操山の野鳥たち
カワセミ(カワセミ科)

No.4 カワセミ(カワセミ科)
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 カワセミは、日本の野鳥の中でも際立って美しい色彩の鳥です。漢字で「翡翠」と書いてカワセミと読むのは、宝石のヒスイにも似た美しさという意味でしょう。
 カワセミは、川や池などの水辺をすみかとし、魚を主食としています。川の瀬を見ている鳥=川瀬見(カワセミ)となったという説もあるとおり、川辺の木の枝やくいの上に止まって水面を見つめ、魚を見つけると素早く飛び込んでくちばしで捕らえます。スズメくらいの大きさのこの鳥が水に飛び込む様は、あたかも小石を川に放り込んだようにも見え、その小ささゆえによほど注意していないと気が付きません。
 水辺に住むカワセミは、操山の林の中では見られませんが、操山に隣接するカワセミ(カワセミ科)百間川では一年中見られます。巣は川辺の土の露出したがけに横穴を堀り、その奥に卵を産み、ヒナを育てます。そのため、護岸工事で土がコンクリートで覆われると巣を作る場所が奪われてしまいます。最近も、工事により巣を失った例が観察されました。魚の住める川を守るだけではなく、巣を作る場所の確保にも心を配らなければ、この美しい鳥との共存はできないようです。

日本野鳥の会岡山県支部

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