石の嫁ぎ先

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犬島石絵巻岡山城ストーンヒストリー「400年前の感動再び」

犬島は、岡山城を築城した、宇喜多直家の居城であった乙子城跡から、南東の瀬戸内海に浮かぶ小さな島です。
 村上水軍が往来していた頃は、海賊の根城であったような話も伝わっていますが、今はそのような面影はどこにも見あたらない、穏やかな青い波間に浮かぶ美しい所です。
 春は島中を白くふんわりと包む山桜におおわれ、夏は小豆島や四国山脈を望みながら、ゆったりとした白砂での海水浴、秋はコバルトブルーの青空の下で釣りの醍醐味、冬は甘い香りの清楚な水仙と、島でないと味わうことの出来ない四季折々の自然が楽しめます。
 平成11年4月から「岡山市立犬島自然の家」が開設され、陸、海、空の体験が出来る宿泊施設も出来ています。
 気流の関係や高い山がないことから天体観測に適しており、40センチメートルの反射式望遠鏡やクーデ式望遠鏡も備えられ、星空のロマンが楽しめるようになっています。
 海水浴場に隣接して200人は収容出来る「犬島公園」キャンプ場もあり、犬島の自然が満喫できます。
 この島は石の島と呼ばれ昔から採石が盛んに行われてきました。山を崩しては石を掘り出し、地下まで掘り下げて石を採り出しました。島のあちこちには、石を掘り出した跡に水が溜まり、池となった場所が多数残っています。
 平成8年と9年に岡山城築城400年の記念イベント「犬島石絵巻岡山城ストーンヒストリー」が2カ年にわたって島を舞台に繰り広げられました。
 平成8年8月の初日には「石切り出しの巻」と題して前夜祭は島で唯一稼働している有限会社東田石材の敷地内に設けられた特設ステージで、石の尺八と笛によるコンサートをはじめ、日本書紀を題材に、備中神楽とシンセサイザーを組み合わせた「音劇」が、会場を夕日が茜色に染めるファンタスティックな雰囲気の中で行われました。
 次の日は、うって変わってギンギラの太陽の下でのオープニングです。宇喜多秀家に扮した侍や奉行らにより、実際に石を割ったり、観客も参加して、宇喜多の旗印の字をノミとツチでカッチンカッチンと石に彫ったりしました。
 暑さも一番厳しくなるお昼頃、本日のメインである、石の搬出風景の再現です。ちょんまげ姿で赤ふんどしの昔の石屋職人に扮した100人が修羅というそりの上に乗せた15トン(縦3.6メートル、横2.3メートル、高さ1.5メートル)の大石を引っ張りました。100人ではビクとも動きません。見物人はじっとしておれなくなり、100人ほどが加わって綱を引きました。やっとの事でじりっーじりっと大石は少しずつ動きました。昔の人は本当にこうして石を運んだんだ知恵と力強さに頭がさがりました。
 平成9年には「築城の巻」としてこの大石を筏に乗せて旭川を上り、海上輸送されました。岡山城の近くで陸揚げし、市民扮する石引き職人の手で2時間かけて引っ張られました。この大石は歴史絵巻の記念碑として後世に残すため岡山城近くの石山公園に設置されています。

石山公園

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