伝染性紅斑は、ヒトパルボウイルスB19による感染症です。小児を中心にみられる流行性の病気で両頬がリンゴのように赤くなることから、「リンゴ病」と呼ばれることもあります。岡山市内では8月中旬から増加し始め、警報レベルの感染状況が続いています。
伝染性紅斑は、約10~20日の潜伏期間の後、微熱やかぜの症状などがみられ、その後、両頬に蝶の羽のような赤い発しんが現れます。続いて、体や手・足に発しんが広がり、1週間程度で消失します。
微熱やかぜの症状がみられる時期にウイルスの排出が最も多くなり、感染力が強くなります。かぜ症状のある人はこまめな手洗いや、せきやくしゃみをする時には口と鼻をハンカチ等でおおうなどの「咳エチケット」を心がけましょう。
特に、これまで伝染性紅斑に感染したことのない女性が妊娠中に感染した場合、ウイルスが胎盤を通じて胎児にも感染し、胎児水腫などの重篤な状態や、流産のリスクとなる可能性があります。熱や倦怠感が出現した後に発疹が出るなど、伝染性紅斑を疑う症状がある場合は、医療機関に相談しましょう。また、感染しても症状がない場合(不顕性感染)もあるため、周囲に伝染性紅斑の人がいる場合は、妊婦健診の際に、医師に伝えてください。
伝染性紅斑の家族がいる場合や、流行している地域で多くの小児と接する機会がある職業の方などは特に注意が必要です。かぜ症状がある方との接触をできる限り避け、手洗いやマスクの着用などの基本的な感染予防を行ってください。
【参考】
・岡山市感染症情報センターホームページ(岡山市内の伝染性紅斑の発生状況)
岡山市保健所感染症対策課
電話:086-803-1262