ページの先頭です

共通メニューなどをスキップして本文へ

スマートフォン表示用の情報をスキップ

Language

市民協働フォーラム「Hello!協働のまちづくり」

[2023年3月23日]

ID:48348

ソーシャルサイトへのリンクは別ウィンドウで開きます

協働のまちづくりチラシ

自然災害、子どもの貧困、海ごみ、食品ロスなど、いろいろな社会課題をニュースで見聞きします。どこか遠くで起きていることではなく、私たちの暮らしのすぐそばにある課題です。

地域の課題を解決しようと、多くの人が自分にできることをコツコツと取り組んでいます。今年度の市民協働フォーラムでは、こうした取組に携わる人々にスポットを当て、これまでの歩みや思いなどを紹介しました。

第一部 基調講演「市民協働で進める地域づくり」

講演会の様子

美咲美佐子さん(NPO法人岡山市子どもセンター代表理事・岡山市協働推進委員)から、岡山市子どもセンターの活動をする中で課題に感じてきたこと、それを踏まえて市民として関わった「岡山市協働のまちづくり条例」の改正、年代も所属も得意なことも異なるいろいろな人たちとの協働で、一緒に取り組んできた事業についてなどのお話がありました。「人と何かを一緒にするというのは、めんどくさいことでもありますが、その後世界が広がり、社会の課題解決にもつながり、また次へつながると思っています。」と締めくくりました。

異なる組織、いろいろな背景をもつ人同士で取り組む「協働」の活動は、大変なこともたくさんあります。しかし、だからこそ新たに生み出せる価値や取組があります。地域の課題は一人だけ、一つの組織だけでは解決できません。みんなの力、多くの人のつながりが、暮らしやすい地域をつくっていきます。

第一部 「第7回おかやま協働のまちづくり賞」受賞取組の表彰式と大賞取組の発表

大賞を受賞した「引き継げ!繋がれ!獅子舞、棒遣い等郷土芸能伝承保存活動」の取組は、建部町伝統芸能伝承保存会を中心に、建部地域に受け継がれてきた由緒ある獅子舞・棒遣いなどを後世に伝えていく活動に取り組んでいます。子どもから高齢者までの三世代参加を大切にしており、活動を通じて「顔の見える関係づくり」が進み地域での安全・安心な暮らしにつながっています。災害などの緊急時にも共助ができる地域であることは大切です。

受賞取組はいずれも、楽しみながら地域の価値を再認識したり、多世代がつながる工夫がなされています。地域の多くの人が取組に関わり、活動を通じて地域への愛着や誇りを育てていることがわかりました。

おかやま協働のまちづくり賞の詳細はこちら

表彰式の様子
展示の様子

第二部 ゲスト対談「けっぱれ!郷土愛」

タレントの王林さんをゲストに迎え、中村康人さん(KSB瀬戸内海放送アナウンサー)が聞き手となり、さまざまなメディアで青森の魅力を語る王林さんの思いを伺いました。

青森の方言を流ちょうに話す王林さん。関西出身の人がアイデンティティとして関西弁を話すことと同じように考えているそうです。「ねぶた」「ねぷた」「たちねぶた」といった県内のお祭りや、雪かきのための冬の早起きは辛い一方で月明かりで雪が反射して外が明るいことなど、生き生きと自信をもって青森県の魅力を話されました。

どうしてこれほど郷土を大切に思い、発信を続けているのでしょうか?

王林さんのおじいさんは伝統工芸である津軽塗の職人さんでしたが、新しいものが売れず、続けていけなくなってしまったとのこと。そのことにショックを受けて、文化をなくさないために取り組んでいく必要を感じたそうです。今後は伝統を受け継ぎながら津軽塗を広げていくために、さまざまな商品のプロデュースをしていきたいとのことです。

王林さんが話している様子

王林さんのように地域活性化に取り組みたいと考えている若い世代を、どのように応援していくと良いでしょうか?

何かしたいと思っても、自分にそれができるかな…と自信を持てずにいる若い人は、青森にもたくさんいるそうです。その人たちの気持ちを信じて、若いパワーを無駄にせず、パワーを発揮できる場を用意するなど、一緒に取り組んでいきたいというスタンスをもつことが大切と話されました。

第二部 トークセッション「聞いて!推しPoint★私にとっての地域活動」

トークセッションは、王林さんと中村アナウンサーに加え、岡山市内で活動する3名の方が登壇しました。

登壇者

  • 有田麻佑子さん/岡山大学3回生、「フリースクールもえぎ」スタッフ
  • 前田泰史さん/社会福祉法人報恩積善会 養護老人ホーム報恩積善会事務長
  • 美咲美佐子さん/NPO法人岡山市子どもセンター代表理事、岡山市協働推進委員
対談の様子

有田さんは、子どもたちと一緒に宿題をしたり、遊んだりするなかで、一人ひとりの子どものありのままに寄り添うことの大切さを感じています。

有田さんは友だちに誘われて「やってみたい!」と思ってフリースクールもえぎに関わり始めました。地域の役に立つ活動に参加しようではなく、自分の気持ちが先立っていたそうです。その感覚は王林さんも同じく、「やらなきゃ」と義務感に駆られるのではなく「本気で遊ぶ」ことがパワーの源でした。

前田さんは、「つしまみんな食堂」をボランティアとして運営し、多世代交流の場をつくっています。みんなが役割を持って関わる、目が合う距離間の小さなコミュニティには深みがあると感じています。

青森県弘前市のねぷた祭りは地域単位で行われるため、前田さんの取組と同じく深いコミュニティができているそうです。そうしたコミュニティができているからこそ、ねぷた祭りも自発的に取り組まれているとのことです。行事を通じて育まれる空気感が、地域を1つにするうえで大切なのかもしれません。

美咲さんは、自然との関わりを大切に、身体を使って思いっきり遊ぶ場「おかやまプレーパーク」を開いています。「できることをやっていこう」とたくさんの大人や大学生のボランティアが運営に参加しています。子どもも大人も、みんながワクワクする場所になっています。

ワクワク感や、おもしろい、興味があるといった気持ちを大切にしながらやりたいことに取り組むことが、結果として多くの人と関わりながら地域を元気に、豊かにすることにつながっているようです。

楽しく活動している様子が伺えましたが、地道な努力を積み重ねてひとつひとつの取組が行われているようです。

王林さんはテレビやInstagramを活用して情報発信をしていますが、発信に至るまでには小さなイベントにも出向いてその人自身の思いを聞くなど、丁寧な関わりをしています。最近ではインターネットやSNSを活用した広報も増えていますが、美咲さんは学校にチラシを持ち込み、顔を合わせて会話することも同様に大切にしています。チラシを仕分けてたくさんの学校に持参するのは大変ですが、顔を合わせることで様子がよくわかったり、リアルな情報を得られます。王林さんも『りんご娘』で活躍している間にポスター配りなどを行っていたそうです。その時に対面で築いてきた関係が今にも生きているそうです。

市民協働フォーラム「Hello!協働のまちづくり」を終えて

生き生きと活動する登壇者・ゲストの姿を見ることができました。活動の現場ではもちろんたくさんの悩みに直面します。しかし、やりたい気持ち、どうにかしたいという思い、それらを原動力にして、たくさんの人と丁寧に向き合いながら、手を取り合いながら、活動を続けています。

今回の登壇者は、「すごい人」「意識の高い人」ではなく、自分の気持ちを大切にしながら、地域の課題、地域の人々と真摯に向き合っている方々です。

参加者が、次の「手を取り合う人」になっていると嬉しいです。

じゃんけん大会の様子
サインをいただく様子

(最後にじゃんけん大会をして王林さんからサインをいただきました。)

集合写真

左から、中村さん、前田さん、有田さん、美咲さん、(司会)槙枝さん