操山の野鳥たち
メジロ(メジロ科)

No.11 メジロ(メジロ科)
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「うぐいすパン」のあんの色は、本物のウグイスよりもこのメジロの羽毛の色に近いようです。双眼鏡で見ると、緑色が一層鮮やかで、名前の元となった目の回りの白いリングもはっきりと分かります。
 メジロは一年を通じて操山で見られますが、特に秋から春先にかけては群れとなり、「チィー、チィー」と甘い声で鳴き交わしながら林の中を移動しているので、目につきやすくなります。
 「めじろ押し」とは、この鳥が枝に止まって眠る際に、一列に横に並んでくっついているところから由来した言葉で、群れの仲の良さを物語っています。           えさは夏の間は小さな昆虫やクモですが、秋から春先には木の実やカキ、ミカンなどの甘い果実をよく食べます。花のみつも大好物で、ツバキが咲くとやって来て、花の中に顔を突っ込んでみつを吸います。このとき、メジロの顔は花粉で黄色に染まって見えます。ハチやチョウなどの昆虫が少ない季節に咲くツバキにとって、みつを吸いに訪れるメジロはヒヨドリと並んで、花から花へと花粉を運んでくれる貴重な存在なのです。
 メジロが群れを解いて、森のあちこちから「チィーチュル、チィーチュル、チチルチチル、チュルチィー」と複雑で美しい声でさえずりだすころ、山には本格的な春がやってきます。

日本野鳥の会岡山県支部

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