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「コミュニティー型まちづくり」と都市計画

[2010年2月7日]

ID:12143

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1.都市計画の変革

20世紀の都市計画は、工業技術の発達にともない都市の効率性・機能性・利便性を追及してきました。これに対し、21世紀の都市計画は、その成果に基礎を置きながらも新たに快適性・都市文化・コミュニティなど質的充実を追求するものへ転換が求められています。

岡山市においては、都市マスタープランにおいて、都市計画における基本姿勢を、6項目にわたり示していますが、そのなかの1項目として<「広域型まちづくり」から「コミュニティ型まちづくり」へ>を挙げています。これは、都市全体を対象とする広域的な都市整備の視点に加えて、市民に身近なコミュニティレベルの生活環境を市民との協働作業で創造し、地区毎のまちづくりの積み上げにより都市全体のまちづくりを達成するものであり、また、あらゆる場面で市民参加の機会の拡大を図るというものです。

この「コミュニティ型まちづくり」を実現する手法として考えられているのが、地区計画制度です。

2.地区計画の目的

住みよい住環境の創造や美しい街並みの形成の実現は、個々の建築活動が思い思いの仕方で行われた場合には困難となります。このような弊害を解決するために地区計画制度が役に立ちます。

地区計画制度は、それぞれの地区にふさわしい市民合意のきめ細やかな「まちづくりのルール」を市民と岡山市が協働して定め、この「まちづくりのルール」に基づいて道路の整備や建築物の建築などを行っていくことにより、住みよい住環境の創造や美しい街並みの形成など地区単位の総合的なまちづくりをすすめていく制度です。

3.地区計画の特徴

市街化区域に必ず定められている用途地域をベースに、地区の状況と目標に応じて、次の1~5のようにきめ細かなまちづくりが可能です。

1.地区特性に応じた用途制限や形態制限ができる

地区の将来像を実現するため、用途制限や形態制限を地区特性に応じて巧みに利用することによって様々な特色ある個性豊かなまちづくりができます。

2.個性的で魅力的な都市景観が形成できる

建築物等の形態及び意匠やかき又はさくの構造等景観構成要素を地区特性に応じてきめ細かく規制し良好な都市景観を誘導できます。

3.地区施設の指定ができる

必要な地区施設を定めることによって、都市基盤整備と土地利用が一体的に計画され均衡がとれた良好な市街地形成が可能です。

4.一般的な規制を地区独自の建築ルールに置き換えることができる

その地区特有の状況にふさわしい形で都市空間の整備を積極的に誘導するため一般的な規制を地区独自の建築ルールに置き換えることができます。

5.市民主体の協働型まちづくりができる

地区計画の策定にあたっては民主的な手続きが行われ、また、運用にあたっては「届出・勧告制」が採用されています。住民自ら定め運用するという点で正に市民主体の協働型まちづくりといえます。

4.地区計画の適用可能性

都心部などの商業拠点

地区まちづくりの課題

  • 商業や業務施設を誘導する
  • 商業拠点としてふさわしい土地の有効利用を図る
  • 魅力的な街並みをつくる

地区計画によるルールの例

  • 商業・業務系用途に制限し、賑わいを創出する
  • 敷地規模や容積率、高さの最低限度を決め、土地の高度利用を推進する
  • 外壁や屋根の色彩の統一、広告看板の面積制限を行い、拠点にふさわしい統一感のある街並みをつくる
商業拠点のイメージ写真

既存の商店街

地区まちづくりの課題

  • 道路が狭く、買い物客が安心して歩けない
  • 店舗が連続していないところや風俗店舗が進出しているところがある
  • 魅力的な街並みをつくる

地区計画によるルールの例

  • 建物の1階部分は敷地境界線よりも下がって道路空間を広くし、歩行者空間を創出する
  • 1階部分は店舗や銀行などの業務施設に用途を制限し、商店街としての連続性をつくる
  • 商店街にふさわしくない風俗店舗の進出を防止する
  • 建物の高さや外壁の色、屋根などのデザインを揃えることによって統一感ある街並みをつくる

密集した住宅地

地区まちづくりの課題

  • 道路が狭い
  • 公園などのオープンスペースが少ない
  • 住宅と工場が混在している

地区計画によるルールの例

  • 道路を広げたり、行き止まり道路をつなげたりする
  • 新しい道路の位置を決める
  • 建物の建っていない敷地や移転する敷地などを活かして小さな公園を増やしていく
  • 地区を主に住宅を建てるところと、工場などを建てるところに分けて誘導する

良好な住宅地

地区まちづくりの課題

  • 今の住環境を守るために住宅以外は建てられないようにしたい
  • 高層のマンションが建って日当たりなどが悪くなるのを防ぎたい
  • ゆとりがあり、緑豊かな環境を維持したり、もっと緑を増やしたい
  • 個々の敷地が小さくなって建て詰まることを防ぎたい

地区計画によるルールの例

  • 住宅以外の用途の建物は制限する
  • あるいは日常生活品を販売する店舗と住居に限定する
  • 建物の高さを制限して、2階建て、あるいは3階建てまでとし、現在の環境を保全する
  • 生垣とする
  • 前庭に植木を植えられるように外壁の位置を道路から離して、みんなで前庭を確保する
  • 敷地面積の最低限度を決め現在の敷地の広さを維持する
良好な住宅地のイメージ写真

計画的に開発された住宅地でこれから家を建てる地区

地区まちづくりの課題

  • 純粋な住宅地をつくるために住宅以外は建てられないようにしたい
  • 現在の敷地の規模を維持し、ゆとりある住宅地を形成したい
  • ゆとりがあり、緑豊かな環境を維持したり、もっと緑を増やしたい
  • 落ち着きある街並みを形成したい

地区計画によるルールの例

  • 住宅以外の用途の建物は制限する
  • あるいは日常生活品を販売する店舗と住居に限定する
  • 敷地面積の最低限度を決め現在の敷地が分割されるのを防ぐ
  • 生垣とする
  • 前庭に植木を植えられるように外壁の位置を道路から離して、みんなで前庭を確保する
  • 外壁の色彩や、屋根の形態などを統一する
計画的に開発された住宅地でこれから家を建てる地区イメージ写真

内容については、全国地区計画推進協議会「地区計画 みんなでつくるまちづくり」パンフレットを参考にしています。

お問い合わせ

都市整備局都市・交通部都市計画課 土地利用係

所在地: 〒700-8544 岡山市北区大供一丁目1番1号 [所在地の地図]

電話: 086-803-1372 ファクス: 086-803-1741

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