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平成18年11月提案理由

[2010年1月19日]

ID:15169

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平成18年11月定例市議会に提出した議案に対する市長提案理由説明要旨

平成18年度の補正予算案並びに関係諸議案のご審議をお願いするに当たり,市政の課題に対する所信を申し上げ,市民並びに市議会の皆様方にご理解とご協力を賜りたいと存じます。

はじめに,去る11月19日に発生した列車の脱線事故について申し上げます。
このような事故が重なることは,誠に遺憾であります。市としては,JR西日本に対して,今後,危険箇所の総点検など,十分な再発防止策と安全対策を責任持って講じることや,一日も早い津山線の復旧などについて申入れを行ったところです。また,この事故により通学の足が奪われる児童,生徒に支障が生じないよう取組を進めています。

行財政改革の推進

それでは,行財政改革について申し上げます。
本市の財政状況は,中核市の中でも極めて低いレベルにあり,中でも,一般財源に占める借金返済額の割合を示す実質公債費比率は最下位となっています。また,市債残高は6,000億円を超え,これに債務負担行為の額を加えると,実に7,000億円に上っています。
この現状を改善するため,昨年度には,職員の新規採用凍結などを盛り込んだ「新行財政改革大綱(短期計画編)」を策定しました。さらに,本年度は,市の事務事業をすべて洗い出し,整理,統廃合を行うための「行政サービス棚卸し」を進めており,約2,100事業のうち,334事業の事業仕分けを完了し,現段階では5億円程度の削減が見込まれています。
しかしながら,様々な行財政改革の現場では,まだ危機意識が不十分であり,改革は始まったばかりであると言わざるを得ません。今後,さらに踏み込んだ行財政改革を進めてまいります。

先日,財政再建団体の移行を決めた夕張市の再建案が公表されました。その内容は,職員数,総人件費の削減はもとより,事務事業の抜本的見直し,公共施設等の統廃合,税や手数料の値上げなど,市民サービスの大幅な低下と負担の増加を柱とするもので,20年もの期間を要するものです。本市とは,財政運営の内容,規模ともに違いはありますが,現状を放置するならば本市にとっても財政破綻は人ごとではないと考えています。
なぜ行財政改革が急務なのか。その目的と必要性の認識を市の組織全体に徹底し,さらに,市民並びにその代表である議会の皆様と共有し,1本の鉛筆,1分の時間を大切にしながら,痛みを伴う改革にも取り組んでいかなければならないと考えています。

本市の行財政改革の究極の目的は,市民生活を守り,岡山の将来展望を切り開いていくことです。
地方分権の流れと国・地方を通じた財政再建の中で,まずは基礎自治体として,必要なサービスを持続しながら,次の世代が新たな課題に対応できるような財政構造を築かなければなりません。そして,人口減少や都市間競争の激化という環境にあって,市民の皆様が住んでよかったと実感でき,他都市からも住みたいと思われるような,住みよく活力のあるまちを実現していくためには,現状の市のシステムやサービスを徹底して見直し,守るべき施策は残しつつ,財源や人材という資源を,大きな目的の達成に向けて集中的に投下していかなければなりません。
このための,体質改善,体力づくりが今必要なのです。
岡山を,日本一,世界一のまちにするために,断固として行財政の改革に取り組んでまいります。皆様方のご理解を心からお願いします。

都市ビジョンの策定

また,住む人が誇りを持って日本一,世界一と言えるまちは,まちづくりの主体である市民,民間事業者の方々,そして行政とが,長期的な目標を共有し,それぞれが持つ資源と力を結集してこそ実現できるものと考えます。そのための本市の長期的な都市ビジョンの策定を進めており,市の政策の立案や選択に際してはもとより,市民生活や企業活動など様々な場面における指針としていただくことで,岡山のまち全体が一体となって,共に目指す将来都市像をつくり上げていくことが可能になると考えています。
先月,「岡山みらい会議」から,おおむね20年後の本市のあるべき姿と,その実現に向けての基本的な考え方をまとめた提言を受けました。ここでは,メイン都市像として「水と緑が魅せる心豊かな庭園都市」が掲げられ,本市の恵まれた自然環境の中で,豊かな人間性を育んだ市民が暮らし,活動する美しい庭園のような都市の姿が示されました。あわせて,地理・機能面から「中四国をつなぐ総合福祉の拠点都市」として,広域圏域に貢献する役割が示されています。
この提言は,本年2月からの「岡山みらい会議」での精力的な協議と,市民懇談会などを重ねて取りまとめられたもので,政令指定都市という新しいステージを迎えようとする本市が,自然や歴史的資源,様々な都市集積という財産を生かして,目指すべき将来像を描いていただいたものと受け止めています。
市としては,今後,提言で示された市民や地域との連携といった8項目の都市づくりの視点も踏まえて,岡山らしい「都市ビジョン」を策定してまいります。
なお,この都市ビジョンには,将来都市像の実現に向けた政策の柱を掲げるとともに,その政策について常に検証を行い進行管理をしていける具体的目標や仕組みを備えた実行性のあるものにしたいと考えています。

建部町,瀬戸町との合併

次に,去る10月24日,建部町,瀬戸町との合併に関する総務大臣告示がなされたことにより,来る1月22日に新「岡山市」が誕生することが確定しました。市町村合併は,地域の将来を左右する歴史的な大事業であり,これまで合併の推進に関わってこられたすべての方々のご尽力に感謝申し上げますとともに,新市の誕生を共に喜び合いたいと存じます。
本議会にも関連の議案をお諮りしておりますが,合併に向けた事業の調整は着実に進めており,このたびの合併に際しても,両町の区域に合併特例区をそれぞれ設置するなど,新市の円滑な一体性の確立と市域の均衡ある発展に配慮しつつ,それぞれの地域の良さを生かしたまちづくりに努めてまいります。

政令指定都市・岡山の実現に向けて

この合併告示を契機として,いよいよ「政令指定都市・岡山」の実現に向けた取組を力強く進める時期に来ていると認識しています。
政令指定都市への移行に向けた新たな動きとしては,去る10月27日,岡山県と共同で研究会を設置し,これまでに2回の会議を経て,移譲事務の調査等を皮切りに本市の政令指定都市移行に向けた作業に着手しました。今後,この研究会を通じて準備作業を精力的に進めるとともに,「県市連絡会」の設置など,より高いレベルで,協議や国に対する要望などを行っていく態勢づくりも要望しながら,より緊密な県市の連携の下,取組を推進してまいりたいと考えています。
また,10月30日には石原信雄(財団法人)地方自治研究機構会長が「岡山市の政令指定都市実現に向けて」と題して「県,市,市民が一体となって岡山市の政令指定都市移行を実現してほしい」と講演され,大勢の市民の皆様と共に,意を強くしたところです。
市としても,こうした動きを加速させていくため,11月1日に「岡山市政令指定都市推進本部」を設置し,引き続き,その専門部会として総務部会,権限移譲部会を開催し,政令指定都市への移行準備に全部局を挙げて取り組む体制を構築しました。
地方分権の流れの中で,身近な行政サービスを一体的に提供することができる幅広い権限を背景に,より自立的な行政主体となること,また,少子化と高齢化が進行する中で,本市の特性に大都市としての発信力が加わることで,都市間競争において比較優位を得ることは,将来の市勢の発展と市民福祉の向上を考えるとき,間違いなく大きな意義があると確信しています。
これら合併をはじめとする一連の行政の動き,先の講演会による市民の皆様の盛り上がりなどを受けて,民間195団体で構成された「岡山市政令指定都市推進協議会」におかれては,昨日,県知事に政令指定都市の早期実現に関する要望を行われました。本日午後には県議会議長,市議会議長に同様の要望をされ,共に実現に取り組もうとの力強い働きかけを,私もお受けする予定となっています。
同協議会をはじめ,市民の皆様並びに県と力を合わせて,市制施行120周年の年である平成21年の「政令指定都市・岡山」の実現を目指し,全力を傾注していく所存です。

未来を担う子どもたちの育成

次に,教育について申し上げます。
犯罪や児童虐待,いじめや自殺の発生など,子どもたちを取り巻く環境は厳しく,また,礼儀や,人に迷惑をかけないといったあたりまえのことができていない人たちが目に付く社会になっているように思えてなりません。

こうした中で,本市の子どもたちの豊かな人間性や社会性を育み,道徳心や倫理観を身に付けることを目指した「心豊かな岡山っ子育成プロジェクト」は,先月末,検討会議での協議を終え,事業展開に向けた準備を進めているところです。
具体的には,小冊子を用いたルールやマナーを身に付ける学習,乳幼児との触れ合いや奉仕活動,あいさつ運動といった学校園と家庭での活動を通じて,「命を大切にする心」,「相手を思いやる心」,「善悪を判断する心」などを育てることを目指しており,来年にも,できるものから実行してまいります。
また,本議会にお諮りしております「市民協働による自立する子どもの育成を推進する条例」は,各校園長会や地域団体,子育てに関係する団体の代表の方々も参画されての委員会を設置して検討を進めてまいりました。この条例は,子どもたちの健やかな成長と安全の確保に関して,家庭,学校園,地域社会,事業者及び市の責務を明らかにした上で,相互に協力し,助け合って本市の子どもたちを育成しようとするものであり,「心豊かな岡山っ子育成プロジェクト」を本格的に実施する上でも,市民協働の取組を確実なものにできると考えています。

このような取組を行う中で,本市の教職員による一連の不祥事が発生していることは誠に遺憾です。子どもを教え,導く立場にあるすべての教職員が,倫理観や使命感について認識を新たにする必要があると考えており,教育委員会に対して,一人一人の教職員に対する教育を,さらに徹底するよう強く要請しています。

次に,就学前教育の充実に向けては,平成19年4月の開園を目指して,灘崎地区に幼保一体施設を設置するための議案をお諮りしています。この施設の特色としては,幼稚園児と保育園児が,登園から給食まで一緒に教育・保育を受けるとともに,年齢の異なる子どもの交流を図ります。また,障害児保育の拠点園として,障害児保育室を設置し,個別指導を行いながら,障害児と健常児が日常的に関わりあう保育を展開するほか,食育を推進し,延長保育や一時保育など保護者の方々の多様なニーズに対応します。
今後も,幼保それぞれのよさを生かした連携強化に取り組んでまいります。

国際交流の進展

次に,各方面での国際交流の進展について申し上げます。
先月15日から,本市の友好都市である洛陽市などに22名の経済訪問団を派遣しました。一行は,中国内陸部の船舶,農機具,建設重機,IT関連の企業などを視察し,製造業,人材派遣などの分野で,今後の企業取引の開拓に好感触が得られたと聞いています。
また,本市とサンノゼ市は,日本では3番目に古い縁組であり,来年5月には姉妹都市締結50周年の節目を迎えます。これを新たな交流の出発点にしたいと考えており,現在,記念事業の実施に向けて,継続的な経済交流の枠組みづくりや,NPO活動の相互交流,さらに文化交流など市民の相互交流を柱にサンノゼ市との協議を進めています。
この一環として,来年4月にはサンノゼ市へ親善訪問団を派遣する準備を進めており,今後,記念事業に幅広い参加をいただく中で,実りある交流を実現していきたいと考えています。

障害者自立支援の拡大

次に,障害者福祉施策について申し上げます。
10月から「障害者自立支援法」に基づき,すべての障害者施策が一元化され,「障害程度区分」や生活状況などにより,障害者の方々が利用するサービスの種別や支給量が決定される仕組みが導入されました。しかし,地域で生活する障害者の皆様への影響について実態を調査したところ,特に重度障害者の方々の中に,この新制度による国庫負担基準では,ホームヘルパー派遣時間などサービスの支給量が大幅に減少し,生活の維持自体が困難となる深刻な状況にある方々がおられることが判明しました。
このため,11月から本市独自の支給基準を設定する経過措置を導入し,法に基づく制度見直しが見込まれる平成20年3月末まで,生活に必要なサービス利用量の激変を緩和することとしました。
本議会に必要な予算をお諮りしていますが,今後も障害者の方々の生活の状況を把握し,迅速かつ的確な対応に努めるとともに,障害者の方々を支援するさらに望ましい制度構築に向けて,国等に対して意見を上げてまいります。

多重債務者対策

続きまして,社会問題となっている多重債務者への対策について申し上げます。
金銭貸借の問題は,本市の無料法律相談でも毎年300件を超え,数年来,相談件数の第一位を占める状況です。多重債務は,自殺や家庭崩壊を招くなど,本人ばかりでなく周囲に大きな影響を与える問題であり,このたび,岡山弁護士会のご協力を得て,現在の法律相談に加えて,来年1月から毎週金曜日に多重債務専門の「クレジット・サラ金法律相談」を開設することとしました。今後,詳細を周知してまいりますが,これにより,一人でも多くの多重債務に苦しむ市民の方々に,解決の道が開かれることを期待しています。

平成18年度補正予算案の概要

それでは,甲第242号議案から甲第246号議案までの補正予算案の概要について申し上げます。

補正額は,一般会計で40億9,800万円余,特別会計で16億6,000万円余の増額を行い,合わせて57億5,800万円余の増額となっています。補正に要する一般財源8億5,800万円余は,平成17年度決算に伴う剰余金で対応します。

主な内容としましては,まず,市民生活に直結する生活保護費,準要保護等児童・生徒対策費などについて所要額を確保するとともに,入所児童数の増加に対応するため,私立保育園に対する運営費委託料及び児童クラブに対する助成費について所要額を確保します。

また,国庫補助等の決定を受けて,老人福祉施設の整備,障害者就労訓練設備等の整備,外環状道路の整備などを進めます。

さらに,岡山市の議会の議員及び長の選挙における選挙公報の発行に関する条例の制定をお諮りしており,平成19年4月執行予定の市議会議員選挙において,新たに新聞折込による選挙公報を行うため,債務負担行為を設定します。

補正予算案以外の議案の説明

続いて,予算案以外の議案について,その主なものを申し上げます。

まず,甲第247号議案ほか108件の議案は,建部町及び瀬戸町との合併に関連する議案です。
その内容は,第1に,両町の区域に関し,支所,保健センター,福祉事務所などの本市の機関の設置,所管区域等を定めるものです。
第2に,両町の福祉施設をはじめ,観光施設,公園,駐車場などの公の施設を本市の施設として設置するものです。
第3に,両町において実施されていた施策を継続し,又は施策の円滑な移行を図るための経過措置などを講ずるものです。

次に,甲第347号議案は,養護老人ホーム岡山市会陽の里について指定管理者の指定を行うものです。

次に,甲第366号議案は,後期高齢者医療制度に係る事務を共同処理するため,「岡山県後期高齢者医療広域連合」を設置するものです。

以上で提案理由の説明を終わります。
よろしくご審議の上,ご議決を賜りますようお願い申し上げます。

報告に対する市長提案理由説明要旨

それでは,ただいまご上程になりました報告についてご説明いたします。

報第93号は,市営住宅退去明渡し等について,訴訟手続により債務の履行を請求することを決定したものです。

報第94号及び報第95号は,いずれも市営住宅明渡等請求事件について,相手方と訴訟上の和解をすることを決定したものです。

報第96号から報第104号までは,市営住宅の家賃の滞納等について相手方と民事訴訟法第275条の規定による和解をすることを決定したものです。

なにとぞよろしくお願いいたします。

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