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「建部井堰(たけべいせき)」が「世界かんがい施設遺産」に登録されました

[2023年11月7日]

ID:38848

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 市では、「建部井堰」を建部地域の活性化につながる地域資源の一つとして位置づけるため、令和4年度から登録に向けた井堰の周知・広報などの活動を行っていたところ、令和5年11月4日、「第74回ICID国際執行理事会」(インドのヴィシャーカパトナムで開催)において、築造当時の状態で保全されてきたことが評価され、「建部井堰」の登録が決定しました。なお、岡山県内では、令和元年度に初めて登録された「倉安川・百間川かんがい排水施設群」に次いで「建部井堰」が2番目の登録施設となります。

建部井堰の写真1
建部井堰の写真2
建部井堰の写真(俯瞰)

提供:土木学会中国支部選奨土木遺産選考委員会

令和5年11月15日(水曜日)、農林水産省において開催された「世界かんがい施設遺産国内伝達式」に大森 雅夫岡山市長と森田 卓司岡山市議会副議長が出席し、農林水産省農村振興局の青山(せいやま)次長から建部井堰の世界かんがい施設遺産認定・登録証と盾を受領しました。

建部井堰の世界かんがい施設遺産認定・登録証を受領する大森雅夫岡山市長
建部井堰の世界かんがい施設遺産認定・登録証
建部井堰の世界かんがい施設遺産認定の盾


日本最大 総石張の取水堰「建部井堰」

江戸時代に築造された石造取水堰が今もなお現役!

 岡山市内より車で約1時間、旭川の中流に建部郷一帯の水田を潤す大井手用水の取水堰「建部井堰」があります。現存する石造取水堰の中でも突出して規模が大きく、かつ江戸期の石組みがそのままの状態で残る唯一の井堰です。

 全長は約650mで、現存する日本最大の農業用の石造取水堰です。堰本体の約500mは旭川にほぼ並行し、全面にわたって石組みがなさなれています。導水路側は整形された巨石が一列に並んでいますが、途中は旭川の本流に向かってなだらかに傾斜して、端部は断面の丸くなった巻石構造となっています。先端部の約100mは巨石による捨石構造で、川の中央部に向かって大きく湾曲しています。

また、旭川が備前と美作の国境をなしていたことから、川の中央で途切れた「片持ち式」の斜め堰となっており、極めて珍しい形態も建部井堰の特徴です。

 築造年代は明らかになっていませんが、岡山藩の藩政資料である池田家文庫の『備陽記』(享保6年)に、「奥津高郡品田村之枝久々ヨリ作州久米南条郡福渡ヘ築切井堰アリ」と記されていることから、少なくとも享保6(1721)年には存在していたことが確認できます。しかし、いつ、誰によって築造されたのか記された史料は、今のところ発見されていません。

岡山藩では大規模な干拓事業や用水開発が積極的に行われ、関連する史料も数多く残されています。建部井堰ほどの事業でありながら当時の記録が全く残されてないとすれば、歴代岡山藩主の中でも空白期とされる池田忠雄の時代(1628~32)に築造された可能性もあります。

平成20年度から4年がかりで実施された「建部郷一の口井堰を守る会」と岡山大学による調査によって、建部井堰が現存する日本最大の石造斜め堰で、現役でありながら江戸初期の姿を良好な状態で保っていることが明らかとなり、平成24年に土木学会選奨土木遺産に認定されています。

 石造取水堰の多くが安全管理上、コンクリートに改築される中で、建部井堰は地元の努力によって、現在も良好な状態で維持管理がなされています。

土木遺産認定書
土木遺産認定プレート
建部井堰に関するパネル

「たけべ八幡温泉」へ「建部井堰」の偉大さを収めた写真をパネルにして掲示中

建部井堰マップ

「建部井堰」地図

たけべ八幡温泉正面入口の写真

たけべ八幡温泉

【たけべ八幡温泉】

開館時間:午前10時から午後9時まで

開催場所:岡山市北区建部町建部上510番地1


お問い合わせ

北区役所 建部支所

所在地: 〒709-3198 岡山市北区建部町福渡489番地 [所在地の地図]

電話: 086-722-1111 ファクス: 086-722-3903

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