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企業対象の取組【企業のSDGsと社会貢献活動基礎講座】

[2022年4月15日]

ID:42826

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SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)の達成に向けた取組が拡大する中、岡山市内においても自社の資源やノウハウを生かした社会貢献活動に取り組む企業が増えてきました。

一方で、「SDGsを正しく理解できているか不安」「どのように取り組み始めたら良いのかわからない」などの声を聞くことも出てきました。

そこで岡山市では、地域課題の解決に向けた企業の取り組みを推進し、企業が地域とどのように共生していくかについて理解を深めることを目的に、「企業のSDGsと社会貢献活動基礎講座」を開催しました。

「これから社会貢献活動に取り組みたい」、「SDGsについて基本的な話を聞きたい」など、関心のある企業22社のほか、団体・行政から計60名が参加し、SDGsの基本的な理解、2030年以降の展開、企業の社会貢献活動の取組事例などを学びました。

写真1

SDGsの基本理解と今後の展望 講師:濱西栄司准教授(ノートルダム清心女子大学文学部現代社会学科、地域連携・SDGs推進センター長)

濱西先生からは、2000年から2015年までに取り組まれたMDGs(Millennium Development Goals:ミレニアム開発目標)の成果を受けて、SDGsが始まった経過について、まず解説がありました。
そして、世間ではテレビ・新聞、企業PR、雑誌・書籍など多くの媒体でSDGsが取り上げられていますが、正確な理解に基づく取り上げ方をされているのか、疑問を呈しました。

私たちがよく理解すべきこととして、SDGsの17目標にあわせて定められた169のターゲットをクリアすることが大切で、なんでもかんでもSDGsにあたるという考え方は修正しなければならないこと。また、2030年を期限とするSDGsの達成に向けて、あとわずかな期間であると切迫感を持って取り組むべきであることを強く訴えました。
すなわち、本来のSDGsとは、以下のことです。

  1. このままでは地球が持たない、とくかく変革・行動する
  2. 厳密なターゲットがある
  3. 環境・人権・貧困撲滅の取組
  4. SDGより社会的サステナビリティ=時限的ではなく、今後も継続する人類の課題である

2025年には新しいゴール(目標)について議論が開始されます。
そのゴールは今より厳しいものになることが見込まれ、取組への真剣さが求められることを感じました。

ノートルダム清心女子大学ではSDGsに関する教育を進めており、2022年度から全1学年の必修科目になることで、学生の求職活動に企業がSDGsに取り組んでいるかどうかも関係しそうです。

授業以外の時間に行われたSDG11・SDG13の取組として、企業と一緒にももちゃりマップの制作もあります。学科を越えた活動が、ますます企業イメージに影響しそうです。

最後に、企業のSDGsに関する取組が評価されるために、「(1)正確な理解、先駆的な活動」「(2)強い独自性を生かすこと」の必要性を説かれました。

大学では1コマ90分の講義ですが、それを45分に凝縮した内容でした。大学の講義を聞いているようだったとの参加者の感想もありましたが、まさに、そのとおりであったと思います。

地域に根付いた社会貢献活動 講師:深谷信介教授(ノートルダム清心女子大学人間生活学部人間生活学科)

講師の深谷先生は、昨年度まで広告代理店に勤務しており、企業人であり教育者です。
先生は、長年マーケティング、ブランディングを担当しており、その視点からSDGsについて語っていただきました。

まず、「企業とは、社会の中で重要な役割を果たす公共的な存在」であること、すなわち営利だけを求める組織ではないことをあげられました。

たとえば、(株)ブリヂストンの社是は「最高の品質で社会に貢献」です。岡山の企業にも「豊かさを世の中に提供できる集団であること」といった公共性を示す社是があります。

企業活動とSDGsは、別個に存在して寄せていくものではなく、元から重なっているものなのです。

情報化社会の中で、誰に・何を・いつ・どこで・どれぐらい伝えるのか?JIS、windouws、SDSsといった規格の中で、何をするべきか。そういった視点も大切です。

今、中央(東京)の企業が地域に新たな顧客を求めて地方に出てきています。そこで地域課題に取り組み、地域への良いインパクトをもたらしています。地元企業もそのことを意識して、どのような取組が必要か、よく考えることが大切です。どういった視点をもって経済活動をするか。企業のブランディングの必要性などを解説されました。

また、深谷ゼミでは、学生の力でカフェを事業化することに取り組んでいます。関心のある企業は、連絡してほしいとのことです。

写真2

参加者アンケートでは、SDGsの取組や社会貢献活動に現在は取り組んでいない理由として、「社内でうまく浸透できない」「自社の事業との関わりを見いだせていない」「自社の事業としてどのように取り組めば良いのかわからない」などがあげられました。

今後開催してほしい講座として、「企業の活動事例を知る講座」「活動を始めるための具体的な方法を学ぶ講座」「企業間の交流を深めるワークショップ」などの回答が多く、活動の企画や展開を自社のみで完結するのではなく、他社との連携などを意識していることがわかりました。

グローバル企業の活動、地元企業の活動など、企業によるSDGsの達成に向けた取組は規模も内容も多種多様です。
自社とは異なるノウハウをもつ企業間の協働や、地域住民などとの連携・共生を意識した取組を広げていくために、今後も企業を対象にした取組を続けていきます。

なお、岡山市ではSDGs・ESD推進課と市民協働企画総務課が、SDGsの取組を検討している企業や市民に向けて、岡山の企業の取組を紹介することでSDGsの活動に取り組む機運の醸成を図り、SDGs達成に向けた企業の社会貢献活動の取組を推進することを目的に「SDGs 持続可能な社会をつくる、岡山市の企業53」を令和4年3月に発行しました。以下のページからご覧ください。