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岡山市立図書館整備基本計画(平成6年11月)

[2010年2月3日]

ID:9359

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はじめに

最近、「生涯学習」という言葉をよく耳にします。
「生涯学習」とはどういうことでしょうか。それは、人々がその人生を切り開いていくために、生涯にわたって、あらゆる場所、あらゆる機会を利用して、必要なことを学び続けることだと言えると思います。その主役は市民自身であり、行政の役割は市民の生涯学習を可能にする条件を整えることにあると考えています。
市民が必要とすることを学ぼうとするとき、そのための資料や情報を手軽に入手できることが第一に必要なことであり、その意味で、図書館の果たす役割は非常に大きなものがあります。
岡山市は、昭和57年に「岡山市立図書館整備基本計画」を策定し、この計画に基づいて中央図書館をはじめ市立図書館の整備に努めてきましたが、いまだ充分な整備ができているとは言い難い状況であることから、ここに「岡山市立図書館整備基本計画」を見直すことにしました。
今後は、本計画に基づいて、市立図書館の計画的整備、図書館サービス網の一層の充実に努めたいと考えますので、市民の皆様方のご理解、ご協力をよろしくお願い致します。

平成6年11月 岡山市教育委員会

目次

  1. 市立図書館整備の現況
  2. 計画改定の趣旨
  3. 計画の考え方
  4. 計画の基本指標
  5. 整備の基本方針
  6. 図書館の規模及びサービス網
  7. 建設計画
  8. コンピュータおよびニューメディアの利用によるサービスの向上
  9. 専門職員の配置
  10. 県内の公共図書館等との相互協力

1.市立図書館整備の現況

市立図書館の基本的機能は、学び、生活を楽しもうとするすべての市民に、必要な資料を提供することである。そのためには、市民がどこに住んでいてもその生活圏の中で図書館サービスを受けることができるように、全市的に図書館サービス網を形成する必要がある。
このような考えにより、本市では、図書館を計画的に整備するため、昭和57年に岡山市立図書館整備基本計画を策定した。この基本計画に基づいて、昭和58年に中央図書館を建設、併せてそれまで本館であった幸町図書館及び西大寺図書館を地区館に位置付けた。また、平成2年には総合文化体育館図書室を地区館化し、浦安総合公園図書館としてサービス網計画に組み込んだ。続いて平成4年には老朽化した幸町図書館の建替による規模の拡大と機能の充実を図ってきた。
この他、分館として京山公民館内に伊島図書館、足守公民館内に足守図書館の2館を設置しているほか、各地区公民館内に図書コーナーを設け、地域に密着した図書サービスの充実を図っている。
一方、図書館業務の効率化とサービスの迅速化を図るためのコンピュータシステムの導入については、現在、中央図書館と3地区図書館、1分館をオンライン化するとともに、移動図書館もコンピュータ化している。
しかしながら平成5年度末項在の貸出登録率は12%、市民一人当たり貸出冊数は4.4冊であり、施設整備に見合う成果は上げ得ていないのが実情である。
今後、現行計画通り整備が進むとしても、基本計画において整備の目標値とした「貸出登録率25%、市民一人当たりの貸出冊数6冊」の達成は非常に厳しい状況である。

2.計画改定の趣旨

今日、急速に情報化・高学歴化がすすみ、市民の図書館に対するニーズはより多様化していることに加えて、全国的に図書館の規模が大型化する傾向にあることを見ても明らかなように、身近なところに数多くの小規模図書館をという考え方から、多少遠くても豊富な図書資料と施設機能の充実した図書館を希望する傾向へと市民のニーズは変化してきている。
こうした市民意識の変化や本市の図書舘の状況、更に全国的な動向等を踏まえながら、地域のサービス拠点となる地区図書館のあり方や施設の規模、内容そして配置等の見直しを図ることにより、サービス目標値の達成を可能にする具体的方策の第一歩とするとともに、図書館サービス網の一層の充実を図るため、ここに基本計画を見直すものである。

3.計画の考え方

現在の社会情勢の変化や岡山市の図書館整備計画の進捗状況等を考えると、現計画に示されてきた最終的な目標数値の達成には相当の年月を要すると言わざるを得ない。
このため、今回の改正では、最終的な目標値達成を可能にするための基本的な考え方を示すことを主眼とした。
全市民が、どこに住んでいても豊かな図書館サービスを受けることができるようにすることが計画の最終的な目標であり、このことを常に視野にいれながら、今後とも状況の変化に対応しながら計画を進めることが必要である。

4.計画の基本的指標

平成12年度を整備計画全体の数値算定の基準となる年度とし、その推定人口を67.5万人と見込み、サービス目標値を次のように設定する。
イ.貸出登録率25%(登録者総数:16.9万人)
ロ.市民1人当たりの貸出冊数6冊(総貸出冊数:405万冊)

5.整備の基本方針

  1. 岡山市のすべての地域に図書館サービスが行きとどくものとする。
  2. 図書館サービス網は、中央図書館を全市的基幹施設として、また、地区図書館を地域における生活圏施設として位置付けるとともに、これを補完するために、より身近な施設として分室を設ける。
  3. 施設配置にあたっては、市の全体計画との整合を図り、また各地域の人口、および市民の生活動線によって、地区図書館および分室のサービス範囲と規模、および位置を考えるものとする。
  4. 地区図書館の規模を考えるにあたっての、奉仕対象人口と蔵書数、年間貸出冊数との関連の数値は、次の数式を基本とする。
    奉仕対象人口×30%×24冊=年間貸出冊数=蔵書数×4回転

6.図書館の規模及びサービス網

図書館を整備していく上での、それぞれの図書館の種類及び規模はおおむね次のとおりとする。
中央図書館 蔵書 60万冊から70万冊
地区図書館 蔵書(開架冊数)4万冊から10万冊
分室 蔵書(開架冊数)5千冊から1万冊
移動図書館
また、各図書館の担う役割並びにサービス内容等は次のとおりとする。

(1)中央図書館

岡山市の基幹図書館として、広範な資料の収集と保存、郷土資料・参考資料によるレファレンス・サービス等を行うとともに、岡山市立図書館のサービス網のセンターとして、コンピューター・オンラインサービスの中枢となり、また移動図書館や身体障害者への配本等のサービスの基地としての役割をはたす。また、県内県外の他の図書館や関連機関との相互協力の窓口としての役割をつとめる。
周辺の地域に対しては地区図書館と同じサービスを行う。

(2)地区図書館

地域への図書館サービスの拠点として、基幹となる地区図書館を設ける。また、一定の人口規模を有しながら、地理的条件等によりサービスの行き届かない地域には、より小規模の地区図書館を整備する。
地区図書館の規模とサービス範囲、および位置については、基本方針をもとに次の点を考慮する。

  1. 基幹となる地区図書館は、現在の図書館利用に見られる市民のニーズや全国的な図書館施設の動向等を考慮し、おおよそ8万冊~10万冊の規模を基本とする。
  2. 地区図書館の位置とサービス範囲の設定については、市民が日常的に利用できることを基本とし、市の全体計画や他の公共施設配置計画との整合、既設の中央図書館や幸町・西大寺・浦安図書館等との位置関係、地域の人口や生活動線等を勘案して、最終的には、サービスの空白地域を生じないよう計画しながら、目標数値の達成を目指すものとする。

主要機能

  • 貸出、閲覧、予約サービス
  • 調査、研究(レファレンスサービス)
  • 身体障害者への配本等のサービス
  • AVサービス
  • 文化活動、集会など学習機会の提供
  • その他

(3)分室

より身近なサービスポイントとして分室を設ける。公民館図書コーナーが地区図書館の直接の奉仕範囲に重ならない場合はこれを分室にあてるものとする。

主要機能

  • 貸出、予約サービス
  • その他

(4)移動図書館

図書館関係施設で十分にカバーできないサービスの空白地、遠隔地などに巡回サービスを行う。
また地域文車、家庭文庫、各種団体、学校、病院等への団体貸出、身体障害者への家庭配本サービスを行う。

7.建設計画

当面、基幹となる地区図書館の整備を最優先課題とし、同時にさまざまな状況の変化に柔軟に対応しながら計画を進めるものとする。
基幹となる地区図書館の整備に一定の目途が立った段階で、地域の変化や目標達成度を見極め、必要な場合は再度見直しを図るものとする。
地域の基幹となる地区図書館は、人口の集積、生活動線等を考慮して、おおむね次のように整備する。

  1. 新設整備 北部地域、西部地域、東部地域
  2. 移転整備 西大寺地域

8.コンピュータおよびニューメディアの利用によるサービスの向上

平成元年4月にスタートしたコンピュータ・オンラインシステムは中央図書館、3地区図書館、1分館、移動図書館がコンピュータ化され、順調に伸展している。
今後ともサービスの向上を図るために、コンピュータ・オンラインシステムを一層発展させるとともに、パソコン通信等による市民への情報サービスを進め、また、AV機器やCD-ROM、オンライン検索、光ディスクなど、急速に進歩するニューメディアに積極的に対応する。

9.専門職員の配置

図書館サービスを向上させるうえで、専門職員の果たす役割はきわめて大きい。特に近年は市民の読書要求の量的な増大と、質的な幅の広がり、コンピュータやその他のニューメディアの導入、複数館によるネットワークの形成などの諸要素の変化によって、優れた専門職員を求める声は市民からも高まっている。
本市においても、これを時代の要求と受け止め、図書館の規模とサービスの実情にあった適切な専門職員の配置を考える。

10.県内の公共図書館等との相互協力

市立図書館が地域住民への直接サービスを担うのに対して、県立図書館は市町村立図書館では応えることができない範囲の資料を整備することによって、市町村立図書館を援助することを主たる役割としている。
岡山県立図書館の建設計画の成り行きも見定めながら、県内の公共図書館をはじめ、県内外の図書館や関連施設との機能分担、相互協力により、一層幅広いサービスが提供できるよう努める。

関連情報

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