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岡山ESDプロジェクト2015-2019基本構想

[2015年5月13日]

ID:5516

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岡山ESD推進協議会では、「岡山ESDプロジェクト」を策定し、2005年から2014年までの10年間の取組を進めてきました。
この度、10年の取組の成果と課題をまとめ、2014年に開催された国際会議など世界的な状況を踏まえ、岡山地域におけるこれからのESD推進に関する方向性を定めた「岡山ESDプロジェクト2015-2019基本構想」を策定しました。
今後、この基本構想をもとに、協議会参加の各機関の協働により、岡山地域におけるESDの推進を行っていきます。

(以下、基本構想全文)

『岡山ESDプロジェクト2015-2019基本構想』

まえがき

1.持続可能な社会づくりとESDの必要性

大量生産、大量消費、大量廃棄型の急速な経済成長や人口増加に伴い、地球上では、気候変動、生物多様性の喪失、資源の枯渇、貧困の拡大等が進み、将来の世代にわたり恵み豊かな生活を確保するための基盤となる環境が、年々損なわれつつあります。また、東日本大震災をはじめ世界各地で頻発する災害や各地で続く紛争は、社会の持続不可能性をあらわにしています。
このような現代社会において、1987年に「環境と開発に関する世界委員会」が、「我ら共通の未来(Our Common Future)」において提唱した「持続可能な開発(Sustainable Development)=将来の世代のニーズを満たしつつ、現在の世代のニーズも満足させるような開発」は世界中から広く支持され、現在では人類社会全体で取り組むべき共通のテーマとなっています。そして、1992年の「国連環境開発会議(リオサミット)」では、「持続可能な開発」を推進していくためには、教育が重要な役割を果たすことが合意されました。
グローバル化が進む中、現代社会が抱える様々な課題を解決し、現在および将来の世代のために持続可能な社会を築いていくには、地球に住む我々一人ひとりが、環境や開発、貧困・公正等の問題に対する理解を深め、価値観や思考、行動を変革する必要があり、そのための取り組みが「持続可能な開発のための教育(ESD=Education for Sustainable Development)」です。ESDは、グローバル、国、地域などあらゆるレベルで推進する必要があります。
岡山地域においても、地球規模の課題はもとより、人口減少・少子高齢化や周辺地域の過疎化、コミュニティの希薄化、激甚化・多様化する自然災害等、環境・経済・社会の側面が複雑に絡む様々な課題への対応を迫られています。そこで、安心・安全で魅力や活力のある持続可能な社会づくりに向けて、地域の特性を活かした革新的な解決策を見出し、実践する担い手を育てるためには、様々な人や団体・組織が参画・協働し、広域的な連携を図りながら、ESDを推進していくことが重要です。

2.新基本構想策定に当たって

2002年に開催された「持続可能な開発に関する世界首脳会議(ヨハネスブルグサミット)」において、日本政府はNGOの協力のもとにESD推進を提案し、国連総会での決議を経て、2005年から「国連ESDの10年」が始まりました。提唱国である日本では、2006年に「国連ESDの10年」に関する実施計画が策定され、学校教育現場や社会教育現場などにおいてトップダウンとボトムアップ双方からESDが推進されてきました。
一方、岡山地域では、国連大学が提唱した「ESDに関する地域の拠点(RCE)」構想に賛同し、2005年4月に岡山ESD推進協議会を設立するとともに、「岡山ESDプロジェクト基本構想」を策定しました。同年6月には、国連大学から世界で初めて「ESDに関する地域の拠点(RCE)」7ヵ所の一つに認定され、それ以来、公民館を拠点とした地域コミュニティにおけるESD活動の推進、中学校区単位で小学校や中学校が連携したユネスコスクールによるESD推進をはじめ、大学、市民団体、企業、行政などの多様な主体が連携し、地域全体でESDを推進する体制が整えられてきました。
特に、「ESDに関するユネスコ世界会議」の岡山開催に向けた誘致活動、その後の開催決定を契機に、岡山市役所を中心として、全市域におけるESD普及啓発活動や、活動助成の充実、ESDコーディネーター研修の実施などを行ってきました。そして、2014年9月には、世界会議開催に合わせて、岡山市議会議員の提案による岡山市ESD推進条例(えーものを子孫の代まで条例)が制定されました。
「国連ESDの10年」の最終年である2014年10月、11月には、愛知県名古屋市と岡山市において「ESDに関するユネスコ世界会議」及び関連会議が開催され、10年間の成果と課題、2015年以降のESD推進の方針や枠組、具体的な推進方法などが議論されました。各会議における議論の結果は、様々な宣言としてまとめられ、公表されています。また、岡山地域で行われてきた、多様な主体の参画による地域コミュニティに根差したESD実践は、「ESD岡山モデル」として世界会議において発信され、関係機関や参加者から高く評価されました。
世界会議では、持続可能な社会の構築を加速させ、ESD実践を強化するために「国連ESDの10年」以降の枠組として、「ESDに関するグローバル・アクション・プログラム(GAP)」が公表されました。さらに、2015年に最終年を迎える国連「ミレニアム開発目標(MDGs)」に続く枠組として提案されている「持続可能な開発目標(SDGs)」の中でもESDが言及されており、ESDの重要性は益々高まっています。
以上、岡山ESDプロジェクトが開始されてから10年間を経て明らかになった成果や課題および、ESDに関するグローバル・アクション・プログラムの開始等の国際的な動向、さらには岡山市の新総合計画策定の動きも視野に入れ、2015年以降もESDを継続して推進するため、従来の岡山ESDプロジェクト基本構想(2007年改訂版)を全面的に見直し、「岡山ESDプロジェクト2015-2019基本構想」を策定します。

本文

1.岡山ESDプロジェクトの目ざすもの(目的)

本プロジェクトは、岡山地域と地球の未来について、共に学び、考え、行動する人が集う岡山地域を実現すること、及び岡山地域でのESDの取り組みを通して、世界中で、ESDが共通の文化として定着し、環境・経済・社会各分野において調和のとれた持続可能な社会の実現に貢献することを目指します。

2.めざすべき地域の姿(実現したい未来像・ビジョン)

  1. ESDや持続可能な社会づくりについて、多くの市民が理解し、行動しています。
  2. 岡山地域内で自主的・積極的に活動する組織・団体の輪が広がり、持続可能な社会・地域づくりが進められています。
  3. 世界・国内・岡山県内のさまざまな組織・団体間のネットワークを活用し、ステークホルダーと継続的な学び合いが行われています。

3.基本的な事項

  1. プロジェクトを実施する主体
    本プロジェクトは、趣旨に賛同する各組織・機関・団体で構成する岡山ESD推進協議会を中心に、各組織・機関・団体が主体的に取り組むとともに、それぞれの立場に応じた役割を担い、協働で実施します。
  2. プロジェクトの対象地域
    本プロジェクトの実施地域は、岡山市を中心にした地域を対象としますが、行政区域に拘らず、岡山県内の河川流域、都市圏などの広域における関連組織と連携を図り、ESDの推進を図ります。
  3. プロジェクトの対象分野
    本プロジェクトは、環境保全と国際理解をはじめ、持続可能な社会づくりに関係する環境・経済・社会すべての分野の活動を対象とします。
  4. プロジェクトの対象期間
    本プロジェクトの対象期間は、概ね10年を展望しつつ、グローバル・アクション・プログラム(GAP)の検証期間と合わせて2015年~2019年の5年とします。ただし、さまざまな情勢の変化に柔軟に対応していくため、期間内であっても適宜見直しを行います。

4.10年間の成果と課題

(1)成果

  1. 地域コミュニティ(中学校区)を単位とした市域全体でのESD推進
    公民館やユネスコスクールなどの地域コミュニティの拠点を核として、学校・地域住民が連携したESD活動が推進されています。
    ・公民館が地域住民の「ESDを実践する場」となり、公民館職員がコーディネーターの役割を担っています。
    ・小中高等学校におけるユネスコスクールの取り組みと連携が進みました。
    ・中学校区単位でのユネスコスクール推進を中心に、学校教育に多様な人々が参加しています。
    ・地域コミュニティのコーディネーターのスキルアップのための研修を進めています。
    ・教育委員会、大学等で、学校教員に向けたESD研修が行われています。
  2. あらゆる世代、多様な団体の参加
    あらゆる社会活動の中にESDがかかわることを普及啓発した結果、ESDの認知度が向上し、参加する人が増えました。
    ・対話とつながる場(連携する基盤)ができています。
    ・ESDに取り組む団体・市民が増加しました。
    ・岡山ESDプロジェクトへの参加により各団体の活動に広がりが出ました。
  3. 専従コーディネーター(行政)や大学による継続的支援
    ・高等教育機関(大学)による岡山地域内のESD活動の支援が行われています。
    ・専従コーディネーターが行政によって配置され、市民のESD活動を支援しています。
    ・高等教育機関、NPO等により、学校や地域コミュニティの活動に対する支援が専門的見地から行われています。

(2)課題
岡山地域で、ESD活動数、参加団体数が増加し、活動分野の広がりが出てきました。しかしながら、持続可能な社会の実現に向けた岡山地域全体の意識改革や、具体的な活動の促進に向けては、これまでの活動の継続とともに、新たな取り組みも求められています。また、プロジェクトを推進するにあたり、現状に即して活動しやすい運営体制へと変更が求められています。そのため、2015年以降、以下のような観点から、活動を見直していく必要があります。

  1. ESD活動が各地域コミュニティレベル、特定の社会課題にとどまっており、岡山地域全体の包括的な活動になっていません。従って、ローカルな視点とグローバルな視点を盛り込んだ岡山地域の未来の姿を共有し、連携・協働して取り組むことが求められています。
  2. ESDを推進する人材の数は増加してきたものの、特定の地域や分野に限られています。岡山地域全体に広げるためには、ESDを推進する人材をさらに育成していくことが必要です。
  3. 学校や公民館などが協働したESD活動が活発に推進されている地域コミュニティがありますが、一部に限られています。今後は、ESD活動の輪を岡山地域全体に拡げていく必要があります。
  4. 学校においても様々なESDの取り組みが行われていますが、今後は、質の向上をはかる取り組みも必要です。
  5. 評価指標や顕彰の仕組みがなかったため、ESD活動の質向上へのインセンティブが不十分であり、また、優良事例として紹介できる事例は一部に限られています。従って、モデルとなる優良事例を表彰し、普及することが必要です。
  6. 図書館のESDコーナーなど、学校や公民館以外でもESDの拠点となる取り組みが始まりましたが現時点では少数となっています。さまざまな施設がESDの拠点となる可能性があり、広げていくことが必要です。
  7. 世界会議開催により、多くの企業や行政機関のESDへの関心は高まりましたが、岡山ESD推進協議会への参加は多いとは言えません。より多くの企業等の参画を得る必要があります。
  8. 岡山での世界会議には世界97ヶ国・地域及び国内各地から約3千人に参加いただき、岡山の取り組みが注目されました。この成果を活かし、世界のESD推進に貢献するために、会議成果の普及やネットワークの活用が求められています。
    これらの取り組みを推進していくために、岡山地域の各団体・組織・機関のESD活動を促進・調整する推進体制を維持・発展させることが必要です。

5.本プロジェクトの重点取り組み

(1)8つの重点取り組み
2014年までのプロジェクトの成果と課題を踏まえ、今後5年間、下記の項目について重点的に取り組みます。

  1. <持続可能な地域の姿の共有>
    持続可能な社会づくりに向けた市民の理解を進め、岡山地域及び、それぞれの地域コミュニティごとに持続可能な未来の姿を描くとともに、その実現のための連携・協働を推進します。
  2. <ユース・人材育成>
    地域コミュニティや、社会課題分野ごとに、ESDを中心となって推進する若者をはじめとした人材を育てる取り組みを推進します。
  3. <地域コミュニティ・公民館でのESD推進>
    各中学校区で学校と公民館等が連携した取り組みを推進します。
  4. <学校のESD推進>
    各学校園でESD実践を広げるとともに、深めます。
  5. <優良事例の顕彰>
    モデルとなるESDの優良事例を顕彰するとともに、多くの市民に発信することにより、その取り組みを手本とした活動が各地で行われるよう仕組みを整えます。
  6. <ESD活動の拡大>
    ESD活動を広げ、公民館や学校以外の施設でも、ESDの拠点となる活動の場を増やします。
  7. <企業・事業者の取り組み促進>
    企業、行政機関でのESDの取り組みを推進します。
  8. <海外や国内との連携>
    海外や国内のESD関連組織と一層連携します。

(2)具体的な取り組み
重点プロジェクトを推進するための主な取り組みとしては、以下の取り組みを行います。

  1. <持続可能な地域の姿の共有>
    ・市民団体、公民館、行政、大学などで、持続可能な社会づくりに関する社会課題の解決や、将来ビジョンを創る参加型の学びの機会を促進します。
    ・ESDの意識を共有するため、市民参加型イベントを実施します。
    ・ESDに参加する各種団体が持続可能な社会づくりの目標をたてて活動し、その目標を公表します。
  2. <ユース・人材育成>
    ・地域コミュニティや社会課題分野ごとに、世代を超えて持続可能な社会づくりへの思いや知恵、技術の継承を図るとともに、ESDを中心的に推進する若者をはじめとした人材を育む取り組みやそのための場づくりを推進します。
    ・ESDを推進するためのコーディネーターの育成・確保を図るための取り組みを行います。
    ・大学やNPOと連携して、若い世代のESD実践者を増やす取り組みを進めます。
    ・ライフスタイルやデザインなど感性に働きかける手法を用いて、ESDを広めます。
  3. <地域コミュニティ・公民館でのESD推進>
    ・公民館におけるESD活動を一層推進します。
    ・学校と公民館の連携を図ります。
    ・大学、企業等の専門的分野の知識と、地域コミュニティのESD活動の実践が結びつく活動を促進します。
    ・公民館や学校で、地域住民や保護者、教職員がESDに関する情報に接する機会を増やします。
  4. <学校のESD推進>
    ・ユネスコスクールコンソーシアム(連合体)を形成し、構成メンバー間の連携や、国内外のユネスコスクールとの交流を通じて、ESD活動の充実を図ります。
    ・県内の学校間のネットワーク組織と連携し、異校種間でもESD活動の情報交換や交流ができる場をつくります。
    ・岡山市内の全校でESDを推進するために、ユネスコスクールに限らず全ての学校の教員を対象にしたESD研修を行います。
    ・教育課程の中にESDを位置づけ、ESDの視点で教育課程を見直し、よりよい教育課程を編成します。
    ・教員養成におけるESDの取り組みを進めます。
  5.  <優良事例の顕彰>
    ・様々な組織と連携し、ESD活動の評価、顕彰のための仕組みづくりを進めます。
    ・ESD活動の顕彰のため、「(仮称)岡山ESDアワード」を創設します。
  6. <ESD活動の拡大>
    ・ESDを各組織が協働して推進できるよう、助成制度の継続を含め、市民協働の取り組みを促進していきます。
    ・環境学習センターなどの環境教育施設、図書館、博物館、行政以外のコミュニティ拠点、その他広い意味での教育拠点などでもESD活動の取り組みが広がるような働きかけを行います。
  7. <企業・事業者の取り組み促進>
    ・事業活動における環境配慮活動やCSR活動、社会貢献型の調達、持続可能な生産と消費に向けた取り組みを促進します。
    ・各組織におけるESDの普及を図り、協議会や地域コミュニティでのESD活動への参加を促進していきます。
    ・多様な組織が集い、それぞれの組織における社会的責任(SR)活動や社会貢献の取り組みを進めていくための学習機会を提供します。
  8. <海外国内との連携>
    ・河川流域などで共通する社会課題解決に向けた広域的な連携を促進します。
    ・国内外の公民館、CLCとの交流を進めます。
    ・ユネスコスクールを中心とした国内外の学校間での交流を進めます。
    ・国内外のRCE地域と連携して人や情報の交流を進めます。

6.指標及び、5年後の達成目標

それぞれの目標達成へ向けた重点取り組み分野の指標は以下のとおりとします。

  1. <持続可能な地域の姿の共有>
    指標 現状(2014) 中間年(2017) 最終年(2019)
    岡山ESD推進協議会参加団体が、岡山地域全体や地域コミュニティの将来像や社会課題を話し合うワークショップ開催件数 3件 累計36件 累計60件
    岡山ESD推進協議会に登録した団体・組織数 226団体 260団体 300団体
    岡山市(ESD・市民協働推進センターの取り組み等)を含む多様な主体による課題解決のための取り組み件数 28件 累計90件 累計150件
  2. <ユース・人材育成>
    指標 現状(2014) 中間年(2017) 最終年(2019)
    ESDコーディネーターの人数 100人 160人 200人
    大学・高校、ユース向けESD講座受講者数 年間200人 累計600人 累計1,000人
    ESDコーディネーター研修修了者数 年間20人 累計60人 累計100人
  3. <地域コミュニティ・公民館でのESD推進>
    指標 現状(2014) 中間年(2017) 最終年(2019)
    ESDに関する公民館講座や行事 毎年、岡山市内全公民館で複数実施し、その内容の充実をはかります。
    岡山市内全中学校区での学校、公民館が連携した学習や実践活動 2中学校区 10中学校区 37中学校区
  4. <学校のESD推進>
    指標 現状(2014) 中間年(2017) 最終年(2019)
    学校教育基本計画にESDの推進を位置づけている学校 23% 100%(2018)
    各校から必ず出席しなければならないESD研修会 未実施 実施 実施
  5. <優良事例の顕彰>
    指標 現状(2014) 中間年(2017) 最終年(2019)
    ESD活動を対象とする顕彰制度 0 1 1
    「(仮称)岡山ESDアワード」応募団体数 累計60団体 累計100団体
  6. <ESD活動の拡大>
    指標 現状(2014) 中間年(2017) 最終年(2019)
    岡山ESD推進協議会に参加して、ESDに関する講座や情報提供を定期的に行う拠点施設数 累計124施設 累計160施設 累計200施設
    岡山市市民意識調査におけるESD活動の認知度(%) 15.4%(2013) 20% 30%
  7. <企業・事業者の取り組み促進>
    指標 現状(2014) 中間年(2017) 最終年(2019)
    岡山ESD推進協議会への企業の登録数 16事業所 30事業所 50事業所
    環境マネジメント活動やCSR活動、地域コミュニティのESD活動を促進する事業 年間2件 累計6件 累計10件
  8. <海外国内との連携>
    指標 現状(2014) 中間年(2017) 最終年(2019)
    岡山ESD推進協議会の参加登録団体と国内外のESD活動団体との新たな相互交流 2件 累計5件 累計15件

7.プロジェクトの推進に向けて

  1. 岡山ESD推進協議会を中心とした推進体制
    本プロジェクトは、国連大学が認定するRCE(ESD推進のための地域拠点)の推進母体である岡山ESD推進協議会を中心に、ESD推進に賛同する各組織・団体・機関がそれぞれの活動に応じた役割を担い、連携して推進します。
    (1) 協議会は、岡山地域の行政、研究機関、学校教育、社会教育、地域コミュニティ、民間非営利活動団体、企業、報道機関等で、本プロジェクトに賛同する各組織・団体・機関で構成します。
    (2) 協議会は、岡山地域全体のESDを推進するために、以下の役割を担います。
    (3) 協議会には、運営組織として、委員会、運営委員会、部会、事務局を設置します。
  2. 分野横断的な連携
    本プロジェクトの推進に当たっては、岡山市及び岡山市教育委員会の関係部署とともに、専門的な人材育成や情報提供を行う大学・研究機関、環境保全活動や社会課題解決の支援を行う中間支援組織、企業や団体の調整を行う機関などが、それぞれのネットワークを活かしたESD活動の支援を行いながら、分野横断的な連携を図ります。また、プロジェクトの実施に当たっては、若者の計画段階からの参画を推進します。
  3. 国内および国際的な連携
    本プロジェクトは、国内外のRCE認定地域や公民館、海外CLC、国内外のユネスコスクールと連携し、また、ユネスコ、国連大学等の国際機関に岡山地域のESD取り組み成果に関する情報提供等を行うことで、国際的な連携の中で推進します。
  4. 情報提供
    本プロジェクトの推進にあたり、ESDに関する各種情報、ニーズ(求められているもの)とシーズ(提供できるもの)の把握を行い、プロジェクト関係組織・個人間の情報交流を促進します。また、情報を求めている対象者にあわせて、マスメディア、インターネット、地域情報誌、チラシをはじめ様々な媒体やESD拠点施設を活用し、わかりやすい情報発信を行います。
  5. 岡山ESDプロジェクトの進行管理
    協議会は、毎年、運営委員会による進行管理を行うともに、中間年の3年目、及び、最終年には国連大学や大学等の専門家を交えた評価組織を設けて、岡山ESDプロジェクトの取り組みに対する評価、分析を行い、課題を抽出して解決策を検討します。
  6. 資源
    このプロジェクトを推進するための人材、資金、施設などの活動資源については、それぞれの組織が既存の資源を活用することを基本としますが、自治体予算以外の資金をはじめ、新たな活動資源の獲得に努めることとします。
    なお、協議会参加団体に対して助成措置を講じる場合には、それぞれの対象地域の自治体において負担することとします。

8.今後の展望

岡山地域は、2014年の「ESDに関するユネスコ世界会議」及び関連会議の岡山開催を最大限に活かし、世界に誇るESDに関する「岡山モデル」や「岡山宣言」を発信するなど、世界の先頭に立ってESDを牽引しています。そして、ユネスコが全世界で進めるESDに関するグローバル・アクション・プログラムや、日本政府などが進めるESD推進施策を追い風に、ESDによって地域の教育レベルを飛躍的に高め、持続可能な社会のための人づくりを進めています。
2014年の世界会議を契機に岡山市民に一層高まったESDの心が、「(E)えーものを(S)子孫の(D)代まで」をスローガンに、本基本構想の遂行を通してさらに育まれることにより、岡山モデルで示した公民館を核とした地域ぐるみのESD推進や、学社融合による体系化されたESDカリキュラムの実践など、岡山が先駆的に推進している取り組みを、革新的なアプローチの実証も含め、今後さらに充実、進展させていきます。
特に、世界会議の最終成果(「あいち・なごや宣言」)で、ESDが重要であると明示された気候変動、生物多様性の保全、防災、持続可能な消費と生産、児童の権利などの主要な課題については、地域全体に取り組みを広げ、ESDとしての具体的な成果をあげて世界に発信することで、世界のESD先進地域として、世界の持続可能な社会づくりに貢献したいと考えます。
世界の誰もが岡山にあこがれ、岡山のようになりたい、岡山へ学びに行きたいと思われる「持続可能で創造的な都市」になるよう、行政区域に関わらず広域的にESDを高めて発信していくことが、私たちにとっても、ひいては全人類にとっても、望ましい変革をもたらすことにつながると確信します。それが、これまでの岡山地域が歩んできた道の延長線上にある、岡山地域に相応しい今後の展望ではないでしょうか。
最後に、本基本構想を実行力のあるものにしていくためには、ユネスコと歩調を併せることはもちろんのこと、プロジェクト参加者一丸となって取り組む必要があります。このため、国内外の実施計画等との整合を図る必要が生じた場合には構想を見直し、さらに個別の社会課題に対するESDからのアプローチに取り組む必要が生じた場合には、弾力的に対応していくこととします。

(2015年4月24日 岡山ESD推進協議会委員会承認)

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