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令和5年度 第39回坪田譲治文学賞

[2024年2月21日]

ID:57012

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第39回坪田譲治文学賞

成瀬は天下を取りにいく

第39回坪田譲治文学賞受賞作
『成瀬は天下を取りにいく』(新潮社刊)
宮島未奈著

令和6年1月31日発表

選考経過

令和4年9月1日から令和5年8月31日までの1年間(※)に全国で刊行された小説、児童文学等の中から、小説家・児童文学者等から推薦された100作品について、「大人も子どもも共有できる世界を描いたすぐれた作品」という観点で、予備選考会を経て候補作6作品を選定。
これを、令和6年1月16日(火曜日)開催の第39回坪田譲治文学賞選考委員会(会場:東京都千代田区平河町「ルポール麹町」)で慎重に審査した結果、宮島未奈著『成瀬は天下を取りにいく』が選ばれた。


 選考委員は、阿川佐和子、五木寛之、川村湊、中脇初枝、西本鶏介、森詠、森絵都の7名。

 ※選考の基準日は9月1日(岡山市文学賞条例施行規則第2条) 

受賞者略歴

宮島未奈

宮島未奈

1983年静岡県富士市生まれ。滋賀県大津市在住。京都大学文学部卒。2021年「ありがとう西武大津店」で第20回「女による女のためのR-18文学賞」大賞、読者賞、友近賞を受賞し、同作を含む『成瀬は天下を取りにいく』でデビュー。

写真提供:新潮社

受賞者コメント

『成瀬は天下を取りにいく』の第一話「ありがとう西武大津店」は、2020年に閉店した実在のデパート、西武大津店が舞台です。滋賀県大津市に住むわたしたちにとって、慣れ親しんだ百貨店を喪った悲しみは計り知れません。

当時、新人賞を目指して小説を書いていたわたしは、このことを物語として遺せないかと考えました。そこで生まれたのが滋賀県大津市に生きる女子中学生、成瀬あかりです。

44年で幕を閉じた西武大津店ですが、成瀬あかりは200歳まで生きると豪語しています。『成瀬は天下を取りにいく』も、たくさんの人に永く読み継がれますように。


作品の概要

「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」。2020年、中学2年生の夏休みの始まりに、幼馴染の成瀬あかりが、また変なことを言い出した。コロナ禍、1ヵ月後に閉店を控えた西武大津店に毎日通い、ローカル局の中継に映るというのだ。幼い頃から成瀬を近くで見守ってきた島崎みゆきは、テレビに映り込む成瀬をできる限りチェックすることを心に誓う。やがて、西武ライオンズのユニフォームで連日映り込む成瀬の姿が、SNSでも時々話題に上がり始めるが……(「ありがとう西武大津店」)。その後も成瀬は、島崎とお笑いコンビ「ゼゼカラ」を結成してM-1に挑んだり、実験のため丸坊主になって高校の入学式に現れたり、大津市民憲章を暗記して全うしたり。二百歳まで生きることを目標に掲げ、日々全力で我が道を突き進む彼女から、きっと誰もが目を離せない。話題沸騰、圧巻のデビュー作。

選考委員 阿川佐和子氏(エッセイスト、小説家)のコメント

本作は主人公の女子中学生成瀬あかりが、常に前向きで、元気溌剌、奇想天外な発想のもとに、突っ走っていく姿が生き生きと描かれており、そこが高く評価されました。

地元滋賀大津の百貨店への愛とか、親友とお笑いコンビを組んでM-1グランプリで一位をめざすとか、髪が伸びるのを計るために丸坊主になるとか、人生の目標として二百歳まで生きようとか、ともすると奇人変人に思われがちだが、成瀬は意に介さず、自らの信念にもとづいて爆走する。成瀬の積極的で逞しく生きる姿が選考委員たちの心を鷲掴みしました。大人にも子どもにも、ぜひ読んでほしい痛快青春小説です。

お問い合わせ

市民生活局スポーツ文化部文化振興課

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電話: 086-803-1054 ファクス: 086-803-1763

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