ページの先頭です

共通メニューなどをスキップして本文へ

Language

プラスチックごみ問題

[2023年3月30日]

ID:46319

ソーシャルサイトへのリンクは別ウィンドウで開きます

プラスチックごみの地球環境への影響

プラスチックを亀や魚が飲み込むイラスト

私たちの暮らしに欠かせないプラスチックは、食品容器やペットボトルだけでなく、家電製品や自動車、建物に至るまで、さまざまなところで使われています。

現在、世界中で脱プラスチックの動きが加速しています。身近なところでは飲食店での紙ストローの採用や、スーパー等でのレジ袋の有料化などが記憶に新しいと思います。

その背景には、適切に処理されなかったプラスチックごみによる海洋汚染や、製造や焼却時に出る二酸化炭素の増加による地球温暖化など、さまざまな環境問題が絡んでいます。

プラスチックについて

プラスチックの語源は、ギリシャ語の「プラスティコス(plastikos)」、日本語では「形づくることができる」という意味になります。

石油から製造されるプラスチックは、熱や圧力を加えることでいろいろな形に加工でき、軽量で丈夫なプラスチックはさまざまな製品に使用され、私たちの生活を豊かにしてくれています。

プラスチックごみ

プラスチック廃棄物発生量の推移のグラフ

プラスチックの生産量は世界的に増大しており、1950年以降生産されたプラスチックは83億トンを超えています。
また、生産の増大に伴い廃棄量も増えており、63億トンがごみとして廃棄されたと言われています。
現状のペースでは、2050年までに250億トンのプラスチック廃棄物が発生し、120億トン以上のプラスチックが埋立・自然投棄されると予測されています。

2015年の産業分野別の世界のプラスチック生産割合 包装36% 建物と建築16% 繊維14% 消費者及び業務用製品10% 輸送7% 電気電子機器4% 産業機械1% その他12%

プラスチックの製造用途は、2015年の産業分野別の世界のプラスチック生産割合のグラフを見ると、容器包装製品の割合が最も多く、全体の36%を占めています。

海洋プラスチックごみ問題について

海洋プラスチックごみが絡まっているウミガメ

プラスチックは賢く付き合えば私たちに恩恵をもたらすものですが、資源循環の分野では、不適正な管理等により海洋に流出した海洋プラスチックごみが世界的な課題となっています。海洋プラスチックごみは生態系を含めた海洋環境の悪化や海岸機能の低下、景観への悪影響、船舶航行の障害、漁業や観光への影響など、様々な問題を引き起こしています。
具体的には、例えば生態系との関係では、世界中から、死んだ海鳥の胃の中から誤って食べたプラスチックが多く見つかり、魚の胃の中からも、細かいプラスチックが発見されています。
また、海中などに放棄され又は流出した網やカゴなどの漁具が、長期間にわたって水生生物に危害を加えることもあると言われています。これは、持ち主のいなくなった漁具が人の管理を離れて長期間水生生物を捕獲することからゴースト・フィッシングとも呼ばれており、生態系だけでなく、漁業にも悪影響を与えています。

BAUシナリオにおけるプラスチック量の拡大予想 2050年度には海洋における魚とプラスチックの比率が1:1に

海洋プラスチックごみの量は極めて膨大であり、世界全体では、毎年約800万トンのプラスチックごみが海洋に流出しているとの報告があります。
また、この報告では、このままでは2050年には海洋中のプラスチックごみの重量が魚の重量を超えるとの試算もしています。

マイクロプラスチックについて

マイクロプラスチック(一般に5mm以下の微細なプラスチック類をいう)による海洋生態系への影響も懸念されています。

マイクロプラスチックは、プラスチックごみが波や紫外線等の影響により小さくなることにより、あるいは洗顔料や歯磨き粉にスクラブ剤として使われてきたプラスチックの粒子や合成繊維の衣料の洗濯等によっても発生します。

製造の際に化学物質が添加されていたり、プラスチックの漂流の際に化学物質が吸着することにより、マイクロプラスチックに有害物質が含まれていることがあります。具体的な影響は必ずしも明らかにはされていませんが、含有・吸着する化学物質が食物連鎖に取り込まれることによる生態系に及ぼす影響が懸念されています。

北極や南極においてもマイクロプラスチックが観測されたとの報告もあり、地球規模の海洋汚染となっています。

マイクロプラスチック(1~4.75mm)の密度分布(モデルによる予測)の世界地図 日本周辺海域はキロ平方メートルあたり1000個以上を占めている

海洋プラスチックごみの量

こうした海洋プラスチックごみの主要排出源は東アジア地域及び東南アジア地域であるという推計があります。もっとも2017年に環境省が行った日本に漂着した漂着ごみのモニタリング調査によれば、日本語表記のペットボトルも相当な割合を占めるなど外国から漂着するごみだけでなく、私たちが排出したごみも海岸に漂着しています。海洋プラスチックごみ問題は新興国・途上国だけではなく我が国を含め世界全体の課題です。

プラスチックと上手に付き合うために私たち一人一人にできることを考えていきましょう。



■出典

・環境省ホームページ「環境省_令和2年版 環境・循環型社会・生物多様性白書 状況第1部第1章第3節 海洋プラスチックごみ汚染・生物多様性の損失」(https://www.env.go.jp/policy/hakusyo/r02/html/hj20010103.htm)より

お問い合わせ

岡山市役所環境局環境部環境事業課資源循環推進室

所在地: 〒700-8554 岡山市北区大供一丁目2番3号

電話: 086-803-1321  ファクス: 086-803-1876

お問い合わせフォーム