性感染症（STI）について

　性感染症（STI*）とは、細菌やウイルスなどがセックスやキス、ペッティングなどの性行為によって性器・泌尿器・口腔などに接触することで感染する病気です。

*Sexually Transmitted Infectionの略。STD（Sexually Transmitted Diseases)ということもあります。

　性感染症の予防にはコンドームの正しい使用が有効です。気になる症状がある場合や、感染が疑われる場合はまず相談、検査を受けましょう。

　岡山市保健所では、エイズ・性感染症についての相談や、検査を行っています。秘密(匿名）かつ無料です。疑問や不安に思っていることがありましたら、気軽にご相談ください。

　エイズ・性感染症ホットライン：086-803-1269（詳細は下記ホームページをご覧ください。）

• 岡山市ホームページ「エイズ・性感染症　相談・検査」はこちら

• HIV/エイズ
• 梅毒
• 性器クラミジア感染症
• 淋菌感染症（淋病）
• 性器ヘルペスウイルス感染症
• 尖圭コンジローマ
• 膣トリコモナス症
• ケジラミ症
• 性器カンジダ症

　HIV（ウイルス）に感染することでエイズを発症する感染症です。HIVに感染してからエイズを発症するまでの潜伏期間が長く、一般的な潜伏期間は約10年といわれています。

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　梅毒とは、梅毒トレポネーマによる細菌性の性感染症です。全国や岡山市でも感染者が増加しており、注意が必要です。

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　性感染症のなかで最も感染者が多い性感染症です。細菌の一種であるクラミジアに感染することで発症します。

　主に性交渉により、感染部と粘膜との接触や分泌物との接触により感染します。また、性交類似行為により咽頭に感染することがあります。また、妊婦が感染すると、出産時の産道感染により母子感染することがあります。

　男性では、尿道炎により、排尿痛・尿道不快感・腫れなどの症状が出ることがあります。女性では、子宮頸管炎・骨盤内付属器炎・肝周囲炎などの症状や不妊などを起こすことがあります。咽頭への感染では、咽頭炎により首のリンパ節が腫れるなどの症状があります。また、母子感染によって、新生児に結膜炎や肺炎を起こすことがあります。

　潜伏期間は1から3週間といわれており、感染しても自覚症状がなく気がつかないこともあります。また、性器クラミジアに感染していると、HIV感染症などの他の感染症に感染しやすくなります。

　※男性では半数が、女性では7から8割が症状が軽く、自覚がなく菌を保有しているため注意が必要です。

治療には抗菌薬の内服が有効です。

　細菌の一種である淋菌に感染することによる性感染症です。

　淋菌は主に性行為時に、感染部位の粘膜との接触や分泌物との接触により感染します。また、妊婦が感染すると、出産時の産道感染により母子感染することがあります。

　感染者が使用したタオルや手指を介して感染する可能性があります。

　男性では、急性尿道炎により膿や粘液性の分泌物が出現し、排尿時にうずくような痛みが現れます。また、症状が進行すると前立腺炎や精巣上体炎になったり、治療後に無精子症を生じる可能性があります。女性では、子宮頸管炎や尿道炎を発症しますが、自覚症状がない場合もあります。

　治療には抗菌薬の内服が有効です。

　単純ヘルペスウイルスによる性感染症です。

　主に性行為により、性器の表面・感染した皮膚・体液との接触で感染します。

　感染をしても無症状で気が付かないことが多々あります。性器の表面や子宮頸部などの感染部位に、小さな水疱や発疹、腫瘍の集まりがうずくような痛みとともに見られます。また、ヘルペスウイルスは神経細胞に潜伏するため、症状が治まっても、心身の疲労や月経、性行為などの刺激により再発を繰り返します。

　治療には抗ヘルペスウイルス薬を使用します。

　尖圭コンジローマはヒトパピローマウイルス6，11型などが原因となるウイルス性性感染症です。

　ヒトパピローマウイルスは主に性行為により感染する感染症です。特に粘膜が接触することで傷口からウイルスが侵入し感染します。まれに、手指や病変部位に接触を介して感染する場合があります。

　一般的に自覚症状はありませんが、外陰部や性器の腫瘤や違和感、帯下（おりもの）の増加、かゆみが見られます。また、男女ともに肛門及び周辺部、尿道部に鳥の鶏冠のようないぼができるのが特徴です。

　治療には、薬物治療や凍結療法及び切除などの外科的療法があります。

　膣トリコモナスとは、膣トリコモナス原虫が膣や子宮頸管に寄生することでで感染する感染症です。

　トリコモナスは主に性交渉により感染する感染症です。性交渉以外でも、下着・タオル・便器・浴室での感染リスクもあります。性交渉の経験がない女性や幼児にもしばしば感染者が見られることも特徴の一つです。

　男性ではほとんど症状が出ませんが、尿道炎の症状がでる場合があります。女性では主に、泡状の悪臭の強い帯下や膣内が熱いと感じるかゆみ、外陰部が赤くただれる、排尿時痛などがあります。

　治療には、抗トリコモナス剤の内服薬や膣錠が有効です。

　ケジラミが人間の体毛に寄生して繁殖を行い、強い痒みを引き起こす感染症です。

　直接的な接触により陰毛に感染します。ケジラミが寄生した陰毛から感染することがほとんどですが、寝具やタオルなどを介して感染することもあります。

　主な症状は陰部の皮膚の激しい痒みです。

　治療には、患部の剃毛によりケジラミの駆除を行います。

　カビの一種であるカンジダ菌が口の中や膣に感染することによって感染する感染症です。

　性器カンジダは主に性交渉により感染する感染症です。性交渉以外にも、下着・タオル・浴室での感染リスクがあります。

　男性では尿道に違和感・かゆみ・炎症（排尿、性交時痛）が見られます。女性では、性器周辺の痒みや発疹、粘度の高い白いヨーグルト状の帯下（酒粕状・カッテージチーズ状など）の増加や排尿時・性交渉時の痛みなどの症状がみられます。

　感染をしても症状が出現するまでに何年もかかることがあり、ストレスや他の病気で免疫力が低下した時に出現します。

　治療には、抗菌薬の使用が有効です。