操山の野鳥たち
モズ(モズ科)

No.5 モズ(モズ科)
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 岡山平野に秋を告げる代表的な野鳥の声というとどんな声を思い出されるでしょうか。市内の田園地帯ならおそらくほとんどの場所で聞くことができる声です。「キーキーキー、キチキチキチ」と空気を切り裂く甲高い叫び声、「モズの高鳴き」がそれです。
 モズは、スズメを二回りほど大きくした野鳥で、市内ではほぼ一年中見られます。そのモズが、一年中で一番目立った行動を取るのが夏から秋への季節の変わり目で、そのときに発する特徴的な声がこの「高鳴き」です。
 モズは、昆虫やカエルなどを主食とし、かぎ型に曲がったくちばしには、タカにも似た鋭さがあります。ときにはスモズ(モズ科)ズメやメジロを襲うこともあり、「モズタカ」という別称もあるほどです。肉食性の野鳥によくあるとおり、モズは個々にテリトリーを持って生活しており、高鳴きによって自分の縄張りを宣言するのです。
 モズは、操山では林の中よりも、カキ畑や住宅地などに隣接した見通しのきく場所に住んでいます。この季節、声を頼りに比較的簡単に見つけられますから、樹木の頂やアンテナの上で鳴く姿を探してみてください。

日本野鳥の会岡山県支部

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