春の剪定


春の剪定の目的は、「ばらの木」の更新が第一目的です、春になるとやがて出て来るであろうベイサルシュートの為に枯れ枝、古枝、軟弱な枝、混み合った枝等を除去します、更に健全な枝を切りつめることで樹勢の温存を計り、来るべき春の爆発的発芽を待ちます。

時期は2月1日〜2月15日位が適期ではないかと思います。
岡山県南部の場合、あまり早い内に剪定をしますと、冬とは言っても、そこそこ暖かい日が続くことが有りますので早々と発芽する事が稀ではありません、やがて必ずくる寒波で痛められることは必至です、充分気を付けてください。又遅すぎると、せっかく枝先にどんどん送られた貯蔵栄養分を切り捨てる結果と成ります。

剪定の適期とは、樹液が動かない時、即ち「ばら」の休眠時期を言います、岡山県南部で言うと立春が目安となります、立春から1週間位が最適ではないでしょうか、立春の頃は気温は最低を記録します、それまでに徐々に休眠に向かい立春の頃には殆ど休眠時期に入っています。

但し、もう切り捨てる事になっている、未熟な枝、細い枝、痛んだ枝、老化した枝、枯れ枝、混み合っている枝等は病害虫予防の為、栄養の無駄使いをしない為、樹形を整える為にも正月前に除去しておいた方がよいと思います、この時、出来るだけ根際から除去するように、本剪定の前の仮剪定と言います。

肝心の残留健全枝の剪定位置については、もったいないからと思って遠慮して高剪定をするとガッチリした良い木は望めません、新規に根際からの立派なベイサルシュートを望むなら、去年のベイサルシュートは40cm位、一昨年前のシュートは30cm位の位置が適当でしょう、一寸勇気がいりますが思い切って切り込みましょう。

よく切れるハサミで一気にスッパリ切る事、受け刃を除去する側、即ち上に、切れる側を残す側、下に、落ち着いて丁寧に行うこと、せっかく手を掛けても雑な剪定をする事で、「手間」が「仇」になってその部分から枯れ込みが始まります、五枚葉の逆方向、やや下から上へ15度程度角度を付けて発芽想定部分より7mm〜1cm程度上を目安に切ります、あまり上を切ると、枯れ込んできます、あまり下を切ると芽が出ません、この時発芽後の樹形を想定した上で剪定をする事、一般的には内側を向いた「芽」は敬遠しますが樹形によっては一概には言えません、とは言ってもなかなかうまく行かないのが現実です、良い芽と、芽の向きは必ずしも一致しません、工夫を重ねながら剪定をして下さい。

ハサミで切除出来ない太い枝は、手鋸を使ってキチッと処理してください。

最後にこの2月剪定の「剪定カス」を利用して苗木の「穂木」にします。

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