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生物多様性・ダルマガエルの保全活動

[2014年8月14日]

ID:40863

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ダルマガエルってどんな生きもの?

ずんぐりとした体つきに「グエェェェ」という鳴き声が特徴のダルマガエル。正式な種名はナゴヤダルマガエルといいます。


環境省レッドリスト絶滅危惧IB類※に登録されている貴重な生きもので、東海地方、および長野県の限られた地域に生息しています。とくに瀬戸内海沿岸のダルマガエルは「岡山種族」と呼ばれ、独特の模様や生態をしています。

ダルマガエルの主なすみかは、私たちの身近にある田んぼです。
しかし最近では、開発によって田んぼが埋め立てられたことなどが原因で、ダルマガエルの数が減ってきています。

ダルマガエルの様子

ダルマガエル

※環境省レッドリスト:日本全国で絶滅するおそれのある野生生物についてリストアップし、絶滅の危険度をランク付けしたもの。
絶滅危惧IB類:IA類に次いで、近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの.


大野地区で行われているダルマガエルの保全活動

大野ダルマガエル保全プロジェクトの参加者の写真

大野ダルマガエル保全プロジェクトの参加者

団体データ


豊かな自然環境と田園風景が広がる大野地区には、昔からダルマガエルが生息しています。

しかし、最近では開発によって地区の田んぼが減るにしたがい、ダルマガエルの数は大きく減ってきています。

そんなダルマガエルを保全するために、「大野ダルマガエル保全プロジェクト※」は2006年(平成18年)から活動をスタート。活動は一年を通じて行われており、ダルマガエルを保全している田んぼ(通称:ダルたん)の整備をしたり、ダルマガエルの鳴き声やカエルの観察をもとに生息数を調査したりしています。また新しく開発が行われる時には、ダルマガエルを一匹一匹保護して、ダルマガエルにとって安全な田んぼに移したりと、地道ながらも着実な活動を行っています。

大野ダルマガエル保全プロジェクトは、ダルマガエルや多様な生きものが生息する豊かな自然環境と人間の暮らしが調和した地域をつくるために、みんなで考え行動するきっかけをつくっています。


※このプロジェクトには、地域の人々や企業(株式会社ウエスコ、株式会社サンキョウ-エンビックス、開発に関係する事業者)、岡山の自然を守る会、岡山市などが参加しています。


田植えの体験イベント

大野ダルマガエル保全プロジェクトでは、地域の人が誰でもダルマガエルの保全活動に参加できるように、大きなイベントを年に三回程度開催しています。今回は2014年6月22日(日曜)にダルたんで行われた田植えの体験イベントにおじゃましました!

ESDマン

約30組の親子が参加したよ!岡山市内だけじゃなく、市外から参加した人もいたんだって!

イベントではまず、子どもたちが生きものを捕まえて種類ごとに分け、ダルマガエルや田んぼに生息する生きものの生態系について学びました。
最初は恐る恐る田んぼに足をふみいれる子もいましたが、ひんやり冷たいどろの感覚になれるとワクワクした表情で走りまわるようになりました。

子どもたちがダルマガエルをつかまえている写真

子どもたちがダルマガエルをつかまえている様子

つかまえたダルマガエルについて親子で話し合っている写真

つかまえたダルマガエルについて親子で話し合っている様子

「背中のまん中に線がなくて、黒い斑紋があるのがダルマガエルだよ!」
「背中がツルツルしているのがヌマガエルで、ザラザラしているのがツチガエルだよ!」


終わるころになると、子どもたちは小さな生きもの博士に変身!子どもたち同士でカエルの種類を教えあう姿も見られました。


ダルマガエルの生息する環境づくり

その後、ダルマガエルが生息する田んぼをより身近なものとして感じるきっかけをつくるために、親子で田植えを行いました。

またダルたんでは、岡山理科大学の学生や企業、地域の方々の手作業で田んぼの中に「みぞ」がつくられました。みぞには、田んぼに水がなくなる時期でも水が残ります。そのため、水辺が好きなダルマガエルはみぞに集まってきて、エサを食べたり隠れたりできます。またみぞがあるおかげで、カエルのオタマジャクシは大人になるまで成長できます。

田んぼにできるみぞの図

こうした工夫によって、乾燥に弱いダルマガエルが繁殖したり隠れたりしやすい水辺の環境を生み出しているのです。


イベントを通じて、参加した人々がダルマガエルについて理解を深めただけでなく、活動を継続してきた中で大野地区に暮らす人々の中に、「人間の暮らしがダルマガエルの生息する環境とつながっている」という意識がめばえています。

田植えをする親子の写真

田植えをする親子の様子

田植えをする参加者の写真

田植えをする参加者

ダルたんでは、ごくわずかしか農薬を使いません。
そこでとれた安全なお米は、「だるま米」として、収穫祭のイベントなどで販売されています。


イベントの参加者が、身近にある田んぼの大切さについて考えるきっかけをつくるだけでなく、地域の人々に安全なお米を大事にする心を育み、地産地消への理解を広めています。


また今年から、大野地区で農薬や化学肥料を減らして作られたお米の一部は、「大野ダルマの大合唱」というブランド名で販売し、どんぐりポイント※の対象となる予定です。このお米を買ってポイントを集めると、環境を守るために取り組む団体への支援として、活動に必要な商品に交換したり、寄付を行ったりすることができます。このように、ダルマガエルが生息する田んぼのお米を食べることが、環境を守る行動にもつながっていきます。


※どんぐりポイントは、カーボンオフセット(温室効果ガスを排出する中で削減し切れない量を、別のシーンで排出削減、吸収活動に資金を提供することで埋め合わせすること)の製品の一部につけられています。今回は、岡山市が行っているバイオ燃料への取り組み(家庭から回収した使用済天ぷら油をバスやごみ収集車などのディーゼル車の燃料としてリサイクル)で削減された温室効果ガスとオフセットします。
どんぐりポイントについてはESDカフェでも紹介しています!ぜひご覧ください!

環境省希少野生動植物種保存推進員 伊藤邦夫さんにお話をきいてみたよ!

伊藤邦夫さんにお話をきいている様子

「昔の大野地区には、たくさんのダルマガエルが生息していましたが、高度経済成長期に行われた開発と乾田の普及でその生息数はどんどん減っていきました。
『このままでは生物多様性が保てなくなり、いずれ私たち人間の暮らす環境にも影響が出るかもしれない』。そんな想いから大野ダルマガエル保全プロジェクトはスタートしました。
ダルマガエルの保全活動を通じて、『多様な生きものが生息する水辺の環境を守るためにどうすればいいか』について考えるきっかけをつくり、環境を守るために行動する人を地域ぐるみで育てることを目指しています。そして、多様な生きものが生息する自然環境と人間の暮らしが調和した地域を未来へ残していきたいですね。」


ダルマガエルを観察するESDマンといぬ

ダルマガエルの保全活動を通じて、身近な水辺の環境を守るために自ら考え行動する人を育てているんだね。まさにこの活動はESDだね!


大野ダルマガエル保全プロジェクトの活動は、動画でも紹介されています。ぜひご覧ください!

上記の動画のサムネイル画像、または以下のリンクから岡山市公式YouTubeチャンネルに移動し動画を視聴することができます。

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