秋の剪定


秋のばら剪定は春の主幹木更新のための刈り込み剪定とは違い、一年間のばら作りの集大成とも言える秋花鑑賞のための剪定です、剪定と言う事にはいささかも間違いはないのですが、その目的からすると「整枝」とも言えます。

整枝の対象

「ばら作りのハウツー本」には予備剪定と言って弱小枝、懐枝、老朽枝等を切り捨てることを盛んに掲載されていますが、老朽化した枝は既に2月に処理して有りますし、懐枝は都度都度処理されていることと思いますのでこの件は蛇足だと思います。

残る「弱小枝」についてですが、会員みなさんのばら作りの目的が「コンテスト」で有ろうと無かろうと残すことをおすすめします!

つまり花を咲かす枝と、蕾すらも付けささない枝(弱小枝)とを明確に区別し、「弱小枝」を残すことで@光合成の助けをさすためA主たる枝の花切り離し時のショックを和らげるためB来春のための樹力の温存の一助とするため、12月末の落葉時迄は大切に付けておく。

以上のような理由で予備剪定は、平素から手入れの行き届いた愛好家には不要と言うことになります。

ばらに限らず全ては原始からが大切です、今日の皆さんのばらの姿は厳密に言うと「ばら苗」購入時からリンクしています、当然去年の管理が今日に多大に影響を与えていることは明白です、最大限目を瞑っても今年の2月にさかのぼります、従って平素の手入れが出来ていない「木」は今更どうにも成りません、秋の「剪定、整枝」の対象外です、出来ることは来年に向けて出来るだけ健全な「木」作りをしておくことです、その為には「弱小枝」を大切にしておくことです。秋のばらは「オール・オア・ナッシング」手入れをした人には両手いっぱいの花、手入れをしなかった人には何もありません。

整枝の目安

「ばら作りのハウツー本」には全体の3分の1程度を切りつめるとか、春から伸びた枝の下から何段目だとか記述していますが、今一つ納得できませんね、つまり諸説が個々の愛好家との間に説得性が無いからだと思います。

例えば個々のお庭の「木」の丈が上手に管理してやれば本来の個体特性からして3mにも成る木でも1.5mにしか成ってない場合もあります、ただ予測の出来る事として8月末日〜10月20日迄には放って置いても現在の状態より20%程度成長することは容易に予測できます、すなわち個体特性として3m、或いは2mに成る木が個々の庭で2m、1.5mで有ってもあまり関係がないのです、個々の庭で2mの木は2.4mに1.5mの木は1.8mに成長することが見込めます、それから逆算すると大体「本」に書いて有るような結論が導かれるわけです。

簡単な方法として先ず主たる枝(花を望む枝)を目通しで2分の1にします、次に上部2分の1をもう一度目通し2分の1にします、従って上部から4分の1付近に目が止まります、そこを基準にやや下あたりから好ましい芽を選びます。

剪定後にお目当ての場所から発芽しなかったり、或いは未成熟で軟弱な芽がでた場合はその下又はもう一つ下からの発芽に乗り換えます(その時は当然切り戻しをします)、従ってあまり早々とそれらの芽を掻き取らない用に注意する(方針が決まり次第一刻も早く掻き取る)。

無難なハサミの使い方

成長開花したときをイメ−ジした整枝

  1. 五枚葉の上0.7cm〜1cm位の所を切る。

  2. 五枚葉の反対方向から五枚葉付け根(参考)に向けて下から上へやや角度を付けて切る(大切な枝を枯れ込みから少しでも守るため)。

  3. ハサミは必ず受け刃(静止刃)が除去する側に成るように使う(残す側の枝の割れを少しでも防ぐため)。

  4. 太さ、高さを考慮に入れて3日間ぐらいに分散して切ると良いでしょう(そうする事で木に対するショックも少しは和らぐことでしょう)

 

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