5. 西大寺(さいだいじ)

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 吉井川の河口に近い岡山市西大寺にある。『金陵山古本縁起』(岡山県指定重要文化財)によると、創建は天平勝宝三年(751)に藤原皆足姫が千手観音の本尊を安置したことにはじまり、宝亀九年(778)に安隆上人が伽藍を建立した際に竜神から授かった犀の角を堂の下に治め、寺名を犀載寺としたとある。

 また、報恩大師聞基の備前四十八ヶ所寺の一つともされる。旧正月に行われる行事である会陽(岡山県指定重要無形文化財)、一般的に「はだか祭り」と呼ばれるおまつりは全国的にも有名である。

 三重塔 (岡山県指定文化財)

 現存している西大寺の建物のなかでは最も古い。延宝六年(1678)年の建立で、三間三重本瓦葺、三層とも指垂木にしている。総高22.1m、棟高15.9mである。

写真: 西大寺 三重塔
西大寺 三重塔
写真: 西大寺 三重塔
西大寺 三重塔

 西大寺観音院本堂 (岡山市指定文化財)

写真: 西大寺 観音院本堂
西大寺 観音院本堂

 現本堂は、文久三年(1863)一二月に再建されたもので、桁行五間、梁間六間、入母屋造、向拝三間付きの本瓦葺である。正面の二間通りを大床とした大建築である。会陽に際し、裸群の宝木争奪戦の舞台となる。棟札によると、再建時の本棟梁が当所の時岡弥右衛門幸家、脇棟梁が塩飽の大内貫五郎となっており、塩飽大工の応援を受けたことがわかる。

地図: 西大寺(さいだいじ)
位置

見学 JR「西大寺」駅下車、徒歩15分

参考文献 岡山県教育委員会『岡山県の近世寺社建築』1978年

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