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平岡西遺跡出土 スタンプ文土器

[2010年2月3日]

ID:5241

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収蔵品紹介 第70回

平岡西遺跡出土 スタンプ文土器
スタンプ文土器(拡大)
  • 名称
    器台形土器(スタンプ文土器)
  • 出土遺跡
    平岡西遺跡
    岡山市北区御津平岡西
  • 時期
    弥生時代後期

平岡西遺跡は、1988年に発見された五城の平岡西地区にある遺跡です。
今回紹介する土器は、この遺跡から出土した弥生時代終わり頃(およそ1800年前)のものです。一般に、弥生土器は縄文土器に比べて文様が少なく形もシンプルです。特に弥生時代も終わり頃になると、文様のある土器はほとんどありません。ところが、この平岡西遺跡の一本の溝から、スタンプを押し付けて文様が付けられている器台や壺が、まとまって見つかりました。器台は、径20センチ、高さ50センチ以上の筒状の台で、物を乗せる台です。外から見える部分すべてと、大きく開いた口の内側にまで、三角形や逆S字形のスタンプ文様が付けられています。壺は、径30センチほどの玉ねぎ形の胴部に筒状の口が付いているものです。これも全面に三角形や丸形、鳥形のスタンプ文様が付けられています。
これらの文様の意味を考えるとき、まず注目するのは鳥形のスタンプ文様です。鳥は左向きで、丸い頭に長いくちばしがあり、胴体は蛇腹を「6」字形にして表わされています。先月号でお話ししましたが、古代の人々にとって鳥は神聖なものと考えられていました。また、壺の底を見ると、粘土が硬くなる前に、径十センチほどの穴が開けられ、壺としての用を成さないようになっています。これらのことから、この文様のついた器台や壺は、何かの祀りに使われたと考えられます。スタンプで文様を付けた弥生土器は、現在の鳥取県でよく見つかります。なかでも土器棺によく見られることから、お葬式に使われたと考えられています。
平岡西遺跡で見つかったたくさんの文様付き土器も、お葬式のお祈りに使われた後、溝に捨てられたのでしょう。

このページに関するお問い合わせ先

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所在地:〒703-8284 岡山市中区網浜834-1[地図別ウィンドウで開く
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