令和7年9月30日、本委員会は議会及び市長に対して、職員の給与等に関する報告及び勧告を行いました。
人事委員会による勧告制度は、職員の労働基本権制約の代償措置として、職員に対して社会一般の情勢に適応した適正な勤務条件を確保することを目的に、地方公務員法に規定する諸原則に基づいて地域の民間給与水準との均衡を図ることが基本
企業規模50人以上、かつ、事業所規模50人以上の市内355の民間事業所から121事業所を無作為抽出し、本年4月分の給与等を調査(調査完了率87.8%)
なお、今般の国における官民給与の比較方法の見直しを踏まえ、本市における公民給与の比較について、比較対象企業規模を「50人以上」から「100人以上」に見直し
職員と民間における4月分給与を対比させ、主な給与決定要素である役職段階、学歴、年齢階層の同じ者同士を比較
昨年8月から本年7月までの1年間の民間の支給実績(支給割合)と職員の支給月数を比較
行政職給料表 | ・民間の初任給の状況等を勘案し、1級の初任給基準となる号給については、大学卒は12,000円、高校卒は14,000円引き上げ、若年層が在職する号給から改定額を逓減させつつ、全ての職員を対象に引上げ改定 ・定年前再任用短時間勤務職員の基準給料月額は、各級の改定額を踏まえた引上げ改定 |
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行政職給料表以外の給料表 【教育職給料表(3)、 医療職給料表(1)を除く】 | ・行政職給料表との均衡を基本に改定 |
教育職給料表(3) | ・教育職員の職務等の特殊性、他の地方公共団体の状況及びこれまでの改定の経緯等を踏まえた改定 |
医療職給料表(1) | ・国との均衡を基本に改定 |
0.05月分引上げ(4.60月分から4.65月分)
支給月数の引上げ分は、民間の特別給の支給状況や人事院勧告の内容等を踏まえ、期末手当及び勤勉手当の支給月数に均等に配分
区分 | 現行 | 令和7年度(改定後) | 令和8年度以降(改定後) |
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6月期 期末手当 | 1.25月 | 1.25月(支給済) | 1.2625月 |
6月期 勤勉手当 | 1.05月 | 1.05月(支給済) | 1.0625月 |
12月期 期末手当 | 1.25月 | 1.275月 | 1.2625月 |
12月期 勤勉手当 | 1.05月 | 1.075月 | 1.0625月 |
年間計 | 4.60月 | 4.65月 | 4.65月 |
医師及び歯科医師に対する初任給調整手当について、国との均衡を基本に改定
令和7年4月1日(ただし、特別給については改正条例の公布の日から実施)
本委員会は、昨年、人事院が示した給与制度のアップデートに関する措置の趣旨等を踏まえ、初任給の大幅引上げ、扶養手当の見直しについて勧告するとともに、その他具体的な措置について検討していく必要があると報告。本市においては、通勤手当の支給限度額の引上げ、管理職員特別勤務手当の支給対象時間帯の拡大、再任用職員に対する住居手当の支給についても実施済
その他の措置について、国における見直しの趣旨や他都市の状況、本市の実態等を総合的に勘案した結果、次の措置を実施することが適当
主任級から課長級までは、各級の初号の給料月額を引き上げ、部長級以上では、役割の重さに見合った処遇とするため、給料水準を見直し、職務や職責をより重視した給料体系へ
なお、部長級以上において、昇給制度等の見直しにより成績優秀者に一層大きな給与上昇を確保する措置については、他都市の状況、本市の実態等を踏まえ、引き続き検討していくことが必要
支給割合について、国との均衡を考慮し、4%に引上げ(現行3%)
令和8年4月1日
交通用具使用者に係る通勤手当について、今般の国の見直しを踏まえ、他都市や民間事業所の状況、本市の実態等に留意しつつ、見直しを行うことが必要
公立学校の教育職員の給与等に関する今般の法改正の趣旨等を踏まえ、適切に対応していくことが必要
今後の国の検討状況等について注視していくことが必要
人材確保の厳しい状況を踏まえて、採用手法・人材育成・給与等のあり方について一体的な取組を推進することにより、競争力を向上させ、組織を支える多様で有為な人材を継続的に確保していくことが必要。本市が活躍の場として「選ばれる」ため、採用広報活動の強化や試験制度の見直しを更に進めていくことが必要
人材育成については、組織全体で取り組んでいくことが重要。職員の新たな学びやキャリア形成の動機付けとなるような研修等を継続的に実施することで、個人の学びが仕事に活かされ、キャリアパスにつながることを実感し、次の成長の意欲となるような好循環を形成していくことが必要
公務員倫理については、全ての職員が、公務内外を問わず、自らの行動が公務の信用に大きな影響を与えることを常に意識し、高い倫理観と強い使命感を持って公務に全力を尽くすことが必要
全ての職員が職務に対するやりがいと誇りを保ち、職員一人ひとりがその個性に応じて多様な能力を十分に発揮することができるよう、共働き・共育ての推進など、男女問わず働きやすい職場環境づくりに向けて総合的に取り組み、女性職員の活躍を一層推進していくことが必要
引き続き国や他都市の動向等を踏まえながら必要な措置を検討するととともに、性別や雇用形態にかかわりなく仕事と家事・育児・介護等を両立して活躍できる職場環境づくりと柔軟な働き方の推進について、取組を進めていくことが必要
各職場においては、管理職員がマネジメント能力とリーダーシップを一層発揮して、一部の職員に過重な負担がかからないよう、業務配分の見直し等に取り組むとともに、職員一人ひとりが働き方改革についての意識を高めて、計画的・効率的な業務遂行に努めることが重要。任命権者においては、引き続きこれらの取組の重要性の周知や人員の適切な配置等を行っていくことが必要
心身の不調やハラスメントの未然防止・早期発見・早期対応のための取組を継続するとともに、職員間のコミュニケーションをより積極的に行って相互に関心を払い、明るく風通しの良い職場環境づくりに取り組んでいくことが必要
高齢層職員の制度全体の今後のあり方については、職員の役割・貢献に応じた処遇を確保する中で、健康で、高いモチベーションを保ちつつ、その経験・技術を十分に発揮・継承し、家族の介護等をしながらでも様々な形で活躍できるよう、引き続き国や他都市の動向を注視しながら、本市の実態を踏まえて検討していくことが必要
会計年度任用職員制度が、引き続き適正かつ円滑に運用されるよう、国や他都市の動向を注視しながら、常勤職員との均衡、本市の実態を踏まえ、適時適切に対応していくことが必要
全ての職員が市政運営の担い手として重要な役割を果たしており、人材確保や行政サービス向上の観点からも、それぞれの職務の内容と責任に応じた適切な処遇の確保と良好な職場環境の整備に引き続き努めていくことが必要
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