潅水とその方法


潅水に気を付けるのは、苗木を植え付けた年「1年間で」、その他はばらの「生死」でなく、良い花を咲かす為の潅水です。

苗木といえども、水やりの間隔は各々の土質を考慮してやること。

植え付け当初は、水はけの良い土地で3日置きに5〜6回程度。
水持ちの良い土地で4日〜6日置きに4回程度やると良いでしょう。
その後は乾燥の程度に合わして都度潅水すること。
特に見逃せないのは夏場の7月・8月は当然の事ながら冬場(1月・2月)の乾燥です。

うまい「床作り」と「マルチング」に気を配れば、潅水に煩わされる事は著しく少なくなります、しかし品種によってはかなり水を要求するものも有ることを見逃してはいけません。

基本的には、ばら本来の力で自らの居場所(環境)に適応して伸長する筈です、人がしてやれるのは環境適応までの手助けですが、いかんせん環境適応が可能な枠を越えた品種を収集栽培していること、いわゆる例外的ケ−スの方が通例となっていることが多いのが現状です。

水やりの時はタップリとやること、やりすぎはありません。
「潅水はタップリ」の理由は、水が少量ですと表土付近しか湿気ません、ばらの根は水を欲しがって表土近くに向かって伸びてきます、その結果表土近くに張られた根が暑さ寒さに影響されやすい、水欲しさが為に張られた「仮の根張り」になり、僅かな寒暖にも影響されやすい厄介な木に成ります。

置き肥(追肥、お礼肥)等を施している場合は、降水又は潅水が無ければ、当然効果は望めません、雨の少ない時は潅水することで肥料の効果を引き出して下さい、その際は潅水目的と両方を果たして下さい。
小雨の直後も効果的です(表土が湿気て居るので施水が浸透しやすい)。

液肥を利用するときも同様です(濃度障害に注意)。

冬場の潅水は晴天の午前中(午後施すと夜間に表面の水分が凍結し根際を痛める恐れがあります)、夏場の潅水も朝方早く表土が焼け付かない内に(表土が高温になってからでは熱湯を注ぐようになります)タップリとやります。

剪定直前は潅水を控えます、剪定予定数日前はタップリと潅水。

剪定直後は潅水を控えます、剪定完了数日後はタップリと潅水。

発芽が始まったらその直後に乾燥させないで適度に潅水する事(発芽時の水分不足はブラインドの原因に成ります)。

潅水の目的にはもう一つ、残留肥料を流失させる役目もあります(特に窒素分の残留は良い花を咲かせません)。

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