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おかやまESDフォーラム2021

[2021年12月17日]

ID:38620

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ESDフォーラム/ESD岡山アワードとは?

今回で7回目となるESD岡山アワード。国内外の地域コミュニティにおいてESDの普及に貢献し、世界のモデルとなる優れた取り組みを募集し表彰するもので、2015年度から実施されています。

2021年11月20日(土曜日)に「おかやまESDフォーラム2021」が開催され、第一部ではESD岡山アワード2021の表彰と授賞団体のプレゼンテーション、第二部ではESDに取り組む高校生による活動発表と参加者による意見交換・交流が行われました。

おかやまESDフォーラム2021

第1部 ESD岡山アワード2021授賞団体表彰

第1部はESD岡山アワード2021の表彰。今年は応募国・地域数、応募件数のいずれも過去最高となる世界48の国・地域から118件の応募があり、厳正な審査の結果、2件の取り組みがESD岡山アワードに選出されました。

表彰は各授賞団体の代表と会場をオンラインでつないで行われました。大森雅夫岡山市長からは「いずれも地域の特性を踏まえて実施された優れたESD活動だと思います。ESDのさらなる普及促進にこれからも力添えをお願いします」と祝辞を述べられました。また、阿部宏史ESD岡山アワード運営委員長からは、5人の専門家による審査にあたって、それぞれの取り組みにおける特に評価された点について講評がありました。

祝辞(Zoom中継)

大森雅夫岡山市長からの祝辞

講評

阿部宏史委員長からの講評

授賞事業プレゼンテーション

続いて、授賞団体の代表者による取り組みのプレゼンテーションが行われました。

  • 事業名
    多様な手法による水質改善事業
    Wise Wayz Water Care
  • 団体名
    人々と地球のための仲間たち(南アフリカ共和国)
    Triple-P ― Partners for People and Planet (Republic of South Africa)
Ms Ntswaki Ditlhale
多様な手法による水質改善事業

南アフリカ共和国の非営利団体が、ダーバン市に流れる河川周辺地域において、社会、経済、環境問題を包括的に解決するための河川環境改善事業。流域住民の健康改善と、住民による率先した河川管理を促し、持続可能な経済発展ができるよう支援しています。事業は河川流域の廃棄物処理と外来植物の除去、河川の水質管理、水道配管の管理、農業等の技能開発とビジネス展開など多岐にわたります。

  • 事業名
    リテラシー教育への第一歩事業
    Ladders to Literacy
  • 団体名
    Streets to Schools(フィリピン共和国)
    (Republic of the Philippines)
Mr. Qjiel Giuliano Mikhi Z. Mariano
リテラシー教育への第一歩事業

フィリピンの若者や子どもたち主導の非営利団体が実施する識字教育に関する事業。貧困等あらゆる境遇の子どもたちにも質の高い教育を与え、持続可能な開発目標(SDGs)に向けた行動を促すことに焦点を当てています。若者や子どもたち自身が、地域のさまざまな人たちの協力を得てSDGsに関する絵本を作成。女性の地位向上、公衆衛生、コミュニティの安全安心、子どもの権利、リーダー育成、貧困改善など、各地域が直面する課題に合わせて、さまざまなテーマに取り組んでいます。

第2部 高校生による取組発表/高校生と参加者による意見交換・交流

高校生による取組発表

第2部ではESD活動に取り組む高校生による発表が行われました。

岡山城東高校の発表の様子

岡山城東高校の発表

岡山一宮高校の発表の様子

岡山一宮高校の発表

最初に発表を行ったのは岡山城東高校の生徒。「Fill the wisdom gap of menstruation ~for All of us~」と題した発表では、高校生を対象にしたアンケートにより月経に関する知識差の存在が見られたこと、そして男女差にとらわれず私たちすべてが正しい月経知識を持つための教育機会創出に向けた取り組みについて、研究成果と今後の展望が述べられました。

続いて発表を行った岡山一宮高校ユネスコ部のテーマは「フードロス~私達にできること~」。食料を海外から輸入している国が仮に自国で食料を生産したと仮定したときに必要とされる仮想の水「バーチャルウォーター」に注目したユネスコ部のメンバーは、食料輸送が最小限となる「地産地消」の推進が水不足解消につながるのではないかと提言。また、食べ残しを持ち帰るための「ドギーバッグ」に関する調査を行うなど、食をテーマにした研究と課題解決のための展望について発表がありました。

矢掛高校の発表の様子

矢掛高校の発表

岡山学芸館高校の発表の様子

岡山学芸館高校の発表

続いて矢掛高校の生徒からは、総合コースの2年生・3年生を対象にした学校設定教科である「やかげ学」の活動について発表がありました。2010年にスタートした「やかげ学」は、その名が示すとおり矢掛町という町そのものを教材としていますが、知識の習得だけではなく、地域の施設を1年間にわたって訪問して活動を行う「まち実習」が特徴です。町の施設の方や卒業生へのインタビューを通じて、「やかげ学」が地域に与えた様々な好影響についても紹介されました。

最後に発表を行った岡山学芸館高校のテーマは「独居老人世帯における生活支援と自立支援のあり方を考える~SNSを利用した孤食離脱プロジェクト~」。超高齢化社会に突入した日本において、高齢者の孤食が死亡リスクになる可能性があるという研究結果に注目し、高齢者の孤食離脱を目指すことで健康寿命を高めるための方法を模索する取り組みです。SNSを活用した「食でつながる温かいコミュニティ」の研究成果と、ともに当事者意識をもって活動することの重要性についても発表がありました。

「いいね!」を掲げる参加者の写真

「いいね!」を掲げる参加者

池田運営委員長による解説の様子

池田運営委員長による解説

高校生による発表を聞く会場の参加者は、発表の途中「いいね!」と思ったポイントでグッドサインを掲げて感想を伝えます。オンライン配信でも視聴者からグッドボタンによるフィードバックがありました。各高校の発表の後には、岡山ESD推進協議会の池田運営委員長から、各校の取組内容や発表の良かった点について解説が行われました。また各校の発表に対する感想やアドバイスは会場のホワイトボードにも掲示されました。

ホワイトボードでの共有

会場のホワイトボード

高校生と参加者による意見交換・交流

第2部の後半は、高校生と参加者による意見交換と交流です。

意見交換・交流(会場)

会場の様子

意見交換・交流(オンライン)

オンラインでの意見交換・交流

ESD・市民協働推進センターの野﨑さんのファシリテーションのもと、高校生と大人が混ざるかたちで、会場は6班、オンラインは2班に分かれて、「∞年後の高校生が地域でイキイキと暮らすためには?」をテーマに自由な意見交換が行われました。

話し合い内容の共有

話し合いの内容を共有

意見交換・交流の後、各班からはメンバーで話し合ったことを共有するための発表が行われました。世代を超えた交流を通じて得られた新しい学びの内容や、地域や企業と高校生とのかかわりを今後さらに深めていくことの重要性などについて、参加者間で共有されました。

岩田事務局長の総評

岩田事務局長からの総評

阿部委員長の閉会あいさつの様子

阿部委員長の閉会あいさつ

岡山ESD推進協議会の岩田事務局長からの総評では「第2部の内容はユースのエンパワーメントを大事にしたいという想いで企画しました。各校の発表からは学校の特色を活かした興味深い学びの結果が見え、後半の交流会でも様々な立場の人と話をすることで、ESD・学びの大切さをあらためて認識することができました。今後も皆さまの取り組みを支援していきたいと思います」と述べられました。最後に、阿部委員長からは「充実した会になりました。来年度も必ず実施したいと思います」と閉会あいさつがありました。