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合流式下水道緊急改善計画について

[2011年11月14日]

ID:17167

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合流式下水道について

下水道のシステムには大きく分けて、分流式と、合流式と呼ばれる2つの方式があります。
分流式は、汚水と雨水を別々の管で分けて流す方式です。合流式は、汚水と雨水を合流し1つの管で流す方式です。つまり合流式下水道は、管を1本埋めるだけで、雨水排水も同時に行えるという大きな利点があります。
一方では、下水管や処理場の能力を超える雨の場合には、一部の下水が、未処理のままで河川や海域に放流されているという問題点を有しています。

分流式下水道

分流式下水道の構造を示したイメージ図

合流式下水道

合流式下水道の構造を示したイメージ図

降雨初期の汚濁状況

雨天時の合流式下水道では、降雨初期に流出する下水の汚濁が高濃度になる特性があります。このような現象を、ファーストフラッシュと呼んでいます。ファーストフラッシュは、晴天時に路面や管きょ内に堆積した汚濁物質が、雨水によって洗い流されるため生じると考えられます。下の写真は、未処理下水を、雨の降り始めから10分毎に採取したもので、10分~30分後までが非常に濃くなっていることがわかります。合流式下水道の改善対策では、ファーストフラッシュ時の下水を未処理放流させないようにすることが、効果的で経済的とされています。

ファーストフラッシュ時の下水の汚濁状況を説明する写真と画像

合流式下水道緊急改善事業の背景

このような、合流式下水道の問題点を改善するため、国において、平成14年度に「合流式下水道緊急改善事業」が創設され、計画期間が5年以内の緊急改善計画を作成し事業に着手する都市には、国から補助金が重点的に助成されることになりました。

また、平成15年度には、政令が一部改正され、雨天時における放流水に関する新たな水質基準が制定されています。

平成14年5月:「合流式下水道緊急改善事業」の創設

合流式下水道改善事業の全体計画をもとに、計画期間5年間以内の「合流式下水道緊急改善計画」を作成し、事業に着手する都市には、国から補助金が助成されることになりました。

平成15年9月:下水道法施行令の一部を改正する政令の公布

雨天時における放流水に関する新たな水質基準が制定されました。(平成16年4月1日施行)

雨天時における放流水に関する新たな水質基準の説明の画像

岡山市の合流式下水道緊急改善計画について

本市では、「合流式下水道緊急改善事業」制度を活用して、合流式下水道の改善に向け平成17年度から事業着手しています。平成21年度に、合流式下水道緊急改善計画の期間(5年間)が終了することから、計画期間の変更を行い、平成25年度を目標として事業を実施しました。

本市の合流式下水道区域

下水道は、第二次世界大戦後、産業の発展と都市への人口集中が進む中、本格的な整備が始まりました。このころ、急激な都市化に伴う都市衛生の改善が急務となっており、1本の下水道管を埋設するだけで処理が可能な合流式下水道が、効率的かつ経済的な観点から、大都市を中心に多く採用されてきました。
岡山市では、本市の中心部を含む旭西処理区にて合流式下水道を採用しています。
旭西処理区では、雨天時に下水処理場で処理しきれない雨水の流入があったときに一部の下水とともに未処理で河川に放流しています。具体的には天瀬ポンプ場、旭西排水センターから旭川へ、巌井ポンプ場から笹ヶ瀬ポンプ場を経由して笹ヶ瀬川へと3ヶ所から放流しています。

旭西処理区のポンプ場の位置と放流先を示した画像

合流式下水道緊急改善計画の目標と対策

合流式下水道の改善目標と対策については以下のとおりです。

合流式下水道の改善目標と対策をまとめた表

※BOD 微生物が水の中の有機物(よごれの原因)を分解するのに使われた酸素量のことで水のよごれを示す代表的な指標

雨水滞水池(30,000m3)

降雨によって下水処理場で処理しきれない量の流入があったときに、一旦貯水して晴天日に処理を行います。特に降雨初期のよごれが大きいファーストフラッシュを貯水することを目的に、水処理機能を廃止した旭西排水センター(旧旭西浄化センター)を雨水滞水池に転用しています。

雨水滞水池(上部)の写真

雨水滞水池(上部)

雨水滞水池(内部)の写真

雨水滞水池(内部)

高速雨水処理(15,000m3/日)

雨水滞水池が満水になっても降雨が続いているときに高速雨水処理を使って雨水の中のよごれを強制的に除去し、滅菌して旭川に放流を行います。

高速雨水処理(全景)の写真

高速雨水処理(全景)

高速雨水処理(薬品注入装置)の写真

高速雨水処理(薬品注入装置)

簡易処理(341,040m3/日)

さらに降雨が続いているときは、簡易処理して旭川に放流します。ここでは雨水が通過する際に、よごれを自然に沈殿させて、上水を滅菌したのちに旭川に放流します。

簡易処理(上部)の写真

簡易処理(上部)

簡易処理(内部)の写真

簡易処理(内部)

合流改善対策事業の評価

平成19年度から平成25年度にかけて合流改善対策を実施し、目標に対する結果は次の通りでした。

合流改善対策を実施後、放流される汚濁負荷量が目標値まで削減された事を示す画像とグラフ
合流改善対策を実施後、雨天時放流水の水質が基準値以下になった事を示す画像とグラフ
合流改善対策を実施後、旭西排水区のポンプ場の未処理放流回数が目標値以下になった事を示す画像とグラフ

平成26年度から平成27年度の水質結果などから、合流式下水道緊急改善目標のいずれも達成できたことが確認できました。
今後、引き続き水質などの測定を実施し、良好な公共用水域の水質が保たれるように運用を行っていきます。

お問い合わせ

下水道河川局下水道経営部下水道河川計画課 計画係

所在地: 〒700-8554 岡山市北区大供一丁目2番3号 [所在地の地図]

電話: 086-803-1499 ファクス: 086-803-1747

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