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津寺(加茂小)遺跡の特殊器台

[2010年5月14日]

ID:5614

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収蔵品紹介 第85回

津寺遺跡の特殊器台
  • 名称
    特殊器台形土器
  • 出土遺跡
    津寺遺跡(加茂小学校)
    岡山市北区津寺
  • 時期
    弥生時代後期末

津寺遺跡は足守川流域平野のほぼ中央に位置する集落遺跡です。弥生時代には、備中南部の中核的な集落だったと考えられます。
加茂小学校の校舎建設に伴い出土した特殊器台片です。特殊器台とは墳墓の祭祀-埋葬祭祀に使用される吉備の国特有の土器です。脚部に近い位置の破片で、間帯と文様帯の一部が残っています。文様帯文様は綾杉紋を縦方向に配置したもの、脚部には鋸歯紋が施されます。間帯は粘土帯を張り付けてつくられており凹線紋が施されています。こうした特徴から、倉敷市・楯築弥生墳丘墓などから出土している、もっとも古いタイプの特殊器台のようです。
この破片はほとんど風化しておらず、文様や製作技法の特徴が非常によく観察できます。
まず、胎土ですが、褐色がかった特徴的なもので、きらきら光る鉱物-角閃石を含んでいます。外面には赤色顔料が塗られています。よく見ると、間帯がはがれた下の面にも赤色顔料が塗られていることがわかります。文様帯の文様は非常に鋭利な道具で赤色顔料の上から描かれています。一方、脚部の鋸歯紋は上に赤色顔料がかぶっています。文様帯をよく見ると、赤色顔料の下に非常に細い線があることがわかります。どうやら文様などの割付線のようです。
以上から、特殊器台は、整形→(乾燥)→赤色顔料塗布→文様の行程を何度か繰り返して作っているようです。特殊器台の製作自体が祭祀行為だったのかもしれません。また、この特殊器台片には使用された痕跡も見あたりません。焼成時に破損したため廃棄されたものの可能性が高く、津寺遺跡で特殊器台が作られていた証拠ともいえます。

このページに関するお問い合わせ先

岡山市埋蔵文化財センター

電話:086-270-5066 ファクス:086-270-5067
所在地:〒703-8284 岡山市中区網浜834-1[地図別ウィンドウで開く
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午前9時から午後4時30分まで
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