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平成19年6月提案理由

[2010年1月21日]

ID:15129

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平成19年6月定例市議会に提出した議案に対する市長提案理由説明要旨

平成19年度の補正予算並びに関係諸議案のご審議をお願いするに当たり,市政運営に関する所信を申し上げ,市民並びに市議会の皆様方にご理解とご協力を賜りたいと存じます

政令指定都市・岡山の実現に向けて

はじめに,「政令指定都市・岡山」の実現に向けた動きについて申し上げます。

去る5月20日,700人を超えるご参加を得て岡山市政令指定都市推進協議会の総会が開催されました。ここでは,構成207団体の方々の熱いご期待を感じ,来賓の方々からはそろって支援の言葉があり,改めて意を強くしました。
また,県からの権限移譲につきましては,県・市の研究会を通じて,協議の前提となる項目の整理に至っております。これを踏まえて,去る5月29日には,市議会議長,副議長にもご同行いただき,移譲協議を行う正式な場となる県市連絡会議の設置について,知事及び県議会議長に要請しました。その結果,知事におかれては,この6月定例県議会の提案理由説明において,本市が政令指定都市移行を目指していることについては,「県全体の発展につながると期待している」,県市連絡会議については,「今議会での議論を踏まえ,できるだけ早期に行いたい」,と表明されたところです。
こうした中,政令指定都市が設置することとなる区に関する検討を市として進めるため,「岡山市行政区画等審議会」の設置に関する議案を本議会にお諮りしております。ご議決いただきましたら,委員の人選を経て,速やかに審議会を立ち上げ,行政区画の編成及び区役所の位置など本市の区制施行に向けたご議論をお願いする考えです。
なお,本市の人口は,平成17年10月の国勢調査以降,着実に増加を続けており,県が公表されている毎月流動人口調査等の状況から,近く70万人を超えると見込まれております。

平成21年の政令指定都市移行という目標を達成する上で,残された時間は決して多くないと認識しておりますが,市民の皆様から託された「政令指定都市・岡山」の実現を目指し,関係機関と連携・協議しながら市を挙げて取り組んでまいる所存です。

都市ビジョンの策定

次に,本市の都市ビジョンについて申し上げます。

この都市ビジョンは,中長期にわたって市民の皆様と共有する将来都市像を描くことを目的に,昨年10月に岡山みらい会議からいただいた提言を基礎として,市議会をはじめ幅広い市民の皆様のご意見を集約し,最終的な取りまとめを行ったものです。
この都市ビジョンで描くおおむね20年後の本市の都市の形は「水と緑が魅せる心豊かな庭園都市」とし,また,「中四国をつなぐ総合福祉の拠点都市」を都市の使命としました。そして,その実現への方向性を示す七つの柱の下に24の政策の体系化を行い,さらに,市民,事業者の皆様と行政が共有する目標となる成果指標を設定しました。都市ビジョンの推進に当たっては,この政策の下に選択と集中による施策と事務事業の展開を図るとともに,実行,評価,改善のサイクルでそれらの効果を高めてまいりたいと考えております。
現在,政令指定都市への移行に取り組む本市が,いま一層の発展を遂げるためには,恵まれた自然環境や交通,産業の都市集積などに加えて,市民の皆様の主体的なご参加による地域力を最大限に発揮していく必要があります。今後,この都市ビジョンを都市経営の羅針盤に,市民の皆様と共に前進してまいりたいと考えております。

行財政改革の推進

次に,行財政改革について申し上げます。

このたび,長期的な視点を踏まえて改革を推進するため,行財政改革大綱検討委員会,市議会並びに市民の皆様のご意見を反映させた「新岡山市行財政改革大綱(長期計画編)」を策定しました。
その中では,まず,行財政改革の必要性を市職員と市民の皆様が共有し,互いの役割と責任を認識して積極的に取り組む必要があることや,人口,産業等の集積により収入増を図ることも重要であるなどの改革の理念を明確にしました。その上で,行政が提供しているサービスの民間への開放,新たな人事評価制度の導入,税収増加につながる都市の活力増進を図る諸施策の展開などを進めることとしております。また,これらを通じて平成27年度までに達成すべき目標値を設定しており,現在は中核市の中でも低い位置にある経常収支比率と人件費比率,また最下位である実質公債費比率をそれぞれ中核市の中位程度に改善することを目指します。
また,この長期計画編の策定に伴い,平成18年3月から実施している「新岡山市行財政改革大綱(短期計画編)」を改定し,平成22年度の年間縮減額の目安を200億円としております。

先に公表した「岡山市の財政状況第9版」から見た財政見通しでは,平成18年度からの職員採用凍結等の行財政改革の効果が現れる一方で扶助費の大幅な伸びが見込まれ,依然として今後5年間の累計で231億円という多額の収支不足が推計されております。
こうした状況の中で,先に申し上げた都市ビジョンで描く将来像の実現に向けて,そして,何よりも市民生活の安全と安心を守るため,大綱を踏まえて,行財政改革を最優先の課題として,市議会並びに市民の皆様と共に一層強力に推進してまいりたいと考えております。皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。

6月補正予算の概要

次に,6月補正予算について申し上げます。

この予算は,市議会議員選挙の関係から骨格的予算としていた当初予算の肉付けとなるもので,今年度は政令指定都市移行に向けた取組と財政の基盤整備を確立するための行財政改革が共に正念場となり,また,都市ビジョンに基づくまちづくりや安全・安心ネットワークをはじめとする地域力の強化を進めていく決意を込めて「政令指定都市に向けた改革加速予算」として編成しております。
予算の概要としましては,補正額は一般会計で89億7,400万円余,特別会計で67億5,200万円余,事業会計で6,900万円余,合わせて157億9,600万円余の増額となっております。
この結果,一般会計の補正後の予算額は2,212億円余となり,実質ベースの前年度比較で10億円の減額,率にして0.5パーセントの減となっております。これは,行財政改革を積極的に推進したことにより,全国都市緑化フェア関係の55億円の増要因にもかかわらず35億円の経費を削減させた一方で,扶助費や保険医療費特別会計への繰出金が25億円増加する厳しい状況から,差し引きで10億円の減少となったものです。
補正に要する一般財源29億7,000万円は,財政調整基金の取り崩しと繰越金で対応します。

それでは,都市ビジョンの七つの柱に沿って主な事業をご説明します。

一つ目の「多様で豊かな環境をいかす」では,自然の保全と水と緑の都市回廊の形成により「庭園都市」を実現するため,下石井公園,西川緑道公園,撫川・庭瀬城址公園,灘崎町総合公園などの整備を行います。特に,全国にも誇れる西川緑道公園の再生を目指して,今年度は,周辺の街並みと調和した歩いて楽しめる景観づくりのための沿道の景観計画を策定するとともに,夜間においても,安全で安心して雰囲気のある水と緑に親しめるよう公園内の照明設備を改善します。また,下石井公園では緑道公園とのつながりと役割分担を踏まえた広場整備などを行います。平成21年の全国都市緑化フェアを目指して,まずはモデル区域において,市民や観光客の皆様が憩い,イベントなどを楽しめる空間の実現を図ります。

二つ目の「街と田園のかたちを明確にする」では,都市的な利便性と自然の豊かさのどちらも楽しめる都市を目指す中で,総合交通システム構築の一環として岡山駅の機能強化を図ります。この予算では,西口広場において,歩行者はもとよりバスやタクシー,一般車も含めて利用しやすい広場となるようレイアウトを変更して整備を進めるとともに,東口広場も一般車乗降場を東西連絡通路に近づけて利便性の向上を図ります。今後さらに,西口広場の整備に併せて東口広場とのバス乗り場の再編を図るなど,交通事業者との連携により,わかりやすく使いやすい駅の整備を目指します。
また,御津地域で高度情報化の基盤整備事業に助成を行うほか,災害に強い安全な都市づくりのため,西消防署・消防防災センター(仮称)の整備に着手します。

三つ目の「安心していきいきと暮らせる岡山型福祉を組み立てる」では,まず,子育てを社会全体で支えるために,心豊かな岡山っ子育成プロジェクト事業を展開します。官民一体の体制で,新生児と保護者の皆様に絵本と子育て支援情報等を提供するブックスタートの事業を開始したいと考えております。なお,本年4月に豊かな心を養うための絵本を作成・配布しており,年度内には第二集,第三集と続けてまいります。また,障害者自立支援法の施行に伴う激変緩和などのため平成20年度まで特別対策事業を実施します。

四つ目の「自立し自己実現できる人間力を育てる」では,子どもたちの自立と市民の皆様の自己実現を支援するため,幼稚園と小中学校で障害児の支援等に当たる特別支援教育補助員を35名増員します。また,これまでの地域に開かれた学校づくりの実績を発展させた「放課後子ども教室」を47箇所で実施します。さらに,市立の全小中高等学校に自動体外式除細動器(AED)を設置して,学校施設内の安全・安心度を向上させます。

五つ目の「市民力で新しい岡山をつくる」では,地域団体をはじめ様々な組織が協働,連携した主体的な地域づくりと,市民参加による効果的・効率的な都市経営を目指して,安全・安心ネットワークづくりを進めます。昨年度に続いて学区・地区の拡大を図るほか,モデル地区を設定して,地域の方々と産・官・学の協働でネットワーク活動の進め方や課題の解決方法を研究します。また,安全で安心な地域づくりに情報通信技術をいかす地域ICT利活用モデルの構築に取り組み,それらの相乗効果により地域の総合力向上を目指します。

六つ目の「岡山の強みをいかした産業を広げる」では,都市機能の集積と広域交通の拠点性などをいかした企業誘致や新たな企業の育成などを図り,地域経済の活性化を目指します。

七つ目の「文化力で岡山の誇りを高める」では,市民の皆様の心を豊かにし,都市の品格を高めるとともに,光り輝く資源を発信していくために,新市基本計画に基づき,市が保有する国の登録有形文化財である建部駅舎の保存修理を行います。また,本年2月に立ち上げた姫路・岡山・鳥取城下町推進協議会の設立記念行事を開催し,広域観光を推進します。
なお,全庁一体となった観光振興を進めるため,今月1日に観光振興マトリックス班を設置しております。今後,おかやま国際音楽祭,全国生涯学習フェスティバル,全国都市緑化フェア,国民文化祭などの機会をとらえて,新しい観光商品の開発や全国への情報発信を図ってまいります。

水道漏水事故

次に,去る5月20日に発生した水道の漏水事故について申し上げます。

今回の事故は,田町一丁目地内において昭和34年に埋設した口径1000ミリの管が破裂したもので,多くの市民の皆様にご不便とご迷惑をおかけしました。改めてお詫び申し上げます。
現在,事故現場では,本格復旧のため約1箇月の予定で工事を実施しており,付近道路が全面通行止めになるなど重ねてのご不便をおかけしておりますが,ご理解とご協力をお願い申し上げます。
このたびの原因究明と再発防止につきましては,学識経験者を含む調査委員会を設置しており,1箇月をめどに調査結果を取りまとめることとしております。また,今後,大口径管の漏水調査を早急に実施しますとともに,関係機関のご協力を得ながら老朽管の計画的更新を進めてまいりたいと考えております。
また,事故に伴い発生した濁水に係る水道・下水道料金につきましては,それぞれ減額を行うことを決定しており,さらに,このたびの事故を教訓として全庁的な危機管理体制を再構築することとしました。今後,市民生活と都市活動を支えるライフラインである水道の信頼回復と全庁を挙げての防災体制の強化に努めてまいります。

「美しい心のまち・おかやま」運動の展開

むすびに,都市ビジョンの二つの都市像に向けた推進力についての考えを申し上げます。

「水と緑が魅せる心豊かな庭園都市」,「中四国をつなぐ総合福祉の拠点都市」に向かい,これからのまちづくりの鍵は市民の皆様の「心」にあると考えております。
地域のつながりが薄れ,様々な事件や事故が発生している世の中も,思いやりや優しい心を持つ人が増えることで改善されていくのではないでしょうか。また,モラルやマナーが向上するとともに,助け合いや協力の基礎となる心を養い地域の連帯を再生,拡大することで,地域社会の課題解決が図られ,住みやすく,他都市からも住みたいと思われる都市が実現できると考えます。

本市の重点施策である安全・安心ネットワークの構築は,こうした考えを具体化する取組であり,活発できめ細かな地域活動により,防犯,防災,福祉をはじめとする幅広い分野で,行政の活動を超えた効果を期待するものです。さらに,本市では,次代を担う子どもたちの成長を地域で支える体制づくりや,市民の皆様の自主的な活動によるまちの美化,自然環境保護といった独自の取組を進めているところです。
これらを通じて,住みよさとまちへの誇りや愛着がおのずから高まるとともに,大都市としての機能を備え,その中にも人と人とのつながりや温かさが感じられるようなまちづくりが進む中で,他の都市には負けない魅力と存在感を備えた「政令指定都市・岡山」が創造できると考えております。

そのために,市民の皆様の先に立って市職員から美しい心の実践を始めたいと考えております。これまで,市民の皆様の一層の信頼を得るべく,市役所の組織づくりや職員のやる気と能力を最大限に引き出すための人事制度の改革などを進めてきておりますが,さらに,市民の皆様への笑顔の挨拶と親切・丁寧な対応や,職員相互の支え合いの気持ちの醸成を図ってまいります。まずは「美しい心のまち・おかやま」を合言葉として,明るく親切な市役所を目指す職員運動を展開し,いずれはこの取組をまちづくりの市民運動へと広げてまいりたいと考えております。

その他の議案の説明

続きまして,その他の議案の主なものについて申し上げます。

まず,甲第115号議案は,国の制度改正に伴い,保育料の減免対象世帯の範囲を拡大するものです。

次に,甲第116号議案は,旭公民館において,新たに講座室を設けることに伴い,使用料の額を定めるものです。

以上で提案理由の説明を終わります。
よろしくご審議の上,ご議決を賜りますようお願いします。

報告に対する市長提案理由説明要旨

ただいまご上程になりました報告についてご説明いたします。

まず,報第35号から報第42号までは,いずれも平成18年度の繰越明許費繰越計算書,継続費繰越計算書,又は予算繰越計算書で,平成19年度に繰り越して執行するため,その内容について報告するものです。

次に,報第43号はリース公用車の事故について,報第44号は市有自動車の事故について,いずれも相手方と和解し,賠償額を決定したものです。

報第45号は,市営住宅退去明渡し等の債務について,訴訟手続により債務の履行を請求することを決定したものであり,報第46号は,市営住宅の家賃の滞納等について,相手方と民事訴訟法第275条の規定による和解をすることを決定したものです。

なにとぞよろしくお願いいたします。

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