会期:令和8年4月1日(水曜日)から5月17日(日曜日)まで
会場:岡山市立中央図書館 2階 視聴覚ホール前の展示コーナー(観覧無料)
内容
岡山市立中央図書館が所蔵している戦国大名、宇喜多氏に関係する資料を展示しています。
室町時代に播磨国と備前国で勢力を振るった赤松氏が衰えると、備前国では武将間の抗争が続き、その中から宇喜多氏が戦国大名に発展し、領国支配の拠点として岡山城とその城下町を築きました。
宇喜多氏は関ケ原合戦で西軍にくみしたため滅び、岡山城主の地位は短期間の小早川秀秋の執政を経て池田氏へ移り、幕末維新に至りました。
当館は宇喜多氏などの戦国武将をめぐる直接の資料こそ所蔵していませんが、江戸時代以降の人々が古い記録を集めて執筆した戦国期の岡山に関する史書など、関連する文献の写本を所蔵しています。
そこでこのたびは、宇喜多氏の時代を後世の人々がどのようにとらえて関心をもってきたかを考えるため、備前国における武将の興亡を叙述した土肥経平(著)『備前軍記』などの写本を紹介し、それらが近代に活字になり、出版されて読書界へ広まるまでをたどります。
また、江戸時代後期に岡山城下で繁栄した豪商の中には、祖先が宇喜多氏にゆかりをもつとして出自を誇った家がありました。その中で当館には、多数の貴重な図書や美術品を収集して城下の市民に公開するなどして、江戸時代に文化の振興に貢献した河本家の資料を豊富に所蔵していますが、河本家では祖先が宇喜多氏の一族であったとして、その本姓の三宅氏を称していました。
総じて宇喜多氏については、関ケ原合戦で敗北したために没落しましたが、江戸時代の岡山藩では、かつての国主に対してふさわしい敬意を払うことを忘れなかったようです。地域の人々が宇喜多氏へ寄せてきた思いを、資料を通じてたどる展示です。
おもな展示品 (展示品27点は、すべて岡山市立中央図書館の所蔵品です)

土肥経平(著)『備前軍記』の写本(当館蔵)
安永3年(1774)成立
書写年代は不詳

河本家旧蔵『戸川全備録』または『戸川記』の写本の冒頭部分(当館蔵) 江戸時代前期
内容は、わずかな語句の異同を除けば『戸川家譜』(国立公文書館蔵)と同じものです。
宇喜多氏の重臣であった戸川氏でまとめられたもので、江戸時代でも早い時期の成立であることから、編纂史書の中では比較的内容に信頼性が高いといわれているものです。

河本公輔(書)七言詩(当館蔵) 江戸時代後期
宇喜多氏は祖先を児島へ漂着した百済の王子の子孫と称し、三宅を本姓としていましたが、岡山城下の豪商、河本家も祖先を宇喜多氏の一族とし、三宅を本姓にしていました。天明・寛政年間から文化年間の初頭にかけて活躍し、経誼書院を経営した当主、河本立軒の長男で、京都へ出て国学や歌学を研鑽した会(通称、公輔)がしたためたこの書では、本姓を用いて「三宅会」と署名されています。
所在地: 〒700-0843 岡山市北区二日市町56 [所在地の地図]
電話: 086-223-3373 ファクス: 086-223-0093