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消し太の予防救急

[2019年11月25日]

ID:18347

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ここは桃の国の桃消防署。土曜日は消防車を整備する日だ。ミニ消防車の消し太は桃之助に整備を受けている。

消し太を整備している。

桃之助「消し太、このごろいないことが多いよね?この前も消火鬼との放水訓練をすっぽかしたんだってね。消火鬼、怒ってたよ。」

消化鬼の訓練はしつこいからな(笑)オレはもっと大事な任務で人間世界にいってたんだ。おかげで超有望な協力者も仲間にしたんだからな。

桃之助「へえ。どんな仲間?教えてよ。」

消し太「ああ。話してやってもいいぜ。」

あれは、人間世界の消防士さんが、予防救急かるたを使って、事故や病気を防ぐ心がけについて話をしているときのことだ。その中にあの小学生の女の子がいたんだ。

消防士「予防救急かるたには、気をつけてもらいたいことを読み札に書いています。そして、かるたは、しっかり聞いて、目で探して、札を取りにいく。お年寄りの方には、頭にも体にもいい運動になります。消防署で貸し出ししています。」

かるたは面白かった。消防士さんの話では、お年寄りにいいみたい。
小学生の女の子「よし!借りて帰って、おばあちゃんと一緒にやーろおっと!」
ワタシは消防士さんからかるたを借りておばあちゃん家に行った。

えー!おばあちゃん、どうしたん?

おばあちゃんは、右手に包帯を巻いていた。
おばあちゃん「廊下ですべって転んじゃってね。そんときに右手をついて骨折しちゃったんよ。せっかくかるたを持ってきてもらったのに治るまではできんわ。ごめんねぇ。」

その日は、けがをしたおばあちゃんの代わりに洗濯物をしまったり、お手伝いをして帰った。
夜、ベッドの中で目を閉じると、おばあちゃんの右手をけがした姿が浮かんだ。おばあちゃんが心配。予防救急、けがの予防って、とっても大事なことだったんだ。

消し太「キミ、いいね。」

突然、声がしてびっくり!目を開けると小さな消防車が、フワフワと浮かんでいる

オレは消し太。桃の国の消防車だ。オレ、今日キミを見てた。消防士から予防救急カルタを借りて、おばあちゃんとしようと思ってたとこ。おばあちゃんのお手伝いをしてたとこ。今も、心配してるとこ。
いい!そんな優しいキミはオレの仲間になる資格がある。

消し太「オレは時空をとびこえて出動することができる。もしキミがオレと一緒に出動するなら、おばあちゃんのけがを防げるかもしれない。一緒に行くかい?」

大好きなおばあちゃんのためにワタシは消し太にのりこんだ。

消し太「よし!ミニ消防車、消し太、出動だ!」

出動だ!

消し太のまわりの風景が、ゆがんでいって、だんだん真っ暗になっていった。

おそるおそる目を開けると、自分の部屋だった。時間はお昼みたいだ。

消し太「キミのおばあちゃんが転んでけがする前の時間に来たよ。正確にはおばあちゃんは明日の夕方、自分の家の廊下で転ぶ。」

女の子「え~!どうしょう!どうすりゃあ、ええん?」

消し太「いいもの持ってるから一緒にのせておいたぜ。」

予防救急かるた!調べてみると、お年寄りが転ばないように注意をうながす札が何枚かあった。

予防救急かるたの一例(家の中段差をなくして快適に、風呂場にも転倒防止手すりつけ)

小学生の女の子「お年寄りは、いったんけがをすると、けがが重くなったり長引くんか。転倒は家の中が7割。段差につまづいたり、滑って転ぶことに注意する必要があるんじゃね。」
「おばあちゃん、廊下ですべって転んだって言うとった。廊下はスリッパを履いたままだとすべるって、前も言うとったわ。よし!」
ワタシはおサイフをにぎって部屋からとび出した。

さいふ

お父さん「おばあちゃんに、何か買ってあげたんだってね。すごいじゃん。」
その日の夕ご飯のとき。お父さんから、ほめられた。
小学生の女の子「今日、おばあちゃんに、裏にすべり止めのついたスリッパをプレゼントしたんよ。転ばないようにねって!」

すべり止めのついたスリッパ

女の子はお父さんに、予防救急かるたには、少しの段差や、お風呂場で転ぶこともあるって書いてあったんよと説明した。お父さんは、おばあちゃん家に段差をなくしたり、手すりをつけたりしてくれることを約束して、やさしく頭をなでてくれた。
お父さん「おばあちゃんと相談して、転びにくい家にするよ!」

えらい!

ワタシはスリッパをプレゼントして良かったなと思った。

消し太「その気持ち、忘れるんじゃないぞ。」

遠くからワタシだけに声が聞こえる。

消し太「キミは、おばあちゃんを心配する優しい子だった。そして、優しさから一歩踏み出して行動をした。キミの行動が、周りを動かしたんだ。おばあちゃんは転ばずにすむだろう。」

でも、終わりじゃない。これからも、まわりのみんなを助ける行動を続けてくれ!キミは桃の国の仲間だ。これからも一緒に頑張ろう!

エールを残して、消し太の声は聞こえなくなった。

桃之助「消し太、泣いてるの?」

消し太「泣いてなんかいねえよ!オイルが目にしみただけさ。」

桃之助「いい仲間だね!」

消し太「ああ。桃消防署も負けてられねえぞ!ファイト!」

桃之助「オー!」

おしまい。

予防救急

このお話は転倒についてでしたが、転倒以外にも、熱中症、誤嚥・窒息、ヒートショック(冬場のお風呂での事故)など、心がけ次第で防ぐことができるケガや病気はたくさんあります。消防署は、予防救急の活動によって、皆さんの健康で充実した生活を応援します。
『119 No thank you. Because we are fine.』
(救急車は必要ありません。私たち元気ですから)

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