1個を獲得した岡慎之助選手の活躍は,これまでの岡山市の表彰制度の枠を超えた歴史的偉業でございました。そこで,広く市民に希望と誇りを与えた方を表彰するため,「岡山市市民栄誉賞」を創設する条例の制定を前議会にてお諮りし,議決いただきました。そして,その第1号として,来月8日に,岡選手にこれを授与することといたしました。この度の市民栄誉賞の創設を機に,今後,様々な分野で,市全体でたたえるべき素晴らしい功績を残すような方が出てくることを期待しております。
また,岡選手やパラリンピックの陸上競技で銀メダルと銅メダルを獲得した佐藤友祈選手をはじめとする岡山ゆかりの選手の皆様の活躍をたたえるため,同じ日の午後に,ハレまち通りや下石井公園を舞台として,パレードを実施いたします。選手と市民・県民の皆様が喜びを分かち合い,笑顔があふれる素晴らしいパレードとなるよう,実行委員会の皆様とともに準備を進めてまいります。
整備に向けて検討を進めているアリーナについては,現在,アンケート調査を実施しており,1万2千件を超える回答をいただいております。アンケート調査の中間まとめによると,アリーナ整備に期待すると回答された方が6割を超えており,大規模コンサートの開催など,アリーナ整備への関心と期待の高まりを感じているところです。
また,追加調査を行っているアリーナの規模については,アリーナ整備検討会議において,独立採算を実現するために最適であることから,収容人員は最大1万人程度とし,コンサート利用時は7,000席から8,000席程度とすることが適当,ということになりました。
引き続き,経済界とともに,今までの岡山になかった,観客が主役となる「魅せるアリーナ」の整備を進め,岡山を目的地として訪れる方を増やし,地域経済を活性化させるとともに,市民・県民の皆様の岡山への誇りと愛着を育んでまいります。
産業振興については,地域経済の活性化を目指し,「市内の企業の成長の支援」,「新たな事業を生み出す支援」,そして「外から企業を呼び込む支援」を進めてまいりました。
市内の既存企業による新規事業の創出を支援することにより,さらなる地域経済の活性化を図るため,先月30日から,専門家によって新規事業の伴走支援を行う事業等を開始いたしました。
また,企業用地の確保が課題となる中,経済団体からの要望を踏まえ,産業団地周辺における工場,物流施設等の立地を可能にするため,今月1日から,産業団地周辺の市街化調整区域における開発許可の要件を緩和する制度を実施しております。
新たな支援事業と開発許可要件の緩和をしっかりPRし,市内の企業の成長を積極的に支援してまいります。
子ども・子育てについては,長年に渡って市の最重要課題のひとつであった保育園等の待機児童は解消しており,引き続き,小学校入学後も保護者の皆様が安心して働くことができるよう,放課後児童クラブの受け皿拡大の取組を推進しております。
市立と運営委員会による児童クラブ施設の整備については,当初予算に基づき4か所の整備を着実に進めており,来年4月までの供用開始を目指しております。また,民間事業者による児童クラブについても,今年度当初予算に計上し,9月補正予算で大幅に拡充した民間事業者の新規参入支援により,ニーズの増加が見込まれている学区において開設を進めており,すでに開設した児童クラブを含め,来年4月には8つの施設が新たに受け皿となります。
令和9年度での待機児童ゼロを目指し,受け皿拡大を強力に進めてまいります。
国際交流については,今月3日から5日まで,友好交流都市の韓国・富川市から市長をはじめとする訪問団の訪問を受け,岡山市・富川市友好都市議員連盟の皆様や民間交流団体の皆様のご協力による,両市の長年にわたる交流を記念して,「友好の碑」を北長瀬未来ふれあい総合公園に建てるとともに,両市の市民が相手都市を訪れた際に観光施設等を割引料金で利用できる制度について合意いたしました。これを機に,市民同士の交流をより一層深め,友好の輪を広げてまいります。
また,OECD本部チャンピオン・メイヤーズ事務局から依頼を受け,来年1月に,インドネシア・ジャカルタで開催される「サスティナブルな住宅・建築・都市政策セミナー」において,「岡山市の先駆的なESDの取組とSDGs達成につながる都市の成長とまちづくり」について講演を行います。インドネシアの都市政策に寄与するとともに,岡山市の先進的な施策を国際的にPRしてまいりたいと考えております。
それでは,甲第180号議案から甲第182号議案までの補正予算の概要について申し上げます。
補正額は,一般会計で3億8千8百万円の増額で,建築資材の高騰等に伴う新庁舎整備事業の追加経費となっております。
また,建築資材の高騰等に伴う債務負担行為の変更及び工事の施工時期の平準化を図るための債務負担行為の設定等を編成したものです。
続きまして,その他の議案の主なものについて申し上げます。
甲第184号議案は,本市が各区役所に設置する端末機により証明書等を交付する場合の手数料の額を定める等のものです。
甲第193号議案から甲第195号議案までは,建部町文化センター等の施設について指定管理者の指定を行うものです。
甲第213号議案は岡山市立御野幼稚園園舎改築工事について,甲第214号議案は岡山市立幡多幼稚園幼保一体化整備工事について,それぞれ請負契約を締結するものです。
以上で提案理由の説明を終わります。
よろしくご審議の上,議決を賜りますようお願い申し上げます。
ただいま上程になりました報告についてご説明申し上げます。
報第53号から報第56号まではリース公用車の事故について,報第57号は市有施設の管理瑕疵による事故について,それぞれ相手方と和解し,賠償額を決定したものです。
報第58号は,市営住宅の家賃滞納等について,相手方と民事訴訟法第275条の規定による和解をすることを決定したものです。
報第59号は,母子修学資金等の返済債務について,訴訟手続により債務の履行を請求することを決定したものです。
報第60号は,岡山市国民保護計画を変更したものです。
なにとぞよろしくお願いいたします。
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