操山の野鳥たち
エナガ(エナガ科)

No.12 エナガ(エナガ科)
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 小さな体についた長い尾が、ひしゃくの柄のように見えるところから、この名前がついたようです。別名に「柄長柄杓(えながびしゃく)」というのがあります。
操山にすむ鳥の中でも最も体重が軽い鳥の一つで、約9グラム程度しかありません。(ちなみにスズメは20グラム前後)軽々と枝から枝へ飛び移り、小さな昆虫やクモを探します。
移動しながら、「ジュルリ、ジュルリ」とか「チュルル、チュルル」などと、高く細い声で鳴きますが、あまり目立ったさえずりはありません。
 この鳥は,とても群れの中での仲が良い鳥で、子育て中を除くほとんどの間、集団で暮らしています。餌を探すときはもちろん、眠るときにも、一本の枝に何羽ものエナガが寄り添ってとまります。
3月〜4月ごろ、枝のまたになったところにコケとクモの糸で、袋型の巣を作ります。巣はとても精巧にできているので、ちょっとやそっとでは人間の目にはとまりません。
 早ければ5月ごろには,巣立ち雛の姿が見られるようになります。山歩きの途中、小さくてかわいい声のする小鳥の集団に出会ったら、このエナガの親子かもしれません。色が少しぼんやりしているのが巣だったばかりの若い鳥です。あまり人間を恐れないので,じっとして彼らが樹上を通り過ぎて行くのを眺めましょう。小鳥の群れに取り囲まれたときの感動は、格別ですよ。

日本野鳥の会岡山県支部

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