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令和6年6月提案理由

[2024年6月10日]

ID:61710

令和6年6月定例市議会に提出した議案に対する市長提案理由説明要旨

 令和6年度補正予算案並びに関係諸議案のご審議をお願いするに当たり,その大要と市政の動向等について申し上げ,市民並びに市議会の皆様方にご理解とご協力を賜りたいと存じます。

はじめに

 日本銀行岡山支店が先月に発表した岡山県金融経済月報によると,県内景気は緩やかな回復を続けており,個人消費は,物価上昇の影響を受けつつも,サービス分野を中心に増加しています。

 市内の経済も,順調に推移しております。長期的なデータを申し上げますと,比較可能な平成23年度と令和2年度の実質市内総生産を比較した場合の伸び率は,プラス3.9%であり,政令指定都市の中で4位となっております。また,平成28年度から令和3年度までの事業所数の伸び率は,全国がマイナス3.5%と減少する中,岡山市はプラス2.8%と増加しています。さらに,令和5年度の企業誘致による投資額の実績は,294億6千万円であり,平成25年度以降で最高額となっています。

 本市の様々な積極的な取組と市民の皆様,事業者の皆様の活発な活動があいまって,まちの好循環が生まれております。

 このような流れを確実なものとするために,まちづくりや地域の振興,子育て環境の充実,公共交通ネットワークの維持・拡充等の重要施策を,着実にステップアップさせてまいります。

岡山県建設事業費市町村負担金

 次に,都市公園事業に係る岡山県建設事業費市町村負担金について申し上げます。

 当該負担金については,常に50%という他の都道府県とかけ離れて高い負担率を適用されていること,また,維持管理的要素の強い事業の費用についても負担を求められていることにおいて,大きな問題がございます。

 そのため,令和3年11月に県に対して協議を申し入れ,令和4年12月に県との間で,「令和5年度分以降の支払は,協議の結論に基づき行う。」との合意をいたしました。しかしながら,協議の結論を得られないまま,当該合意に反して,今年の3月に,令和5年度分の負担金の請求が行われました。協議の間の延滞金の免除の要請も県に拒絶されたことから,無用な市民負担の発生を防止するため,不本意ながら,4月に一旦負担金を支払ったところです。

 私としては,ここに至るまでの経緯における一番の問題点は,我々市当局が主張を伝えても,県当局から真摯な回答がなく,実質的な議論を行うことができていない,ということにあると考えております。

 具体的に申しますと,他の都道府県の状況を調査した上での,それを踏まえての本市の指摘に対しても,県からは通り一遍の回答しかなく,議論を深める形になっていません。議論を進めようと考えての,何度にもわたる私から知事に対する直接の会談の申し入れも,拒絶され続けております。また,知事は,まず事務方で協議を行うべきと言いつつ,記者会見で一方的に自らの考えを述べられます。そのため,我々は,協議を前に進めることができず,やむを得ず訴訟を提起することを検討しておりました。

 そうしたところ,この度,市議会の皆様が,会派ごとにそれぞれ県議会の対応する会派の皆様と,負担金の問題について協議を行っていただくことになりました。既に,先週までにそれぞれの会派において,協議を開始いただいたところです。

 この問題は,本来は,我々市当局が執行機関として,責任を持って県当局と協議すべき問題ですが,実質的な協議を行えない以上,当局間では進展が望めない状況となっております。そのような状況下において,市議会及び県議会の各会派の皆様が,この問題についての協議を行っていただいていることについては,心より感謝を申し上げます。

 本件については,訴訟による解決も検討しておりましたが,市議会の各会派の皆様,そして県の条例の制定権及び予算の議決権を持つ県議会の各会派の皆様が,負担金の問題について協議を行われていること,また,本来地方公共団体間の訴訟はできる限り回避すべきであることを踏まえ,これを行わないことと考えております。

 なお,我々としても,県当局との協議を前に進める努力を続けてまいりたいと考えております。

 次に,個別の施策についてご説明いたします。

新アリーナ整備

 まず,新アリーナ整備について申し上げます。

 新アリーナは,市民・県民の皆様,とりわけ若い世代の皆様に,ともに感動を分かち合い,岡山への愛着や誇りを育んでいただく場所として,必要なものだという認識に至りました。本市としては,経済界とともに,「岡山の未来を創り出すアリーナ」の整備を,進めてまいりたいと考えております。

 バレーボールやバスケットボールのトップリーグが将来的に求めている施設基準を充足する施設は,現在の岡山にはありませんが,新アリーナ整備により,岡山のプロスポーツの灯を消すことなく,今以上の盛り上がりにつながるものと考えております。また,アマチュアスポーツ関係の方々からは,現在の岡山には交通の利便性と大会開催に必要なキャパシティを有する施設がジップアリーナ岡山しかなく,全国大会等の会場確保に苦慮しているが,新アリーナ整備により,会場に余裕が生まれ,そのようなニーズに対応することができる,との声をお聞きしております。

 近年,全国的に「観るスポーツ」に力点をおいた新しいビジネスモデルへの関心が高まっており,その実現に不可欠な施設であるアリーナの整備事業が,全国各地で着々と進んでいます。そのような中,中四国の拠点都市であり,かつ,優れた広域交通の結節点でもある本市は,特に新アリーナ整備における優位性が認められるところです。

 経済界からは,新アリーナ整備を市とともに進めたい,との要望をいただくとともに,「公設民営」の前提のもと,スポーツだけでなくコンサートなどにも利用できるように,座席数を増やして収益性を高める取組や,DXを具体化させる仕組みの検討を行いたい,との提案がありました。

 以上のことから,新アリーナの整備を,経済界とともに行ってまいりたいと考えたものでございます。

 新アリーナ整備を前に進めるに当たり,経済界からの提案を踏まえ,座席数を含めた最適な施設・整備に関する追加調査を行いたいと考えております。今回お諮りしている補正予算案では,当該追加調査に係る費用を計上しております。

新たな経済に向けた給付金・定額減税一体措置

 次に,新たな経済に向けた給付金・定額減税一体措置について申し上げます。

 物価の上昇が続く中で,国民の皆様の可処分所得を直接的に下支えするため,今月以降に,所得税・個人住民税の定額減税が実施されます。

 また,物価高に大きく影響を受けている,令和6年度に新たに住民税非課税世帯又は住民税均等割のみ課税世帯となった世帯には,1世帯当たり10万円及び子育て世帯加算給付金として児童1人当たり5万円を給付するとともに,定額減税が十分に受けられない方には,補足給付金を給付することとされており,本市としては,円滑かつ迅速な給付に努めてまいります。

公共交通ネットワークの充実

 公共交通ネットワークの維持・充実については,今年の3月に地域公共交通利便増進実施計画を策定し,4月に国土交通大臣の認定を得たところです。

 実施計画においては,バス路線を需要に応じて幹線と支線に分割した上で,支線のバスを小型化するとともに,重複路線を集約することにより余力を生み出し,その余力で路線を新設・延伸・増便いたします。需要の小さい支線については,公設民営方式の導入と運行支援により,持続可能なものといたします。併せて,乗継拠点の整備や分かりやすい運行情報の提供等により,公共交通ネットワークを,誰もが利用しやすいものとしてまいります。

 この取組は,従来の公共交通ネットワークのシステムを大きく変える,他の都市でも前例のない,大いなる挑戦でございます。支線の運行は,令和7年度後半から令和9年度にかけて,順次開始することを目指しており,市民の皆様,そして事業者の皆様とともに一体となって進め,改善を繰り返しながら,市民の皆様の移動手段を確保してまいります。

 今回お諮りしている補正予算案では,新たに公共交通が対象事業に加えられた社会資本整備総合交付金制度を活用し,乗継環境等の整備計画の作成,支線用の小型バスの調達,乗継割引のためのICカードシステム改修に必要な費用を計上しております。

まちを楽しむ

 まちづくりについては,「まちを楽しむ。」ということをテーマに,居心地がよく,歩いて楽しいまちづくりを進めてまいりました。令和の大改修を行った岡山城は,令和5年度の1年間で,133億円の経済波及効果を生み出しました。また,令和4年3月に完成したハレまち通りの一車線化による歩道拡幅により,休日の歩行者通行量は1.4倍になり,沿道には27の新しい店舗が出店しています。

 今年3月には,下石井公園の天然芝生化が完了し,リニューアルオープンイベントの際には,親子連れなどの大勢の利用者で大変賑わいました。

 本市のかけがえのない資源である岡山城西の丸周辺については,「歴史を感じる憩いの広場」をコンセプトに,芝生広場等の整備を行ってまいります。

歴史と観光の融合

 観光振興については,この度,県内の市町村に「戦国宇喜多家の大河ドラマ誘致を応援する自治体の会」への参加を呼びかけたところ,その趣旨にご賛同いただき,県内の全市町村にご加入いただきました。県内市町村の皆様に,深く感謝申し上げます。今後は,「戦国宇喜多家を顕彰する会」を中心に,県内市町村の応援をいただきながら,大河ドラマの誘致活動を行うことにより,地元への誇りと愛着の醸成を図るとともに,地域の活性化に繋げてまいります。

子ども・子育て

 子ども・子育てについては,ピーク時の平成29年4月に849名だった保育園等の待機児童を,令和4年4月にほぼ解消し,今年4月にはゼロとすることができました。ご協力いただいた事業者の皆様や地域の皆様に,改めて感謝申し上げます。

 今後の取組については,医療的ケア児及び障害児の受入れを拡充してまいります。また,認可施設を希望しながら入所できず,やむを得ず認可外施設を利用している方については,認可施設において,不足している低年齢の定員を増やすとともに,認可外施設において,安心して子どもを預けていただくための環境の整備を進めてまいります。

 また,保護者の方が仕事をしていない場合でも,時間単位で保育園等を利用できる「こども誰でも通園制度」の試行的事業については,明日から施設の利用予約の受付を開始いたします。令和8年度からの本格実施を見据え,運営上の課題を抽出するとともに,制度に対する市民の皆様の理解の促進を図ってまいります。

国際交流

 国際友好交流都市との交流については,中国・洛陽市から第41回中国洛陽牡丹文化祭りへの招聘を受け,4月16日から19日まで,林副市長をはじめとし,友好都市議員連盟の皆様を含め総勢9名で訪問し,両市の友好交流を深めてまいりました。

 ベトナム・ロンアン省については,4月25日から28日まで,私を含め,友好議員連盟の皆様,商工会議所の皆様をあわせて,総勢30名で訪問し,昨年12月に署名した「相互交流に関する共同声明」に基づき,主に産業・労働分野に関する相互交流について,意見を交換いたしました。

 洛陽市の皆様,ロンアン省の皆様ともに,心を込めて歓迎していただき,大変感謝しております。

令和6年度6月補正予算の概要

 それでは,甲第101号議案の令和6年度一般会計の補正予算の概要について申し上げます。

 補正額は,一般会計で91億2,100万円余の増額となっております。補正に要する一般財源については,令和5年度決算により生ずる見込みの剰余金で対応します。

 主な内容としましては,住民税非課税化世帯等・子育て世帯加算給付金事業,定額減税補足給付金事業,新型コロナワクチン定期接種事業,地域公共交通利便増進事業,多目的屋内施設(アリーナ)の整備に係る追加調査事業を行うものです。

その他の議案の説明

 続きまして,その他の議案の主なものについて申し上げます。

 甲第104号議案は,岡山市スポーツ・文化振興基金の設置目的に国際現代美術展「岡山芸術交流」の開催を追加する等のものです。

 甲第113号議案は,基金の管理方法について有価証券による保管を明記する等のものです。

 甲第115号議案は,一宮浄化センター施設改修工事に係る請負代金等請求事件について,訴訟上の和解をするものです。

 甲第136号議案は,岡山市新庁舎整備事業における庁舎建築に伴う議場設備ほか設置工事について,請負契約を締結するものです。

 甲第137号議案は,新岡山学校給食センター(仮称)整備運営事業について,事業契約を締結するものです。

 承第3号は,年金所得に係る個人住民税の定額減税の実施に関し必要な事項を定めるため,直ちに岡山市市税条例の一部を改正する必要が生じたものにつき,議会を招集する時間的余裕がなかったことから,やむを得ず地方自治法第179条第1項の規定により,専決処分したものです。

 以上で提案理由の説明を終わります。

 よろしくご審議の上,議決を賜りますようお願い申し上げます。

報告に対する市長説明要旨

 ただいま上程になりました報告についてご説明申し上げます。

 報第20号から報第23号までは,いずれも令和5年度の繰越明許費繰越計算書,継続費繰越計算書又は予算繰越計算書で,令和6年度に繰り越して執行するため,その内容について報告するものです。

 報第24号及び報第25号はリース公用車の事故について,報第26号から報第28号までは市有自動車の事故について,それぞれ賠償額を決定したものです。

 報第29号及び報第30号は市営住宅退去明渡し等の債務について,報第31号は母子就学支度資金の返済債務について,それぞれ訴訟手続により債務の履行を請求することを決定したものです。

 報第32号は,岡山市障害者計画を策定したものです。

 なにとぞよろしくお願いいたします。

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