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東山遺跡の吉備型甕

[2010年2月3日]

ID:5112

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収蔵品紹介 第40回

東山遺跡の吉備型甕
  • 名称
    甕形土器(吉備型甕)
  • 出土遺跡
    東山遺跡
    岡山市北区川入
  • 時期
    弥生時代後期

東山遺跡は、備中一宮である吉備津神社の南約500mの位置にある集落遺跡です。弥生時代前期の遺構や遺物もありますが、本格的な集落が形成されるようになるのは、弥生j時代後期になってからです。竪穴住居、井戸、柱穴、土壙などの数多くの遺構が検出されました。このあたりの中心的な集落であったと考えられます。今回紹介する吉備型甕は、井戸の底から出土したもので、井戸に関係するお祭りがおこなわれた時に埋められたものです。弥生時代の井戸を発掘すると、完全な形の土器が出土する場合が多く、時期が下るにしたがって甕ばかりを埋める傾向が強くなります。しかも、甕の表面はススが付着して真っ黒で、炭化した米が認められる場合もあることから、飯ごうとして使用したことは明らかです。さて、弥生時代後期になると、日本列島の各地で地域的なまとまりができます。岡山県全域と広島県の一部を含んだ範囲は吉備と呼ばれていました。ほかには、出雲、讃岐、河内、大和などがあります。それぞれの呼称は、今でも通じるもので、そういった意味で、現在までつながるような社会の骨組みがこの時期にできたという表現も可能かと思われます。それぞれの地域には、その地域独自のものがいくつも生み出されました。吉備型甕もその1つです。極限まで薄く仕上げた器壁の厚さは、当時の土器のなかでは最先端の技術を示しており、吉備型甕がほかの地域の模範になったという意見もあるくらいです。

このページに関するお問い合わせ先

岡山市埋蔵文化財センター

電話:086-270-5066 ファクス:086-270-5067
所在地:〒703-8284 岡山市中区網浜834-1[地図別ウィンドウで開く
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午前9時から午後4時30分まで
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